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偽りの世界、騙しあう人たち

2012-05-30 10:43:31 | つぶやき&ぼやき
人の世は、欺瞞に満ち溢れている。
古今東西、未来永劫、人は他人はいうまでもなく自分をも欺き続けていく。
些細なことは頻繁に、重大なこともしばしばに。

いわゆるグローバルスタンダードでは、他者を欺き自らの利益を誘導することが良しとされている。
正直は、美徳にはならない。
歴史風土を鑑みれば、そうならざるを得ないのは理解できる。
根源的、生物の生存本能に、自己の種の保存がある。
同属同種であっても、自分の遺伝子を残そうと躍起なのだ。
人は知恵があるぶん、策略を練って勝ち残ろうとする、ゆえに他を欺く。

日本の今のニュースを見ても、国際的ニュースを見ても、全て他を出し抜き勝ち生き残ろうとするその過程と結果ばかり。
そして、その欺瞞は、一者の欺瞞だけではなく、さまざまな者たちの利害と思惑が絡み合った、欺瞞の塗り重ねられたグロテスクなデコレーションケーキになる。
あまり褒められた、美しいものではない。
もっとも、程度の差こそあれ、我々は皆、欺瞞の詰まった皮袋なのだ。

それでも、大概一個のきらきら輝くダイアモンドが、この皮袋に入れられているのは、なんとも悲しく哀れでもある。
万に一つも純粋物だけの皮袋が存在し得ないのと同様に、欺瞞で満たされた皮袋もないだろう。
そこが人の弱さ、揺らぎにつながり、最悪の安全弁になる。
また、逆も然り。

近頃、グローバルスタンダードをごり押ししてきた風潮の成果が顕著になってきた。
人間界の弱肉強食、先祖返りへ。
人の世界は、上下に二分され、互いの層は交じり合うことがなくなろうとしている。
皮袋に納められている輝くダイアモンドも、異層界を知ることはない。
違う界に属しているものには、冷酷無比になれるだろう。
さすがの欺瞞も、これには尻尾を巻いて逃げ出すに違いない。

さて、人間界が二つに分離しきる前にどうにかしないと、ダークファンタジーな世界が現実化してしまう。
欺瞞は、ぬるい水槽の中でせこせことやっているくらいが丁度いい。
いまこそ、皮袋の中のダイアモンドに光を当て輝かせるのだ。
全ての人の希望と可能性を奪わないために。
本能と知能の暴走を食い止める、理性ある人として存在しようではないか。





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