異国生まれの杉、
この杉が赤茶けた色に染まるのは11月の下旬、
異国生まれのこの杉は空に向かって真直ぐ伸び、横から均等に小枝を伸ばしながら、
この狭い町のなかで八頭身の姿を保持している。
春の新芽から夏の深緑、そして今、赤毛に染まった一葉が、髪が抜けるようにパラ・・と地表に落ちて積もるこの様子、人の老いとは違う落ち葉の美しさ。
いつもの場所でこの冬も数本のセコイヤが紅葉し、赤毛の一葉をばら撒きながら森にうっすら積もる雪のようになっている。
この踏みしめる感触、掌に救い上げる一葉、乾いて冷たさの残る一葉が指の間からパラ・・落ちていく、この杉の落葉が終るとこの町にも本格的な冬が訪れる。
抱擁の温もり
冬
いま一晩かけて暖められたぬくもりが
目覚めと共に失われる
一夜かけて暖めたぬくもり
これほど愛おしく感じるものはない
今更夏が恋しいと思わないが
この私が一晩かけて暖めたぬくもり
そうこの人は失いたくない
この温もり
私が白日夢を描いて暖めた人肌の温もり
熱い抱擁の果てに得た私の温もり
覚醒
・・・
短い一夜の抱擁
いまその温もりが朝の陽射しのなかに消える。
私の町に植えられているメタセコイヤ、そのなかの数本は上を伐られ、無残な姿になって何とか樹としての一面を保っている我町のセコイヤ。
当然植樹するときは生長を考え、レイアウトしないから数十年後は邪魔になって伐られてしまう、人もやがてそうなるのかと考えてしまう一年でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます