六本木画廊ブログ

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LOOP 西澤 利高 展

2011-11-25 14:32:17 | 日記



今週火曜日から始まった- L O O P -西澤 利高 展。初日12時の開廊からオープニングレセプションが始まる18時まで、絶えず来廊者があり、3時過ぎに慌ただしく昼食をとった以外は、作家は来客の対応に、私はお茶出しなど裏方作業に追われました。

オープニングレセプションも6名ほどの乾杯から静かに始まったのもつかの間、ほどなくドアのセンサーが鳴り続け、気がつくと若い学生から年輩の方々まで幅広い層が会場中に溢れていました。和やかな歓談の時間はあっという間に過ぎ、用意したビールやワイン、おつまみもきれいに無くなる頃、ほとんどの方が二次会会場である「魚真」へ。もちろん私も片付けを終わらせた後に、賑やかな飲み会に合流しました。

最近は、オープニングレセプションを開いてもコマーシャルギャラリーではない限り静かに始まり、静かに終わるのが通例。その中での今回の大盛況ぶりは、作家の人徳と作品への評価の高さゆえのことだと痛感しています。

作品は、主に銅を丁寧に螺旋状に編み上げたもので、上から銀メッキやニッケルメッキを施してたものを展示しています。端的な言葉で表現すると「綺麗で妖しく美しい」。作品全体に動きがあり観る者をけっして飽きさせない、飽きさせないどころか様々な部分に作家の高度な技法が使われているため、どうやって出来上がったのかを考えれば考えるほど、不可思議な終わりのないLOOPに導かれていく…。しなやかで繊細、かつ強靭な西澤利高の世界にぜひお越しください。

心配事。

2011-11-15 14:05:00 | 日記
10F 20F 30F
                                   
今回の嶋中俊文展に際して、実は大きな心配事がありました。それはどのくらいのサイズの作品が展示できるか?ということです。
当画廊は広さ50㎡ちょっと、天井高2m40㎝と、かなりの大作を展示出来るのですが、搬入で使用する階段が狭いのです。

絵画にはS・F・M・Pというサイズがあり、各サイズの大作を用意することは簡単なことではありません。
さらに言えば、同じサイズでも額の種類によって入らない場合もあり、利用者にとっては必須の情報です。

その実験に快く協力してくださったのが、今回の嶋中さんでした。DMに使用した作品はP120号(HPトップ画面掲載作品)。
その作品が展示されないとなれば前代未聞です。目検討では大丈夫と思いながらも、不安を抱えながらの準備でした。
個展の前々日、緊張の中ついにその実験は開始されました。以前からお世話になっている美術専門の運送会社の協力のもと、
階段の幅と天井高に注意を払いながらの搬入。結果、用意してもらった作品全てが無事に通過できました。
展示できた大作のサイズは、P120、F100、S80。

しかし、ホッとしたのもつかの間。この試練はこれからも続きます。いずれ150号も試さなくてはなりません。
果たして150号をお持ちの方でその実験にチャレンジしてくださる作家はいるのでしょうか?
我こそはと思う方、ご一報ください。とびきりの御礼をご用意しています。

嶋中 俊文展に寄せて

2011-11-09 13:28:26 | 日記




荒涼たる現代。

時に大自然に、時に人為的な脅威の前に立ち尽くす

剥き出しの「命」。

脆く壊れやすいそれは、薄くやわらかな皮膚の下、ありふれた段ボールに守られ、

揺れるロープの向こうに、ひっそりと息づいている。

嶋中の作品に向き合う時、私たちはその中に自分自身の「命」の姿を見る。

ともすれば見失いがちな、不確かな足元を確かめるように。

不安や畏れ、不条理への怒りに震えながら、それでも私たちは歩みを止めない。

踏み出すその先にあるものを、彼が予感させるから。

                                             
六本木画廊

暮らしのデザイン

2011-11-04 19:24:53 | 日記

会場風景 田畑明子さんの冴え渡るコーディネイト真っ最中!!

さまざまな物や溢れかえる情報に囲まれた生活の中で、私たちは真に充実した日々を送っているのだろうか?
時代の思潮や社会の思惑に、それと意識しないまま乗せられて、自分で選びとっていると錯覚してはいないか?
一方で支持される「断捨離」ブーム。不要な物を捨てることは美徳か?物を活かすとはどういうことなのだろうか?

普段目の前にある物をちょっとした使い方の工夫で、新たな顔を覗かせる。新鮮な驚き。
あるいは時代を超えて受け継がれる手仕事のぬくもり。気の遠くなるような時間を費やす作り手へ思いを馳せる。
今回、画廊に展示してある古布や家具、陶器を眺めながら〝本当の豊かさとは何か〟について考えてみた。

蛇足ですが、

妻の好きな句に、 “楽しみは春の桜に秋の月夫婦なかよく三度食うめし”というのがあります。

これもひとつの豊かさのかたち。