原題: L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE/THE SCENT OF GREEN PAPAYA
監督: トラン・アン・ユン
出演: トラン・ヌー・イェン・ケー 、リュ・マン・サン 、トルゥオン・チー・ロック 、Nguyen Anh Hoa 、ヴォン・ホア・ホイ
<Story>
1951年、平和な時代のサイゴンの一家に下働きの使用人として、あどけない10歳の少女ムイ(リュ・マン・サン)が雇われていく。
その家庭は琵琶を弾く以外、何もしない父(トラン・ゴック・トゥルン)と家計を支え布地屋を営む母(トルゥオン・チー・ロック)、社会人となった長男チェン、中学生の次男ラム、小学生の三男坊ティンに祖母、そして長年この家に仕えている年寄りの女中ティー(グエン・アン・ホア)がいる。
ある晩、長男の友人クェン(ヴァン・ホア・ホイ)が一家を訪れ、
ムイは彼にひそかなあこがれを抱く。
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青いパパイヤの香り - goo 映画
<感想>
12月公開の『ノルウェイの森』の監督が、これを作っていたことを思い出して、
やっぱり観ておかねばと予習・復習の意味を兼ねて鑑賞。
「平和な時代のベトナム」というところがポイントでしょう。
まだベトナム戦争が始まる前の、ゆったりとたゆたうような時間の流れの中で、
人々も、そのけだるい時の流れに身を任せているかのような生き方をしている。
その中で働く少女が、時を経て大人の女性になり、
パパイヤが熟れていくようにやがて成熟していく。。。 という感じです。
その時の流れを、美しい映像で描いています。
ゆったりとした流れですが、実は話としては切ない要素も
たくさん入っています。
家族が家族として機能しないことの哀しみだとか、想いが報われないことの理不尽さ、
人を責めることの無意味さとか。
それらと同じくらいユーモラスな部分もあるので、救われてはいますけど。
ムイが美しく成長して、何気ない仕草に官能的な部分を持つところなどはちょっとドキッとします。
この監督は全体的に、映像で見せる感じの作風なのかな。
言葉ではあまり多くを語らず、雰囲気で察してほしいような。。。 ですので観客は注意深く鑑賞していないといけないですね。
何となくこの監督の方向性が分かったようにも思いました。
これ、『ノルウェイの森』ではどんな風にするんだろうというのが楽しみ半分、若干不安半分といったところです。 この作風が果たしてあの原作に合うのだろうか?
話の展開としては、『パパイヤ・・』よりも『ノルウェイ・・』の方がありそうにも思うので、合えばいいなとは思っています。
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今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
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