津田 啓史(中日2位)遊撃 (三菱重工EAST出身)
蔵の入団前評価:指名見送り
横浜高校時代は、遊撃守備はプロ級だと評価した選手でした。しかし、社会人に入ってみると、送球を乱すことが多く、プロの遊撃手としては不安定な印象がありました。むしろ社会人では、走力の方が目立つタイプに変わっていました。打撃もNPBの一軍に対応するのには時間がかかりそうだということで、まだ「旬」の時期ではないと判断し、指名見送りの評価した選手です。
そんな選手が2位指名されたことで注目していたのですが、一軍での出場はありませんでした。一方の二軍では、80試合(137打数) 0本 13点 8盗(2失) 打率.234厘 といった内容でした。試合数は多いものの、打数は137打数と少なく、経験という意味では200打数はこなしたかったところです。フェニックスでも、足でアピールしているなど、むしろ守備の人というよりも、足で目立つタイプになってきた印象です。
打率は、大卒ルーキーの二軍打率の目安が2割5分。それより一学年下の高卒3年目での指名となった社会人選手なので、打率.234厘 は、及第点といった感じでしょうか? 確かに盗塁成功率8割と悪くないのですが、まだまだ数といった意味では物足りません。また肝心の守備では、三塁で58試合(守備率.919厘)、遊撃で10試合(守備率.917厘)といった数字はかなり物足りません。元々遊撃手として期待されての入団だったと思うので、ファームといえど10試合しか起用されていませんし、多く出場したサードでも、守備率.919厘 は、遊撃でも三塁でも守備では厳しかったことが伺えます。守備率の目安は、三塁手ならば.960厘以上、遊撃手ならば.970厘以上が、信頼できる守備力の目安といえます。彼の場合は、動きや身体能力というよりも、スローイング難をいかに改善できるかだと思うので、むしろ二塁あたりの方が持ち味が発揮されるかもと思う部分はあります。
また打撃を詳しくみていると、137打数で38三振。三振比率は、27.7% と高めです。それだけ当たると思って振ったバットが当たらなかったり、ボールだと思って見逃した球をストライクとコールされたりと、レベルの差に戸惑った可能性があります。三振比率の二軍での目安は20%以下なので、それに近づけるだけのミート力を身につけたいところ。また四死球は16個で、四死球率は 11.7% と、基準である10%以上を残せています。それだけ、ボール自体は見えていた、見極められていた可能性が高くなります。その割に打率が低かったり、三振比率が高いのは、技術的に差が大きかった。あるいは、プロの球を打ち返すだけの、筋力・身体の力が無かった可能性があります。
こうやって考えて見ると、ドラフト2位での指名は高すぎたのではないのか? あるいは、私のようにプロ入りにはまだ「旬」の時期ではなかったのではないかと思ってしまいます。それだけに、ルーキーイヤーとしては、物足りない一年目となりました。ただし、四死球率は悪くなかったので、技術の向上、あるいはプロの身体ができてきた2年目以降は、巻き返せる余地はあるように感じます。
蔵の印象:△ (2年目の飛躍に期待)
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