Rumika's Diary

Rumika NozakiのDiary

ルポ 貧困大国アメリカ

2008-08-22 23:51:06 | Weblog
オリンピック、ソフトは感動しましたね~^^やったねー!野球は残念!(>_<)/

さてさて最近読んでた本で大変衝撃を受けたものがあり、是非皆さんにも一読していただきたいと思いご紹介します。岩波新書「ルポ貧困大国アメリカ」堤未果著です。今年1月に発売されましたが名古屋でも様々な書店でベストセラーに上がっておりました。日本の格差や貧困、労働問題にはもともと興味があっていろいろ本を読んでたんですが、この本からはそれらを超える、グローバルな観点から戦慄と衝撃を受けました。

今やアメリカの貧困層のみならず、他の国の貧困層までもがビジネスの名のもとに戦争に労働力として、商品として搾取されていること(グローバルな派遣会社、戦争請負会社が存在する)それはアメリカでは社会保障政策や教育などあらゆる分野が民営化され、極端な市場原理主義によって貧困や格差が拡大した結果であること、また世界の多くのメディアがそうした政策を推進する権力者に支配(操作)されていることなど、アメリカを主導とするグローバリズムの世界に生きていることが本当に恐ろしくなりました。また貧困層を派遣社員として戦争に送り出す貧困ビジネス、彼らがそうせざるを得ない状況を作り出す社会政策には強い憤りを感じます。こんなことは絶対にあってはならないと思います。

日本でも若者の貧困化、格差が問題になってますが、アメリカでも多くの若者が学費を払えず借金だらけであったり(学費の高騰や奨学金受給資格の縮小やカットのため)卒業後は低賃金の仕事にしかつけなかったり、将来に希望が持てず、学費を工面するため軍に入隊する者が多いらしいです(軍のリクルーターもそこを狙うらしいです)

私は実際に、私より若い人や意欲もあって有能な同世代の多くの人が使い捨てのように扱われるのを労働現場で見ました。あと個人的ないろんな経験からも仕事や労働の意味、生きることと労働の意味などを考えるようになりました。なので本文にあった次の文章は心に響きました。

「日本でも昨今問題になっている「貧困と教育格差」が、国が国内の何に対し未来への投資を行うのかという問いと同義語であることを、アメリカの若者たちを追いつめてゆくこの流れが象徴している。」「仕事の意味とは、ただ生活費を稼ぐ手段だけではない」「若者たちが誇りをもって、社会の役に立っているという充実感を感じながら自己承認を得て堂々と生きられる、それが働くことの意味であり、「教育」とはそのために国が与えられる最高の宝ではないでしょうか?将来に希望をもてる若者を育てていくことで、国は初めて豊かになっていくのです。学びたいという純粋な欲求が、戦争に行くことと引きかえにされるのは、間違いなのです」(第4章 出口をふさがれる若者たち p.141より)

また同じく岩波書店の「ルポ”正社員”の若者たち~就職氷河期世代を追う~」小林美希著も骨太なルポでよかったです。そこにも同感する記述がありました。

「働くことに生きがいを見出そうとする若者の存在こそが、この国の希望なのではないか。」「仕事や人生への誇りを失わずに想いをもって働く若者たちが、最後に日本経済を支えていく」(第4章 若者の悲惨な未来 p.213より)

高齢者や様々な弱者をないがしろにし、国の未来、希望であるはずの若者を使い捨てにする国や企業、経営者の政策にはずっと憤りを感じてきました。

最後にもう一つ、これまた最近発売された本で日本評論社「置き去り社会の孤独」大津和夫著がよかったです。ここには欧州諸国のあらゆる社会的排除に対する政策(特に若者に対する)が紹介されており、大変興味深かったです。特に個人的にはイギリスのニート支援拠点におけるPA(パーソナル・アドバイザー)の仕事に興味を持ちました。(就労支援だけでなく福祉や心理、健康問題など包括的な支援を行うものです)

というわけで今日はブログらしく熱く語ってしまいました。興味を持たれましたら是非、一読くださいね~~(^^)/~~では今日はこの辺で、おやすみなさい~~


コメント
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