rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

気軽に生演奏を楽しめる貴重な音楽会

2015-01-25 21:56:29 | 音楽たちークラシック
ファミリー&フリーエイジコンサート「音楽のおくりもの」なる音楽会へ、家人と小さい人と行ってきた。
自治体が行う文化推進事業の一環で、入場無料。
小さな子供も視聴できる緩やかな音楽会には、子供連れの家族が多く来場していた。
そのためか、客席の半分以上の来場者があったようで、この地域においてまずまずの成果だろう。
演奏はアンサンブル・ディベッターズ、第一・第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、ピアノの編成だ。
演目は、誰もが聞いたことがあるような有名曲と、ジブリにディズニーの音楽、視聴者参加のイントロクイズなど、子供が飽きない工夫が随所に施されていた。
また、演奏に取り入れるアクセントの楽器も、鳥の鳴き声の水笛、カッコーの笛、トライアングル、巫女鈴などがあり、変わった音色にむずかる小さな子供たちも静かになったほど。
子供も大人も楽しめる気配りがちりばめられている。
このとても敷居の低いクラシックコンサートがあることの意義は大きい。
まずは音楽に親しみを持ってもらうことが先決、楽しく美しい音楽に触れてもらわなくては、何も始まらないのだから。
だから、次の機会はさらに来場者が増えて欲しい。
小さい子供たちはもとより、今回見かけなかった中学高校生なども足を運んでもらいたい。
広い会場で人が奏でる楽器の音色を、体感してもらいたいのだ。
そして、このような演奏活動をしてくれる音楽家の人たちがいることに感動し、感謝している。
本当の文化とは、このような草の根的活動が広く頻繁に行われることだと考える。
ただし現在においては、演奏家の方々のボランティア精神に頼るところがあるのは、いささか心苦しいところではあるけれど。

大航海時代の遺物、ポルトガルのリスボン

2015-01-24 21:33:44 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」15世紀の大航海時代の栄華を偲ばせる、大西洋に面したポルトガルの首都リスボン。
エンリケ航海王子を先頭にした群像の「発見のモニュメント」は、かつて海を制覇した記憶の名残。
ジェロニモス修道院は、16世紀から300年かけて造られた香辛料や銀などの貿易で得た富を注ぎ込んだ豪華絢爛な装飾を誇る。
修道院の教会内部にある柱には、航海を象徴するロープの装飾が施されている。
その中の3本にはロープをつかむ手が彫刻してあり、もともとは航海の安全を願ったものだったが、転じてこれに触ると幸福になれるという。

グルメ。
カンポ・デ・オウリケ市場は、昨年リニューアルされて、フードコートが充実した。
そこではいろいろな物が食べられる。
”エンパーダス・デ・カリーニャ”は伝統グルメで、パイの中に鶏肉とチョリソーが入った気軽に食べたくなるもの。
”バカリャウ・ア・ブラーシュ”は、バカリャウ(干し鱈)と卵にポテトを炒めたもの。
干しだらの塩分で味付けした、シンプルでしみじみとした味だ。
バカリャウは、オイルサーディンとともに親しまれる食材で、それを使ったレシピは1000以上もあるポルトガルのソウルフード。
港町にあるこの市場は、もちろん魚が充実している。
タチウオはポピュラーな魚だが、なかでも黒タチウオは脂がのっておいしいらしい。
”カタプラーナ・イ・コンパニーア”は、冬によく食べるたくさんの野菜と魚を魚介スープで煮込んだ体が温まるやさしい料理。

「ロージャ・ダス・コンセウヴァンシュ」は、全国魚缶詰協会の主催する缶詰専門店。
レトロなパッケージのお土産にもよさそうなさまざまな種類のシーフード缶詰がある。
オイルサーディンはもとより、イカに刻んだイカの足を詰め込んで煮込んである缶詰など。

ポルトガル生まれのエッグタルトの人気店「アロマ」は、創業70年、今も職人の手作りを守り抜いている。
おいしさの秘密は、卵とミルクの割合。
サクサクとした生地にとろりとしたカスタードが絶妙だ。

ポルトガルというと、アラビアの影響を受けたアズレージョというタイル装飾を施した建物が印象的だ。
そのアズレージョを現代風にアレンジした「アズレージョス・デ・ファジャーダ・デ・ポルトガル」は、明るく華やかな色合いのタイルを製作販売している。
タイルの裏にコルクを貼った物は、鍋敷きやコースターとして。
焼成時に歪んだ物の中から選び出した曲線の美しい物は、皿にもなるという。

坂が多く狭い入り組んだ路地を走るトラムは、市民の大事な足だ。
オレンジ色の屋根が丘陵に並び、海に沈む夕日が照らす光景は、切ないまでに美しい。
大航海時代後、ポルトガルが栄華を取り戻すことはないけれど、今ではそれが貴重な遺産となっているのは皮肉。
今もしもヨーロッパの国を訪れるならば、ポルトガルがいいだろう。
芳しい西洋覇者の風格が、そこここに残っているだろうから。





納豆の海外進出

2015-01-23 15:44:57 | 食べ物たち
「粘りを抑えた納豆を、フランスで開催される海外の食の見本市へ出品して市場開拓の可能性を探る試み。」と、今日のニュースで流れていた。
食生活の変化と少子高齢化の波を受けて、納豆の需要が落ち込んでいるための荒業と思えた。
たしかに、腐ったさまを表す粘りは諸外国では歓迎されない食感だ。
それを極力少なくできれば見た目のハードルは下がるけれども、くさい臭いはどうなのだろう。
本格的な納豆からすれば、今の納豆のにおいはかなり薄くなっている。
食べなれた人にとって、無臭とすら勘違いしてしまうほどだから。
でも、納豆を食べた容器を捨てたごみ容れからは、においの不意打ちがしばしばある経験上、やっぱりくさい物はくさい。
けれど、健康志向が高まっている昨今、納豆のシンプルな製法、発酵食品の効能、食の歴史の長さなどをアピールしたなら、頭脳で食べるナチュラリストには受け入れられそうな気がする。
また、遺伝子組み換えでない大豆を日本国産有機栽培し、その豆の大きさなどの種類も取り揃えて大豆にこだわること、製造工程の衛生面、善玉菌としての納豆菌の効果を事細かに説明など、売りにできそうだ。
そうそう、ベジタリアンにとっての優良なたんぱく質源としても、市場開拓できるだろう。
納豆は、冷凍保存もできる優れものだから、日本で生産し輸出品としていけるものでもある。
くさい物は、慣れるとおいしく思える珍味の証、以外や納豆の海外進出、定着も夢物語ではないかもしれない。
しかし食に関して保守的な層の切り崩しはかなり手ごわそうだから、都市部のいわゆる革新的インテリとベジタリアンあたりの購買層しか見込めないことと、納豆を何と合わせて食べたらいいものか提案しにくいところだ。
なんとも、漢方薬の類か、天然サプリメントの一種といった立ち居地になりそうな不安要素を排除しきれない納豆である。
ともあれ、納豆の海外進出、蔭ながら応援しようと思っている。

双子星ともおもえる、セルジュ・ポリアコフとマーク・ロスコ

2015-01-22 23:29:39 | アート

Serge Poliakoff


Mark Rothko

ロシア革命で難を逃れた先こそ違え、ほぼ同世代でしかもロシア人の、フランスはパリのセルジュ・ポリアコフとアメリカはニューヨークのマーク・ロスコ。
そのせいなのか、彼らの絵は、同じ空気を纏っている。
聴こえてくる調べは、ポリアコフが落ち着いて柔らかな中音から低音で、ロスコが澄んだ高音と、美しいポリフォニーを奏でるのだ。
ポリアコフを思うとき必ずロスコも現れる、そのくらい両者は似通って互いに補完しあい完璧な世界を立ち現せるニ連星だ。
あたかもまるで彼らの絵の向こうには、無限の世界は広がっていると言い表せばよいだろうか。
それとも、遠い故国の広大な大地を思う郷愁がそうさせているのだろうか。
いや、あえて物語を彼らの絵に求めなくてもいい、安直なストーリーなど要らない、絵の向こうの世界へ感性を自由に解き放つそれだけでいい。
どのように、どれくらい飛べるかは、鑑賞者の腕次第。
この双子星を取り巻く宇宙は、果てしなく広がっているのだから。

10キロトマトと格闘劇、我が家の基本調味料

2015-01-21 14:39:13 | 食べ物たち
知り合いのトマト農家の方から、ミニトマト10キロ以上をドーンといただく。
真っ赤に完熟しすぎて出荷できないものだから、甘いのはもちろんのこと果肉がやや軟らかくなっていて、すぐさま食べるかトマトソースにしてしまうしかなかった。
10キロ以上もあるトマトをすぐ食べきるのは無理、おすそ分けもためらったので、2日かけてトマトソースを作ることにした。
底の厚い大鍋2つ用意し、忍耐強くことこと煮詰めること3時間、たまねぎ、セロリ、にんじんも合わせて三分の一ほどの体積まで落とす。
塩、胡椒、酸味を和らげるための少しの砂糖だけで調味した添加物無しのシンプルなトマトソースは、こうして手間隙かけて作られる。

本来ならば、今では理想だけれど、和食に使う”だし”にしても、シチューなどに使いデミグラスソースや中華の鶏がらスープも自分で作るのがいい。
でも、そこまで徹底するに至らない。
それでも、出来る限り食品添加物などを避け、安全においしいものを食べるため、自分で調理して食べる。

幸い、極上のミニトマトをたくさんいただけるので、トマトソースは自分で作る。
清潔な容器に密閉して冷蔵庫で保存すれば、4ヶ月は問題なく保存が効く。
ピッツァ、ミートソース、煮込みのソースなど、アレンジしながら使いまわせる重宝なもの。
しょうゆ、味噌、トマトソース、我が家の基本調味料だ。