8月のラボ便り
皆様、こんにちは。
8月下旬となり、だんだんと過ごしやすい気温になって参りましたね。
今月のラボ便りでは「人工授精からのステップアップ」についてご説明致します。
人工授精とは、調整し集めた良好な精子を、排卵の時期に合わせて子宮の中に注入する方法です。
人工授精での妊娠の流れは、精子をカテーテルを使って子宮の中に注入するという点以外は自然妊娠とは変わりません。
日本産婦人科学会が報告している人工授精での妊娠率は5〜10%です。
人工授精で妊娠される方の多くは3〜4回目までにご妊娠されます。
日本産婦人科学会の報告によると、4回以上人工授精を繰り返して妊娠できるのは、40才未満の方で全体のおよそ20%です。
言い換えれば80%の方は人工授精では妊娠出来ないということになります。
また、5回目以降の人工授精の妊娠率は3〜5%と低く、これ以上回数を重ねても妊娠はあまり期待できません。
人工授精で妊娠されない場合、妊娠出来ない原因は、精子が子宮の中に到達していなかったことではなく、
それ以外のところに原因があると考えられます。
卵巣から排卵された卵子が卵子が卵管に取り込まれていないことや、
精子が卵子に上手く入って行けていないために受精出来ていないなどが考えられます。
妊娠するためには、これらの問題を解決できる体外受精へのステップアップを考えていかなければなりません。
体外受精は、採卵手術により体外に取り出した卵子を体の外で受精させ、
着床の時期に合わせて受精卵を子宮の中に戻す方法です。
体外受精の特徴は、受精卵が子宮の中に到達していることを確認できていることです。
人工授精では、精子は子宮の中まで確実に届いていますが、その後卵子と出会えているのか
、受精卵ができたのかは分かりません。
この為、体外受精は人工授精に比べ、妊娠率が高くなります。
しかし、体外受精であっても、年齢と共に卵子の質や残り数は低下することによって、
妊娠しにくくなってしまいます。
的確な治療方法で早い妊娠をして頂けるよう、治療方針についてご説明させて頂きます。
治療に関して、何かご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフにお声掛けください。