南天の花
控えめに庭に咲く花、南天の花と黒龍の花。
春のやさしく華やかな花のあとの、原色のツツジやサツキが終わりを告げると、庭はただ緑の王国になる。
ホタルブクロがまだおとなしく咲き続け、キキョウのつぼみが膨らみ始めた。
そんな合間をそっとぬい、地味な小花をつける南天と黒龍。
よく見ると、南天のつぼみの下はほんのりと紅色で、色を注すにも控えめだ。
黒龍の花は、黒い葉に合うように、白の着物の上に薄紫の羽織を羽織っている。
晴れた日にもさりげなく、雨の日にはしとやかに咲く和の花。
人目をぱっとひきつける派手さはないけれど、花のたおやかさをそっと教えてくれる。
南天と黒龍の花は、ことにそんな風情を持っていると思うのだ。
竜のひげ 黒龍の花
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