昨年10月のダミ
ダミが姿を消して、2週間になる。
この6日の新年会で、親戚のみんなに可愛がられては、ゆったりとくつろいでいたのだが、その2日後から3日間ほど姿を見せなくなっていた。
多少食欲が少なくなっていたものの、別段具合が悪そうでもなかった。
家族が心配して待っている中ひょっこりと現れて、いつもの場所に納まり義母を安心させてはいたけれど、すうと外へ出てからもうそれきり姿を見せない。
義母たちも、小さい人も、毎日のようにダミを呼んでは探していた。
いつもの場所にえさを置いてみたり、玄関を開け放しておいたり、ダミが戻るのを待っていた。
やがて雨が降り、ついには大雪となって時は過ぎ、おそらくもうダミが戻ることはないだろう。
小さい人は、猫のいない家の寒々しさが辛いと言う。
義母は、もう猫は飼わないとつぶやく。
猫という生き物は小さいけれど、心に占めていたその存在はとても大きい。
ぽっかりと開いた風穴で、迫り来る最強寒波に、内側からも負けてしまいそうな我が家だった。