ローズおばさん笑劇場

日々のちょっと笑えるエピソードを集めてみれば…

そぞろ歩き

2008-02-05 15:10:59 | お出かけ、旅行

実家へ行った帰り道、ちょこっと立ち寄った御稲荷さん、 

     電車通りから…

  鳥居の両横にお馴染みのお狐さんが…     

      御賽銭入れてお参り…

         御稲荷さんの横にあるのは?お狸さん??? 

                               

伊予には狸伝説が多い、

土産用のお菓子にもなっている(最中)

道後温泉の近くには大きな狸がお出迎えの土産物屋もある、

ここの狸伝説のお話を見つけたので…ご紹介

 

=伊予の銘狸列伝  六角堂の狸=

『この境内には松山城築城の際、東方の守りとして植えた、俗に一本木という大榎の古株が今も洞窟のようになって残っている。大正の中頃までは、この古株の洞窟に巣食うていた狸の一家がチョイチョイ姿を現わしていたのを見たことがある。この一本木の狸一家も松山城山から分れ棲んだ眷族で、古株の横には狸を祀る六角堂榎大明神という堂宇が建っている。

 大正末期の頃、夜な夜な屋台車を曳いて夜鳴うどんを売り歩く渡部という爺さんがいた。(この爺さんの息子は立志伝中の人で、のち某会社の有力重役となり、現存のため特に秘名す)この爺さんの商売は六角堂の周辺が縄張りであったので六角堂稲荷の厚い信仰者でもあった。

 或る年の春まだ浅い晩のこと、見すぼらしい風体の老、人が屋台車の、のれんをくゞって這入って来た。そして 「おっさん、そばを一杯ぬるうに(熱くせぬこと)してんか」 と言って注文した。その翌晩も同じ時刻にやって来て 「おっさん、そばを一杯ぬるうにしてんか」という。

 その老人は必ず屋台の蔭へかくれるように坐りこんで喰うくせがある。

 こんなことが数日もつゞいたが、その老人が来た晩に限って、うどん屋の売上げ勘定が合わない、時には財布の底から柴の葉が出てくることもある。「ぬるうにしてんか」そして「かくれるようにして坐りこんで喰う老人」「その晩の勘定が出合わない」これは怪やしい、と考えた渡部の爺さんは今晩こそ、その正体を見届けてやろうと構えていた。そんなこととは知らず同じ時刻に なると、のっそりと、のれんをくゞった老人は、いつも の口調で「ぬるうにしてんか」という。気張って待ち構 えていた渡部の爺さんは、そばに置いてあった株切鍬を振りあげて思いきりなぐりつけた。すると老人は横ざまになって「グーッ」と言ったかと思うと黒い大きな、かたまりのようなものが逃げて行った。

 それから暫らくは何のこともなかったが、こんどは近くの薬屋へ毎晩のように貼り膏薬を買いに来る老人があった。その晩に限って薬屋では勘定が間違って困るという不思議な話が伝わって来た。

 こんな噂がっゞいた或る朝、六角堂の和尚は庫裡の縁の下で全身毛の抜けた大きな古狸がウンウンうなっているのを見付けた。渡部の爺さんに、たたかれて傷を負うた狸は、毎晩薬屋で膏薬を買って貼りかえているうち に、とうとう毛が抜けて丸裸になったのであった。

ーー狸の中に「蕎麦喰い狸」といって季節によって蕎麦を好んで喰う狸がある。この狸は蕎麦の実が黒く色付く頃になると、蕎麦畑へ転りこんで全身の毛に蕎麦の実を付けて、穴に帰り穴の中で蕎麦をふるい落して喰うという智慧を持っている。通人に親しみ好まれる「狸そば」の理由もこの辺にあるのであろう。 』

                           富田 狸通 著(「たぬきざんまい」より)

 ←祭られている沢山の狸さん。

 

 

コメント (3)
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