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愛情布団干し

2024-01-15 22:33:28 | 随想たち
家人が、こまめに布団を干している。
特に冬の寒いとき、よくお日様で干された布団は。極上の眠りをもたらしてくれる魔法のアイテムとなる。
けれど、晴天の時ではない薄曇の日にも布団を干している家人の姿に、懐かしい狂気を覚えた。
もう10年位前になるだろうか、私は心疲れて仕事をしていない時があった。
そのとき、狂ったように少しでも空気が乾いている時には、薄曇であっても布団を干さずにはいられないでいた。
その動機としては、ほんのちょっとの労力で快適な眠りを確保できるならば、どうしてやらずにおられようかといったもの。
お金も迷惑も掛からないから、好きなだけやってかまわないと思うが、晴れて時間にゆとりのあるときならいざ知らず、1時間でも、薄曇でも、となってくると常軌を逸していよう。
自分でも、これはいささか度が過ぎると思っていても止められない。
家人がどうやらその域に踏み込んでいると思われるところを、先日目撃してしまった。
「長年一緒にいると似てくるのかな~」と笑いながら指摘したけれど、家人は好きなように布団を干し続けるだろうし、別に止めるつもりもない。
私はただ、干された布団の幸せをありがたく享受しようと思う。


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