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地上に楽園はあるか? ポール・ゴーギャン

2016-07-03 22:39:42 | アート

Two sistres

ポール・ゴーギャンは、本能のまま心の命ずるままに生き、絵筆を振るった。
良識ある人々からすれば、眉をひそめる生涯であったろう。
また、女性にしてみれば災厄しかもたらさない迷惑極まりない種類の人であったように思える。
彼なりの理想を求め転々と場所を変えながら創作に打ち込み、タヒチまで赴くが、そこが彼にとってもっとも楽園に近いものだったらしい。
豊かな自然と一体になって暮らす人々が、神々しく感じられたのか、多くの哲学的内容の作品を制作している。
しばしば混同しがちだが、その人の行いと作品は必ずしも一致するものでははない。
往々にして人は矛盾の塊なのだ。
おそらく、ゴーギャンにとっては楽園であっても、彼の周りにとっては災厄でしかなかったと大いにありえる。
彼の絵に使われる鮮やかな色とフラットな面で描かれる人物に、どことなく暗い影を感じるけれど、それは人の隠の側面が滲んでいるせいではないだろうか。
ならば、地上に楽園など存在しない。
するとすれば、人がいないところという悲しい事態になりそうだ。
そうのなのか、ゴーギャン?


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