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マリーシア、W杯ドイツ大会の日本代表に足りなかったものは?

2006年09月22日 | 日本代表 (オシムJAPAN)
■ マリーシアってなんだ?!
WSP(ワールドサッカープラス)に戸塚啓氏『日本人だけがわからないマリーシアの意味』というタイトルのコラムがありました。非常に興味深く・面白かったので、ご紹介します。(サッカーファンであれば、必見です)
※ 以下、上記コラムを読んだものとして進めて行きますので、先にお読み下さいm(__)m また、みなさんなりに熟考してみて下さい。

氏がカカ(ブラジル代表/ACミラン)とのインタビューの中で、下記のようなやり取りがありました。
「W杯ドイツ大会の日本代表に足りなかったものは?」という質問の答えである。
「いい意味での悪さを持たないといけないと思うんですね。そこがちょっと、足らなかったような気がしますね」

そして、戸塚氏は、以下のように書いている。
僕は相手をじらしたり焦らせたりするものと定義していた。経験豊富なキャッチャーがマスク越しのささやきでバッターを惑わせるような、インサイドワークに近いものだと思っていた。多分に精神的なものだと考えていたのである。

実は、私も戸塚氏が考えていたマリーシアの定義と同じように考えていました。さらに、カカは、以下のように付け加えています。
「相手をイライラさせるのは、ちょっとやりすぎじゃないかな。そういうことじゃないマリーシアもあるよ

ん??どういうことだ!?そういうことじゃないマリーシアって・・・例えば、先日のアジアカップの予選で戦った、サウジアラビアは、お馴染みの中東的なマリーシア(痛いふりする時間稼ぎ)をしてきた。また、アルゼンチンもブラジル以上に相手をイライラさせるマリーシアは得意だ。実は、この辺からこのコラムのマリーシア?にはまってしまいました(苦笑)

■ 自分がそうしたいと思うことを実行するためのテクニックがマリーシア

続いて、2人のイタリア人の例えから考えてみる。
無言で相手を誘惑することと、ウインカーを出さずに幅寄せをしていくこと。どちらも精神的な駆け引きのように感じられるが、ファブリツィオは「マリッツィア=精神的なもの」ではないと言う。
「自分がそうしたいと思うことを、実行するためのテクニックだ」というのだ。
なるほど、「精神的なものではなく、自分がそうしたいと思うことを実行するためのテクニックがマリーシア」ならば・・・

■ 新たなマリーシアの定義!?

ここで、私なりに解読?しましたので、2つの例えを…
(例1)
引いた相手ディフェンスラインを崩す為にミドルシュートを撃つとします。相手DF陣は、ミドルシュートが決められるのが嫌なので、次にミドルシュートの体勢になった瞬間に前に出てきてシュートブロックをしようとします。すると今度は、ディフェンスラインの裏のスペースへパスを出します。
(例2)
相手チームの左サイドでSBとの1対1の局面。そこでウィングのプレーヤーがクロスを上げようとします。一度、右足でクロスを上げようとして、キックフェイントを入れて左足でクロスを上げます。次に、同じような局面で、前回と同じキックフェイントを今度は左足でもフェイント入れて、結局、右足でクロスを上げます。

この2つの局面でのプレーは、マリーシアだと思います。

まず、(例1)で、自分がそうしたいことは、ゴールを決めたいことです。よってミドルシュートを撃ちます。しかし、二次的な結果として、DFラインの裏のスペースも発生します。よって、この局面での選択肢が2つに増えました。よって再び同じような局面では、ミドルシュートなりDFラインの裏へのパスなり、ゴールを挙げる為に確率の高い方を選択すれば良い訳です。

次に(例2)について。ウィングの選手が自分がそうしたいことは、ゴール前にいる選手に効果的なクロスを上げたいことです。(もっと先を言えば、結果ゴールが欲しい訳です)しかし、相手SBのプレスが邪魔なので、それをかわす為にキックフェイントを入れます。相手SBは、どっちの足でクロスが来るか一瞬戸惑います。よって、効果的なクロスが上がり易くなります。

■ カカは、常にマリーシアを考えプレーしている

コラムの中であった、ミランでのカカのマリーシアと言えるプレー(ちなみに、この局面は、実際に行われた試合のからの引用らしいので、今シーズンのミランの試合(時期的にラッツィオかパルマ戦辺りだと思われる)録画した方は、探してみて下さい。) 実は、先月?行われた、ブラジル対アルゼンチンの親善試合でのカカのゴールは、まさにマリーシアでした。

◆参考動画◆ Click!!→アルゼンチン戦のでカカのゴール - You Tubeより

この局面でアルゼンチンDFとしては、リトリートしながら、カカがゴールから遠ざけたいと考えていたと思うのです。しかし、カカは、DFに向かってドリブルをしていきました。これってマリーシアですよね!?
自分がそうしたいと思うことを、実行するためのテクニックがマリーシアということであれば、ゴールを決める為にスペースへドリブルしていくのではなく、相手DFに向かってドリブルをして、かわしてゴール。

■ マリーシアについてまとめると・・・

これまで我々日本人が考えていたマリーシアの定義は、(中東的な)「相手をじらしたり焦らせたりするもの」だけだと思っていました。勿論、相手選手との精神的な駆け引きというのもマリーシアに含まれると思いますが、イタリア人やブラジル人が言うには、「マリーシア=精神的なもの」だけではなく、むしろ「自分がそうしたいと思うことを、実行するためのテクニック」の方がよりマリーシアだということになります。

≪追伸≫
あまり上手く書けませんでしたので、分かりにくかったと思います。
申し訳ございませんm(__)m

お詫びに右バナーからHな画像をご覧下さい。 こういうのも、マリーシア?!(笑)


≪追記1≫
昨夜、この記事を書いてから、色々とマリーシアについて考えていました。
野球で、ホークボールで仕留める為にストレートを使ったり、アウトコースのボールを使う為にインコースを投げるのも、マリーシアですよね!?

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マリーシア (Ryon)
2006-09-23 17:09:13
コージさん こんにちは!



私も戸塚さんのコラムを読みましたが、私の持った印象としては、「相手を自分の都合の良いように、無意識に誘導する技術」というような感じがしました。



日本人選手も、この辺は自分なりには意識してやっていると思いますが、最終的に自分が理想としている展開に持っていくための、”手順”や”方法”の引き出しが少ないために海外の選手よりもうまくいかないのではないでしょうか。



”経験や歴史の差”ということですかね。
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コメントのお返事 (コージ)
2006-09-23 17:51:22
Ryonさん



>こんばんはです。

結構、戸塚氏のコラムは反響があるみたいですね。

私は、読解するのに友達と話ながら2時間くらいかかりました。多分、結果的に精神的な部分に働きかけるので、誘導する、または、TB貼っているKINDさんは、「布石」という表現を使っていますが、そういうことだと思います。

但し、個人的には、そういうことを具現化するテクニックの部分をクローズアップすべきかと思います。つまり、テクニックがなければ、マリーシアを仕掛けられないからです。
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