小さな女の子が、軍服に身を包みほふく前進をしている上の写真、一瞬びっくりされた方も多いのではないでしょうか。
日本では、子供と軍事的な要素というのは全く結びつきがありませんが、台湾は、対中関係が改善に向かっている今でも、中国大陸との軍事的緊張と向き合っています。
小さなうちから国防意識を身につけるのはむしろ当然の教育であり、小学校から大学まで、「国防教育」の時間が設けられています。
男性の場合は、満18歳になると兵役の義務が発生します(2014年中には徴兵制が廃止され、全面志願制に移行の予定)。
そのため、台湾の成人男性の多くは、軍事訓練を受けた経験があります。
ですが、女性の場合は、自ら軍に志願しない限り、通常は軍事訓練やそれに類似した体験はありません。
台湾のガールスカウト「女童軍」は、女の子たちが実際に兵隊さんの気分を味わえる数少ない場所となっているのです。
模型の銃で射撃体験
みんな真剣
ガールスカウト誕生のきっかけとなったボーイスカウトは元々、少年向けの軍事規律教育などが当たり前だった1900年代初頭に生み出された新たなタイプの教育方法で、「スカウト」という英語は、軍隊における偵察部隊などを指す言葉です。
中国語では、ボーイスカウトは「童子軍」、ガールスカウトは「女童軍」と言いますが、これは実は本義にとても忠実な訳なのです。
こちらはロッククライミング体験
ものすごい高さ!!
もちろん毎回軍事体験をしている訳ではなく、あくまでイベントの一つ
アウトドア活動やダンスなど色々あります
各国のガールスカウトとの交流も盛ん
1月に台中で行われたキャンプに参加したパキスタンのガールスカウト
1月のキャンプには、パキスタン、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなど様々な国のガールスカウトも合流し、国境を越えた様々な活動が行われました。
今回は、日本にあまりなじみのない内容だったためか、日本からの参加はありませんでしたが、台湾のガールスカウトは、日本の大会などにもよく招かれています。
台湾の頼もしい「女童軍」を、これからも見守って行きたいものです。(華)