rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

小さい人に連れられて

2013-05-19 23:21:36 | 植物たち

柚子の花 18/5/2013

昨日、そろそろ夕食の準備に取り掛かろうかとする頃に、小さい人が「柚子の花が咲き始めたから、一緒に見て写真も撮ろう」と私を誘った。
20~30分くらいならば、まだどうにでもなるので、カメラを持って小さい人に連れ立った。
柚子の花は、白くて小ぶりだ。
花自体がぼってりと厚みを感じさせ、中世の花嫁衣裳のように素朴な気品をもっている。
花と一つ採り、匂いを嗅いでみる。
爽やかな柑橘類の香りだ。
10代で嫁ぐ、あどけなさが残る初々しい花嫁のようだ。

それから、シロツメクサの咲いているところへ歩く。
毎年、群生する場所だ。
しゃがんでみていると、「ブーン」と虫の羽音がする。
ニホンミツバチだ。
後ろ足にせっせと花粉団子をつけている。
そういえば、さっきの柚子の花にもニホンミツバチが群れていた。
お願いだから、ニホンミツバチ、ラズベリーとイチゴの花粉も漁っておくれ。
君たちの働きがないと、形のよい果実が生らないのだよ。

そして最後に、ジャーマンアイリスの咲くところへと行く。
すっくと太く長い茎を伸ばし、薄紫色の柔らかな花弁を垂らして咲いている。
顔を寄せると、甘く蠱惑的な香りがする。
やっぱり貴婦人なのだな。

日常のこまごまとした雑事に追われても、確実に一日が過ぎていく。
しかし、それでは潤いがないように思える。
時には、その手を休めて花を見、その香りを嗅ぎ、虫や鳥たちの姿に目を留めるのもいい。
作為的ではない自然に備わった美しさを堪能するのだ。
小さい人が私を誘わなかったなら、この美しさは味わえなかった。
ありがとう、小さい人よ。


シロツメクサとニホンミツバチ 18/5/2013


ジャーマンアイリス 18/5/2013

ライオンの街、シンガポール

2013-05-18 23:39:40 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」赤道直下の都市国家でマーライオンがシンボルのシンガポール。
面積は、東京23区とほぼ同じくらいだが、年々埋め立てをして拡大している。
マレー半島の最南端に位置する大小さまざまな島、63島が、シンガポールの土台となっている。
イギリスの東インド会社が、ここの地理的特徴から貿易に拠点と定めてのち植民地となり、飛躍的に発展した。
公用語に英語、中国の北京語、マレー語、インド地方のタミル語が使われる多民族国家でもある。
オーチャード・ロードは、東南アジア最大のショッピング街。
”ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ”は、熱帯の植物を大胆に配した壮観とも言える植物園が市中にある。
”マックスウェル・フードセンター”は、政府によって設営され管理する、路上営業の屋台を集めた食堂ビル。
そこには、シンガポールのスローフードともいえる「ローミー」を出す店もある。
「ローミー」は、太麺に醤油・ニンニク・八角・酢・魚肉からとった出汁・のとろみのあるスープをかけ、豚肉などのトッピング、そのまた上に先ほどのスープをかけて食べる。
一方では、高層ビル群のすぐ脇には、エスニックな雰囲気満点の下町がある。
”フォーチュン・パクテー・レストラン”の「パクテー」は、骨付き肉を煮込んだもの。
煮込んだコクのあるスープには、八角・シナモンなど漢方にも使われるハーブが入っている。
”ヒルマン・レストラン”のペーパーチキンは、食べやすい大きさの鶏肉を醤油や紹興酒に漬け込み、そして紙で包み揚げたもの。
おおもとは、広東省の料理で、そこではニワトリ一羽まるごと包むけれど、食べやすいようにアレンジしたというのだ。

たくさんある島のうちのセントーサ島には、世界最大の水槽を持つ水族館”シー・アクアリウム”がある。
なんでもギネスに登録されているらしく、幅36m×高さ8.3m。
迫力満点の水槽で、魚達の生態を堪能できる。
「アドベンチャ・コープ・レジャーランド」に、リプタイド・ロケットというリニアマグネットを利用した225mを一気に滑り降りるスリル満点のものがある。
ただ滑り降りるだけではなく、アップダウンを繰り返すらしい。

”メイフォン・デザート”は、台湾風アイス「スノーアイス」があるが、白と黒を取り合わせたもので、白と黒の変わったカキ氷だ。
白はアーモンドの味で、黒がゴマ味、風味豊かでまろやかに違いない。
”エル・イーカス"は、旧正月を祝うお菓子パイナップルタルトも定番だが、豆乳タルトがいいらしい。
豆乳プリンが冷たく美味しいというのだ。

アラブ・ストリート近く、"ユートピア"は、露天から始まった、インドネシアのろうけつ染め「バティック」を現代風にアレンジしたデザインの店。
"ハンセル"は、ジョー・ソーというロンドン美術大学を首席で卒業した新進気鋭デザイナーが店を営む。
今年のテーマは、シンクロナイズドスイミング。
世界中の人々を念頭に置いてデザインを考えるそうだ。
彼女の生み出すレトロポップなデザインが注目の的になっている。

貿易と観光で成り立つ国シンガポール。
貿易の拠点と島の集合体に造られた都市国家といえば、ベネチアを思い出す。
栄枯盛衰、それがシンガポールに当てはまるか分からないが、世界の物流経済がここを素通りすることは、当分のことないだろう。
だが、温暖化が進んで海面上昇の危機にさらされないとも限らない。
明日の保証がないことは、何処も同じということか。
それでも、アジアンチックな生きる活力に満ちたシンガポールは、しぶとく生き抜けそうな気配を持っている。

完璧な五月晴れ

2013-05-17 15:54:27 | 随想たち

死んだふり~ 17/5/2013


赤いイチゴ 17/5/2013


ワイルドベリー 17/5/2013

さわやかで涼しい風が吹き、すっきりと晴れ上がった完璧な五月晴れの今日。
それだけで気持ちが軽く、やる気がどんどん湧いてくる。
布団を干して、冬がけをしまい、たくさん洗濯をして、掃除もする。
ねこもとても気持ちがよさそうで、庭を忙しく動き回る私の後を飽きもせずについてきた。
今は、私が庭に面した部屋でなにやらやっているその安心感からか、ねこは死んだように寝入っている。

先日、夏に向けての鉢植えや、パセリ、スウィートバジル、ワイルドベリーの苗も植えつけた。
ワイルドベリーは、数年前から育てていたけれど、ほかのイチゴとの交配によって消えてしまったので、新たに苗を買ったのだ。
パセリもバジルもよく料理に使うから我が家の必需品、自分で育てれば、いつも摘みたて新鮮なハーブが使える。

遠くを走る自動車の音も聞こえるけれど、何より大きく聞こえるのは鳥たちのさえずり。
風が吹けば、葉擦れのさやさやとした音もする。
それをかき消す無粋なジェット音も時々あるが、今日の私は寛大だ、大目に見てやろう。

天気がよく快適だと、どうしてこうも余裕が持てるのか。
ドバイやマンハッタンの天空の城に住まなくても、人の心は貴族になれる。
腹が満ち、安心して眠れるねぐらがあって、青い空とさわやかな風、鳥たちの歓喜のさえずり、ねこの寝姿があるだけで、満ち足りて心穏やかになるものだ。
しかし、これは簡単には手に入れることができない。
摩天楼の住人、王侯貴族、大富豪になるくらい難しいことかもしれないのだと思い始めた。
ほかと比較することが、幸せの尺度を決めることではない。
自分の生きている状況において、心が安らかになれることがあるならば、それは十分に幸福といえるのではないだろうか。






はこねこ 13/5/2013



朝と夕、薄っすらと靄で煙る日

2013-05-14 22:55:11 | 空・雲・星・太陽たち
今朝、晴れて太陽の強い陽射しが照りつけた。
それなのに、空気はすっきりと澄んではいなく、白い薄絹で透かした様に霞んで見える。
道路には、逃げ水が現れて、今日は相当暑くなりそうだと思いながら車を走らせた。
ガラス越しに容赦なく射し込む太陽の光が身体に当たるところは、ジリジリと焼け付いて痛みを覚える。
とても5月とは思えない。
日本各地で真夏日を記録し、一日における寒暖の激しさに体調を崩す人も少なくないようだ。
それでもまだ湿気が少ないのか、はたまた夜には気温が下がるために雑木林などの地面の温度が低いからなのか、耐えられない熱風がないだけましなのだろう。
エアコンをつけなくても、窓を開けて走っていればやり過ごせる。

そして、午後4時を少しまわった頃から、風向きが変わって北寄りの冷えた風が吹きだした。
すると、見る間にあたりが白み始め、また朝がやってきたかのような幽玄な趣を呈し始める。
気温がぐっと下がってきたので、窓を閉めなくてはならなかったぐらいだ。

この数日、一日の寒暖差が20度などというところも少なくない。
朝にはストーブをたき、昼には水遊びをするなどもあるくらいだ。
だから、身体もそれに耐えよう合わせようと必死なのだ。
子供たちでさえ、寝ても疲れがとれないらしい。
季節の変わり目であるにしても、いささか過激な天候ではないか。

話は変わるが、日本各地で水平アークの現象が見られるという。
印象値としては、今年はやたらに出現しているように思う。
なのに、自分ではまだ見たことがないので、今日こそ出るかと期待を込めながら空を見上げている。
虹マニアとしては、是非とも抑えたい現象なのである。

家人撃沈の、幻のポーズ

2013-05-13 15:33:46 | ねこ


家人が先日目撃し、写真を撮ろうと試みるも、ねこが一枚上手で体勢を変えられ、あえなく撃沈した幻のポーズ。
仰向けで、両足を植木鉢の縁に掛けて昼寝をするねこの姿を、私が描いたもの。
実に面白い! 実に人間ぽい!