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イングランドvsクロアチア 【EURO 2008予選】

2007年11月23日 | 欧州リーグ / 各国代表
■ EURO 2008 予選 グループE 第12戦
   イングランド(2-3)クロアチア   @ウェンブリー
    ・前半 8分 クラニチャル(クロアチア)
    ・前半14分 オリッチ  (クロアチア)
    ・後半11分 ランパード (イングランド)【PK】
    ・後半20分 クラウチ  (イングランド)
    ・後半32分 ペトリッチ (クロアチア)


この試合の詳細は、ブログランキングにてサポーターの方のエントリーをご覧下さい。


■ クロアチア

◆ ビリッチCROATIA
個人的に、この試合『イングランドvsクロアチア』を観たいなぁと思っていました。それは、イングランドを観たいわけではなく、クロアチアを見たかったからです。理由は、以前、こちらのコラムを読んだからなのです。“敗戦国”クロアチアの現在』 宇都宮徹壱

上記コラムの中でも書いていますが、ドイツW杯、日本と同じグループだったクロアチア。
(ちなみに、98年W杯フランス大会は、日本が初めてW杯に出場した大会です。さらにクロアチアも当時分離独立後、初めてクロアチアとして出場し3位という成績を残す。)
そして、現在のクロアチア代表監督は、当時のメンバーだったスラベン・ビリッチ(38)
上記コラムでも書いてありますが、フランスW杯準決勝、地元フランス戦で、ローラン・ブランを巧妙なプレーで退場へと追いやったりブーイングを浴びながら戦った選手です。(懐かしい)

個人的には、若い監督というのは好きですね。可能性を感じるし、「何をするつもりなんだろう?」という期待感を抱きます。チームがゴールを決めた時の喜び様は、選手達と変わらなかったですね。今回ユーロ2008に出場したことにより彼への評価は確固たるものになったでしょう。

まず最大の驚きが、システムがきれいな4-4-2になっていることだ。クロアチアのシステムは、伝統的に3-5-2。過去に4バックを試したことはあるが、あくまでもオプション的なものであり、過去のどの監督でも成功した試しがなかった。それをビリッチは、いとも簡単に成し遂げてしまったのである。

 (中略)

 ベンチについても言及しておくべきだろう。ビリッチの副官は、アリョーシャ・アサノビッチ、ニコラ・ユルチェビッチ、マリアン・ムルミッチ(GKコーチ)。いずれも、クロアチア黄金世代の気心知れた同志である。とりわけビリッチとアサノビッチは、U-21代表時代からのコンビで、モドリッチやエドゥアルドといったタレントを見いだしたのも、彼らの功績である。これに加えて、あのロベルト・プロシネチキも「テクニカル・スタッフ」として無給で代表に帯同している。指導者の資格を持たないプロシネチキが、果たしてどれくらいチームに貢献しているかは分からない。が、少なくとも98年W杯のレジェンド(伝説)が集結したことで、「戦争のイメージ」「新生国家への愛国心」が希薄になった代表チームに、新たな活力を与えたことは間違いなさそうである。

引用元:スポナビコラム - “敗戦国”クロアチアの現在 text by 宇都宮徹壱
ドイツW杯では、日本はオーストラリアに敗れた後、中田、小笠原、中村を起用すべく中盤の構成を変更し4バックでしたが、クロアチアは3バックでした。(プレーバック・ドイツW杯
このクロアチアの伝統3バックを4バックにしたということよりもビリッチがどのようなチームを作り上げたのか?、またどんなチームになったのか?という方が興味がありました。そして、今回の相手は、イングランドでしたので、このクロアチアの実力を推し量るには絶好の相手だと思っていたからです。

■ イングランド

◆ たなぼた・・・イングランド
ご存知の方もいると思いますが、一応、簡単にこの試合前のイングランドの置かれた状況についても簡単に説明しておきます。

11月17日(土)の試合開始前の順位
順位チーム勝ち点
1位クロアチア 26
2位イングランド 23
3位ロシア 21
17日、イングランドは試合がありませんでした。
首位のクロアチアは、なんとマケドニアに0-2で敗れ。ロシアもイスラエルに1-2と敗れました。

これにより、イングランドは、最終戦のクロアチアとの試合に引き分け以上で、ユーロ出場が決まることになっていました。(ロシアが勝利しても得失点差でイングランドが上回る)状況は、若干違えど、今回、北京五輪出場を決めた反町JAPANと同じだったのです。引き分け以上の結果を出せばいい。
普通に考えれば、聖地ウェンブリーで、自分達のホームゲームです。そういう意味では、イングランドが「引き分け以上の結果」を出すことに関して、不安を抱く人は少なかったと思います。また、クロアチアは、ユーロ本大会出場圏内は確定していたので、場合によっては戦力を落としてくると考えていた人もいたと思います。ところが・・・

■ クロアチア前半で2ゴール

◆ GKスコット・カーソン、辛いデビュー戦
この日のイングランドのフォーメーションを見て、面白くない試合であったとしてもとにかく失点を避けたい。というマクラーレン監督の意図が見えました。イングランドは、[4-1-4-1]。
アストン・ビラのバリーをボランチで守備的に配置。クラウチのワントップという布陣。さらに、この大事な大舞台で、GKをスコット・カーソン(アストン・ヴィラ)に代表デビューさせるという判断をしましたが、これが裏目に・・・

前半8分 クロアチア右サイドから、左サイドへ展開。
クラニチャルがトラップし、中へ少し切れ込みミドルシュート!小さい弧を描いたシュートは、カーソンの手前でワンバウンドして、カーソンが掴めずそのままゴール。「えっ?!」って思うような失点でした。やっぱり、緊張していたんでしょうね・・・

クロアチアにしたら、労せずして先制点。イングランドにすれば、一番嫌な試合展開。

イングランドも負けじと、前半9分。
左サイドからJ・コールがドリブルで仕掛けクラウチ~右サイドのSWP(ショーン・ライト・フィリップス)へ、そのままシュートへ行くもGKの正面。

さらに、前半12分。
ジェラード~SWP~リチャーズ~クラウチと行くもののゴールならず。
前半立ち上がりは、右サイドのSWPを中心に形を作っていました。また、クラウチに当ててという形もありました、中央からサイドへ展開したり、サイドで起点(この場合は、J・コールが良かった)を作ったりと頑張ってましたね。

ところが、そんな攻勢のイングランドに再び悲劇が・・・
前半14分。エドゥアルドからのパスをオリッチがゴール。
オリッチは、イングランドのDFラインを上手く取り、一瞬、オフサイドと思いましたが、リプレーを見るとギリギリ。飛び出したGKカーソンも交わされ・・・完全にカーソンのスタメン失敗ですね。CBテリー、ファーディナント不在がこの辺で露呈された感はありました。


クロアチアのフォーメーションは[4-4-1-1]
ワントップのエドゥアルド、その下にオリッチがスペースを意識して動く形が特徴でした。この試合、クロアチアは、純粋にアウェイでの戦いをマジメに実践したと思います。「4-4」の2ラインはイングランドの攻撃をなんとか封じていましたが、それほど堅守とは言えないなぁって局面がちらほらと・・・1つ挙げれば、中央の守備に多少穴があるかなという感じですね。ただ、クラウチの高さにも負けていませんでしたし、試合運びの上手さは、感じました。

■ どうして引き分けられなかったのか?

◆ ベッカム登場
0-2とホームで前半を折り返し、かなり厳しい状況のイングランドは、後半から2人選手交代「ベッカム(IN)、ライト・フィリップス(OUT)」、「デフォー(IN)、バーリー(OUT)」。そして、いつもの[4-4-2]としてきました。

この試合で改めて感じたのは、サポーターは、ベッカムを求めているし期待をしているということです。やはり、この10年弱の間イングランドを牽引してきたのは、ベッカムだったということです。その他にも素晴らしいタレントが揃っているイングランド、しかし、現マンチェスターC監督エリクソン時代も思うような結果が残せず、今回のマクラーレン体制でも同様。きっとイングランドサッカー協会(FA)の監督人事に問題があったと思うサポーターも多いでしょうね。

後半11分。
ゴール前でクロアチアDFがデフォーを引っ張りPKを得る。それをランパードが決め1点差。この辺くらいから、イングランドが吹っ切れ猛攻を仕掛けます。すると・・・


後半20分。
ベッカムのクロスをクラウチが胸トラップからゴールを決め、なんと2-2と追いつきました。やはり、ベッカムは、こういう星の下に生まれた男なんだなと思いました。
 

◆ クロアチアも動く
同点になり数分後、クロアチアも「ペトリッチ(IN)、エドゥアルド(OUT)」。さらに後半30分「プラニッチ(IN)、クラニチャル(OUT)」と代え、最後までチームに戦う姿勢を植え付けようとビリッチ監督は考えていたと思います。本大会を見据えて、新しいこのチームに自信を付けさせたかったんだと思うのです。

このような試合の状況の場合、両チーム共に暗黙の了解みたいな感じで、引き分けで終わる事もあると思うのです。それは、クロアチアも無理する必要もなくイングランドも引き分けでもOKだったわけで・・・さらに、雨でぬかるんだピッチ状態で怪我をする怖さもあると思います。しかし、それ以上に、勝つことを貪欲に求めたクロアチア。

一方のイングランドは、同点とした後の約25分の試合運びを上手く出来なかった。
クロアチアが逆転するという意気込みを見せてきたので、単純に試合は振り出しに戻ったという見かたが出来なかったのか?クロアチアが攻めてくるので守らなければならない。さらに、ちらほらと逆転の可能性も見え隠れする試合展開。

こういう試合運びは、非常に難しく・・・そういう意味では、反町JAPANはよくやったと思いますね。イングランドは、ぬかるんだピッチ状態でハイペースの試合運びをしていた為に疲れがみえ、中盤でのプレスが掛からなくなりましました。

後半32分。
途中交代で入ったペトリッチがミドルシュートを決めてイングランドを奈落の底へ。
この前のシーンでもくさびのパスをペトリッチが受けモドリッチかな?がスペースへ抜けたシーンがありました。


この試合、リオ・ファーディナント、ジョン・テリーというCBの不在が大きく響いたかな?と思いました。

また、結局イングランドの失点は、サイドからクロスを上げられて・・・というのではなく、中央からのものばかりだったのです。ランパード、ジェラードの共存を計ろうとバリーを入れるものの前半から2失点し、とにかく失点を抑えたかったという事前のプラン通り行かなかった時点で負けていたのかもしれません。

そもそも、同点にした後にイングランドに明確な方向性が見られなかった。そして、最終的には、ゴール前に放り込んで・・・試合終了。







【ロンドン22日時事】イングランド・サッカー協会(FA)は22日、来年の欧州選手権の予選敗退を受け、同代表のスティーブ・マクラーレン監督(46)の解任を発表した。
 イングランドは21日に行われた同予選のクロアチアとの最終戦に敗れ、1984年大会以来の本大会出場を逃した。同代表が主要国際大会に出場できないのも94年ワールドカップ(W杯)米国大会以来で、22日に開かれたFAの緊急理事会が、同監督の責任を問う形で決定した。 

引用元:時事通信 -
マクラーレン監督を解任=サッカー・イングランド代表


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マイカ)
2007-11-23 19:56:53
クロアチアの選手や監督のコメントを読んだのですが、イングランドの報道にプライド刺激されたようです。
イングランドがもう少し謙虚だったらクロアチアもそこまで勝ちに行かなかったのでは?と思いました。
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Unknown (yohan)
2007-11-23 20:33:24
アンチイングランド派としてはやっほいですね。

ユーロでは、ごり押し系チームは去ってほしいので。







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Unknown (shimada)
2007-11-23 22:12:49
ランパードとジェラードの共存は結局できなかったようですね。
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コメントのお返事 (コージ)
2007-11-24 15:00:04
マイカさん

こんにちは、はじめまして。
イングランドの報道は、毎度のことですから(苦笑)
ただ、クロアチアはこの一戦を単なる予選以上の意味合いを感じて戦っているようにみえました。
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コメントのお返事 (コージ)
2007-11-24 15:01:17
yohanさん

こんにちは。
私は、イングランドファンです。
でも、今回の結果は、良い意味でFAが変わる分岐点になって欲しいって思っています。
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コメントのお返事 (コージ)
2007-11-24 15:02:51
shimadaさん

こんにちは。
イングランドの他の予選を見ていないので、分かりませんけど、ジェラード、ランパードの共存は可能だと思います。マクラーレンはその術を持っていなかっただけじゃないでしょうかね。チーム戦術や試合の方向性が分かりにくかった。
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Unknown (yunapure)
2007-11-24 23:46:09
こんばんは~!お久しぶりです!
クロアチアは選手も監督もサポーターも、まるでこの試合の勝利で何かが決まるかのような強いものを感じました。
一応GKカーソンは16日のオーストリア戦でデビューはしていたので、
そういう意味での緊張はなかったと思うんですけど、失点が大きなプレッシャーとなる試合は初ですからね><。
本当にマクラーレンは何がしたかったのかわかりませんでした。
まさかの敗戦でショックは大きいです・・・。
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コメントのお返事 (コージ)
2007-11-25 00:00:13
yunapureさん

こんばんは。

オーストリア戦でデビューしていたんですね・・・知らんかった^^;

雨の影響で多少スリッピ-だったかもしれませんけど、カーソンのあれは、痛い・・・一番、与えたくない先制をクロアチアに与えた。

クロアチアは、ユーロ及び今後の新体制の元、気分も新にイングランドを倒すという純粋な姿勢で試合に臨んでいたんだと思うのです。
少なくともクラウチの同点ゴールで2-2になった時点でイングランドは、そのままドローに持ち込むべき試合だったと思いますね。逆転して楽になりたい気持ちも分かりますけど、ドローで終える意識で行く方が現実的な方向性だと思っていました。


敗戦は、私も驚きと共にショックですけど、ポジティブに考えれば、ショック療法が今のFAには必要なんですよ。
ただ、エリクソン政権から考えると、タレント揃いの一つの世代で、タイトルを取れなかったという事実は重く受け止めるべきだと思いますけどね。

P.S.
今夜、チェルシーは、ダービーですね。
リバプールは6点取った相手ですよ・・・頑張ってね( ̄∇ ̄)ニヤッ
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