rock_et_nothing

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土埃で霞む大地

2013-02-24 23:37:09 | つぶやき&ぼやき
今日は、朝から強い西風が吹きつけ、午前11時には畑の土を巻き上げて、辺りは茶色に霞んでいた。
そう、春恒例の砂嵐ならぬ土埃嵐だ。
畑沿いの道を車で走っていると、突風によって土が地吹雪状態になり、視界を遮り、容赦なく車体を打ち据えていく。
ここはサハラ砂漠か、まるで映画「ハムナプトラ」のワンシーンにある砂の壁が至る所に出現しているのだ。
年々この土埃嵐はスケールを増しているように思われる。
昔は、夏の農繁期が終わってからの畑では、冬野菜を育てたり、麦を作ったりして、何かしらの作物が畑に根付いていた。
しかし、農業に従事する人手が減ったことと、手間隙かけてつくった麦は、外国産の格安のものに取って代わられて、広い面積を覆う麦を誰も作らなくなった。
したがって、農閑期がはっきりとできて、作物がない畑の土はむき出しとなり、雨が少ない2月から3月いっぱいにかけて強風が吹き付けると、今日のような土埃嵐になる。
また、人手不足は作る作物の片寄りも生み、同じ土地にきまった作物を作る悪循環が連作障害を起こし、品質の低下につながってしまうのだ。
この20年くらい、農業で生計を立てるのが見通しが暗く後継者が育ちにくいのと、農家の婚姻率がことさらに低下し、出生率はみじめなほどに、耕作放棄地が年々増えているように見受けられる。

今佳境に差し掛かっているTPP。
よく農業を引き合いに、安い外国産の農産物が日本の農業に脅威であると取り沙汰される。
そこで、農業株式会社にして大規模な集約的農業で、低コストを目指し、安い外国産に対抗せよなどと言う方々もおられるようだが、狭い土地、ひしめき合う地権者はまず大きなハードルだ。
それをクリアして大きな耕作地を造成しようと、雑木林を切り倒す。
ただただ広がり続ける耕作地は、実は不毛な土地への第一歩となるのは、アメリカや中国を例にとればいいだろう。
もし、我が地域において大規模農業が行われたならば、春恒例の土埃嵐と集中豪雨によって、柔らかくふかふかなの肥沃な表土が削られて、やせ細った土くれの土地になる。
経済も大切だが、目先の効果ばかりに囚われていると、深刻で意外な影響が、あらわれるかもしれない。

そうだな、多くの経済評論家たちは、TPPに参加して全面開国に踏み切り、グローバル経済の波に乗って経済成長をするのが最良と言っているようだが、辺境のハイジンは参加には時期早々というか、今の日本の状況はどれをとっても他国と同等に戦うことすらおぼつかないと思っている。
日本の男女と家族のあり方、就労環境、教育システム、税金、ひいては多民族国家になったときのシミュレーションなど、変革し、国民を啓蒙しなくては大きな混乱が起こるだろう。
改革には痛みを伴うとよく言われるけれど、実際痛みを経緯するのは下々の者たち。
辺境のハイジンは、声なき叫び、悲鳴がそこかしこで上がっているように思われてならないのである。

容赦なく吹き荒れる土埃の嵐は、マッドマックス的世界の予兆なのか・・・


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