嶋中 俊文展に寄せて 2011-11-09 13:28:26 | 日記 荒涼たる現代。 時に大自然に、時に人為的な脅威の前に立ち尽くす 剥き出しの「命」。 脆く壊れやすいそれは、薄くやわらかな皮膚の下、ありふれた段ボールに守られ、 揺れるロープの向こうに、ひっそりと息づいている。 嶋中の作品に向き合う時、私たちはその中に自分自身の「命」の姿を見る。 ともすれば見失いがちな、不確かな足元を確かめるように。 不安や畏れ、不条理への怒りに震えながら、それでも私たちは歩みを止めない。 踏み出すその先にあるものを、彼が予感させるから。 六本木画廊