「少女と花」ムリーリョ
私の大好物である洋梨は、美しさを味覚で体現してくれるすばらしい食べ物だ。
芳醇な香りと柔らかな甘みに寄り添う酸味が、滑らかな果肉からあふれ出しては口の中いっぱいに広がっていくと、恍惚な気分に満たされる。
神聖な官能、まさにアンビバレンス、実に奇妙な感覚だ。
アダムとイブを楽園から追放する元となった果実は、実は林檎ではなくて洋梨だったのではないかと妄想が湧き起こる。
もしも、洋梨を毎日のように食べられるのであれば、それは私にモーツァルトの音楽とともに美を注ぎ込んでくれる大切な供給源となりそうだ。
いつかは、洋梨の樹を植えてみたいけれど、カラスや野鳥との戦いが目に見えて、なかなか思い切れないでいる。
現にこの冬も、カラスたちによってブルーベリーの苗木が、強制剪定の憂き目にあっているし・・・
ならば、その味覚を思い出しながら洋梨を絵に描いて、「絵に描いた餅」張りにしてみようかなどと、けちな野望を抱くのであった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます