原題: The Wolf of Wall Street
監督: マーティン・スコセッシ
出演: レオナルド・ディカプリオ 、ジョナ・ヒル 、マーゴット・ロビー 、マシュー・マコノヒー 、ジョン・ファブロー 、カイル・チャンドラー 、ロブ・ライナー 、ジャン・デュジャルダン
公式サイトはこちら。
22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダンは、学歴もコネも経験もなかったが、誰も思いつかない斬新な発想と巧みな話術で瞬く間になりあがっていく。26歳で証券会社を設立し、年収4900万ドルを稼ぐようになったジョーダンは、常識外れな金遣いの粗さで世間を驚かせる。全てを手に入れ「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになったジョーダンだったが、その行く末には想像を絶する破滅が待ち受けていた。(映画.com)
結局2回鑑賞してしまいました。1度目は2月の上旬、それからちょうど1月後にもう1回(なのでこれ書いてるのは3月です。笑)。何故かというとこれ結構長いんですね。記憶なくしちゃった所もあり(笑)、あと全編かなり悪意に満ちた感じはわかるんだけど、ではその中の見どころは?という点をもう1回きちんと整理してから書きたかったので。
結果から言えば、これかなり好きでしたね。悪だくみと金儲けしかしない人ばっかり出てくるんだけど、それでも何だか独特のテンポにやられてしまった。
実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの自伝の映画化ということなんだけどこれがまたリアルで拝金主義一辺倒というか、とにかくひたすらウォール街でのし上がるために儲けろ!だけが至上主義。なので話もどうしたら金が入ってくるかオンリーが基準となっている。ウォール街に就職したての頃のジョーダンが冒頭に出てくるが、少しすると結構ウォール街龍に染まってくる。金を儲けることはまるで女を落とすことと同義語かのような上司・同僚の行動がいちいち面白い。とりわけマシュー・マコノヒーですね。彼の意味不明な歌(「ふんふん、ふふふん、ふふふんふんふんふふふん♪」・・・ 笑)あれが頭に残って離れないんですけど(笑) あれってどっかの曲なんでしょうか。それともこの映画のオリジナル?
マコさん、最近の作品はどれもハズレなし。これは前半ちょこっとだけしか出てきてないんだけど、もっと観たいというオーラが出まくりでしたね。アカデミー主演男優賞おめでとう。レオさんは残念だったけど(苦笑)
主演男優賞取れなかったとはいえ、レオさんの演技にも鬼気迫るものがありまして。服用期限切れの鎮静剤(といってもほぼドラッグ的な用途)の「レモン714」を飲んで、大したことないからってんでランボルギーニを運転して近くまで行ったところで「レモン」がようやく効きはじめて、死にそうになりながら帰宅したあとに乱闘するシーンなんかは凄かった。あれはもう正気の沙汰じゃできないでしょう。ああいうシーンってほんとに馬鹿以外の何物でもないんだけど、それでも見てる側としてはそれがエンタメっぽくなっちゃってていつの間にか引き込まれる。
とりあえず、悪趣味なくらい「金」「女」「SEX」が全てという世界にどっぷりと浸かり込んだ男の人生といったところなんですが、それでもただそれだけで彼がのし上がったんじゃないところが、はじめと終わりに出てくる "Sell me this pen," のくだりだろう。ただのアホじゃない、どこかで一枚上手だったからこそ上がっていけた。ただしその手法がイカサマだっただけ。自分にどうしたらペンを売りつけられるか、人にどうやって買ってもらうか、そのノウハウが一歩人とは違うものがあったからこその彼の人生なのだろう。
音楽ですが、うまい使い方をしていると思ったのは2曲。
懐かしいですよねーこれ。そして、会社を興そうとしているシーンにぴったり。日々の"penny"に一喜一憂している者たち、こんなとこから抜け出そうよということで、こんな曲よく見つけてきたなと思いますよ。
そしてもう1曲はこれ。カイル・チャンドラーが出てきていよいよ祭り?ってところだし、何か背徳感がありますよね。この曲って。
エンディングも、"Sell me this pen,"からのあっさりとしたピアノインストゥルメンタルで、ここもうまいなと思いました。スコセッシ作品の音楽が好きなんですよね。緩急つけたテンポだし。映画自体もそんな感じでしてたっぷり低俗なんだけどいつの間にかハマってました。
★★★★☆ 4.5/5点
ディカプ、ノミネートまでは良かったですが、
結局はオスカー獲れなかったですね・・・。
『ギルバート・グレーブ』以来、ジョニデもディカプも
成長しているのに、何故か二人ともアkデミーでは
脚光を浴びることないですね~
アカデミー会員の偏りに問題があるのかも(笑)
この映画、マシュー・マコノヒーのアドリブも良かったですが、
『ダラス・バイヤーズクラブ』のマコノヒーは最高に良かったです!
もうここまで来ると、嫌がらせとか意地悪の域でオスカーなんてやらん!って感じじゃないですか(苦笑)
まあ今年はマコさんいたから無理もないかな。
ダラス・・・ も観てるんですがまだ書いてなくて(汗)よかったよね。そのうちお邪魔します。
最初のは彼の視点で、後日明らかになるのが幻想でない姿
辛うじて自分の屋敷にやってきて、ジョナ・ヒルに向かって電話のコードグルグル巻きになりながら、言いたいことを何とかして言おうとするシーンが面白かったな
言おうとするんだけど呂律が回らないとか、ああいうのはちょっとでも「らしさ」になっちゃうとダメでしょ。なり切らないといけないから。
スコセッシもまた、役者から引き出すのが上手いのですが、どこかに「仁」みたいな精神が欲しいなあと思う今日この頃です。
いや、やっぱ合わないか、彼には。
仰せの作品は未見なんですが・・・。
スコセッシは好きな監督です。