穏やかな暮らし

日々の暮らしの中で小さな喜びを共感し合えるって
とても幸せ。
手作りの暮らしを心がけています。

沈丁花の香り

2008年03月17日 | Weblog


私が、3歳頃まで住んでいた田舎の庭に咲いていた沈丁花。
ここまでは、確かな事実。

緩やかな坂を登って行くと向かって右の隅に咲いていたような気がします。
もしかしたら違うかも知れないのですが、なぜかそんな情景が繰り返し浮かんで
くるので、自分では、もうそういうことにしたのかもしれません。
それはこんもりとまあるく茂っていました。
小さいながらに忘れられない花です。
少し大きくなってこの花の香りが、私はとても好きなのだと分かりました。
どこからともなく漂ってくる、その素朴で、母のような香り・・・。
3歳では香りなど覚えているはずもないのですが、ひょっとしたら
体のどこかで覚えていたのでは?などと思うのです。

今の我が家にも偶然ですが、前の住人さんが植えられた沈丁花があるんです。
この二、三日の春陽気に誘われて小さな星がひとつ、またひとつと開き始めました。
今日も玄関の門扉を開けようとしたときに、春風で運ばれてきた素朴な里の香りに
包まれて、ふぅ~~~~っと全身が冬から解き放たれてゆくのを感じました。
なんとも例えようのない、心地よい開放感と申しましょうか、言葉が見つかりません。
私の中で田舎の庭を語るとき、必ず出てくるのがこの沈丁花です。
きっと私の故郷の香りなんです。

今日もありがとうございました。