大きな世界の小さな部屋

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甦る戦闘機械獣 後編

2012年08月08日 09時06分51秒 | 玩具その他

今回ご紹介するのは、レジェンドBLOXより“アイアンコングMk-2”。アイアンコングと言えば、前回も挙げた様に有名ゾイ
ド“ゴジュラス”のライバル機として登場した機体。その名の通りゴリラ型ゾイドですが、メタリックレッド成形にシルバーの
武装パーツが美しい。元々が人型なので、派手な武装をしやすいのも大きなメリット。言い忘れていましたが、ゴジュラス
同様にネオBLOXを使用していながら、そう感じさせない再現性の高いプロポーションが見事。


バックビュー。背中に背負った大型バックパックが目を引きます。レジェンドBLOXではゴジュラス→パーツを追加してゴジ
ュラス・ジ・オーガが発売された様に、アイアンコングもノーマルタイプが発売されています。それにパーツを追加し成形色
を変更したのが、このアイアンコングMk-2。平成ゾイドでは“アイアンコング PK(プロイツェンナイツ)”として発売されまし
たが、レジェンドBLOXの場合はMk-2名義で発売されています。旧世代ゾイドでもMk-2は発売されていて、そちらのイメー
ジみたいです。尚、PKもMk-2もパーツ形状そのものは同じみたいです。


ご尊顔拝見…ゾイドレビューにしては珍しく真正面からの撮影。何せゴリラなので、口が前に出っ張っていないから真正
面撮影も楽々。額にゲート跡が来ていますが、面構えはアイアンコングそのもの。でも彫がちょっと浅いかな?特に鼻の穴。


ここでアイアンコングの設定に付いて少しお浚い。
ゼネバス帝国が戦争初期に使用していた大型ゾイドはレッドホーンでしたが、ヘリック共和国最強ゾイドのゴジュラスに太刀打ち出来ないのが現状でした。そこで劣勢を打開すべくロールアウトしたのがアイアンコング。体躯ではゴジュラスに匹敵する図体、パワーを持ちますが凶暴性ではゴジュラスに及ばないのが特徴。

凶暴性=ゾイドの戦闘力に繋がるのがゾイドのセオリー、だからアイアンコングがゴジュラスより弱いのか?ところがどっこい、“凶暴=パイロットが扱いにくい”のに対し“大人しい=格段に扱いやすい”のです…暴れ馬と大人しい馬、どっちが乗りやすいか?って事ですよ。それでいてゴジュラスに匹敵するパワーを誇るアイアンコング、つまり強くて扱いやすいので、ゼネバス帝国軍人からも極めて評価が高く、“最高傑作ゾイド”と聞けばアイアンコングを挙げるパイロットが多いとか。


アイアンコングの実戦投入で、ゼネバス帝国の逆襲が始まりました。元々ヘリック共和国のゾイドは“素体となったゾイドの凶暴性や戦闘力を最大限に生かすべく、改造は必要最低限”なのが鉄則です。よって、どうしても装甲や武装が疎かになりやすい。対するゼネバス帝国ゾイドは、凶暴性を犠牲にしてでもカスタマイズ命なのが心情。その改造は武装強化も含まれているので、装甲や火器を施す際に融通が利くのが特徴(余談ですが、帝国の方が銃火器の性能では数歩先を行っているのです)。単体でもゴジュラスに匹敵するパワー&扱いやすさが特徴のアイアンコング、それに強固な装甲と各部に多数のミサイルポッドをデフォで備えているので、これだけ優秀ならそりゃ高評価も納得だわ…。


更にカスタムされ旧世紀ではアイアンコングMk-2、そしてMk-2をコストダウンさせた“アイアンコングMk-2量産型”が実戦配備され、平成ゾイドでもMk-2量産型がベースの“アイアンコングMS(マニューバスラスター)”ガイロス帝国摂政“ギュンター・プロイツェン”の私設部隊と成り果てた皇帝親衛隊“プロイツェンナイツ”の主力ゾイドにも、アイアンコングMk-2をベースとしたカスタム機が採用されました。この事から見ても、アイアンコングが実に優秀な機体だった事が証明されています。余談ですが、“ゾイドジェネシス”でもアイアンコングの派生機“デッドリーコング”が登場しています。


上画像はノーマルのアイアンコングにデフォで備わっていたパーツですが、間違えてこれを付けたままで撮影してしまっ
た画像がいくつかあります。特別注意書きが無い場合は、その間違った画像なので大目に見て下さい。


これがその間違った画像です、左肩に上記のパーツが付いていますが、これは間違いですので一つ。


頭部のハッチを開けると、そこには旧世代帝国ゾイドのお約束“銀メッキ兵士”が!ゴジュラスでも金メッキ兵士をやって
くれたから期待してましたけど、機体を裏切らないトミー!電動アイアンコングはゾイドには非常に珍しく“左右に二つ並ん
だパイロットシート”でしたが、レジェンドBLOX版は残念ながら一つ。パイロットフィギュア自体は共通、そしてレジェンドBL
OX版は小型なので、まぁこれはどうにもならないか。


ライバル機ゴジュラスと比較すると…ゴリラ体型=前傾姿勢なのでアイアンコングの方が小さく見えます。でも武装の豊富さだと圧勝だぞ!


アイアンコングにもゾイド名物の外装パーツは有りますが、こちらはかなり特殊な構造をしています。まずは四肢の外装
パーツ、肩と下腕部、太腿と脛装甲、そして腰が外せます。


今までも四肢は他のネオBLOXと共通でしたが、アイアンコングの場合はブラキオラケーテの四肢をベースにしています。ただ、肩と脛が前後
で逆になってますね(凸ジョイントの向きに注目)。


しかしそれだけでは無く、なんと胴体にも丸々外装パーツを被せているのです。三つ連結したブロックに、前後から腕やバックパックの付いた
外装パーツを被せる感じです。ああ、だから一見ネオBLOXに見えなかったんだ…ブロックが外から全く見えないから。アイアンコングは特殊な
体型ですから、こうでもしないとネオBLOXでそのプロポーションの再現は不可能だったのでしょう。しかし、大胆な方法を用いた分プロポーショ
ンの再現性はゴジュラス以上です。


そして、胴体パーツを外したアイアンコングの本体フレームはこんな感じになっていまして、流石にブロックだけの状態だ
と貧弱に見えちゃいますね。


両腕を外し、胴体ブロックに胴体カバーを付けた状態、それを後方から撮影しました。レジェンドBLOXの本体ブロックは
デフォで可動式ボールジョイントを備えていますが、アイアンコングの場合は胴体カバー内部に収まってしまうので、そ
のジョイントが使用不能になります。アイアンコングのプロポーションを再現するにはこの方法しか無く、そしてそれが成
功しているとは言え、ここが使えなくなるのはちょっと勿体無いかなー。両肩の根元から肩が前後にスイングするアイア
ンコング…ああウットリ。コトブキヤの高額キット版アイアンコングも有りますが、あんなバカ高いモノ買えませんわ_| ̄|○|||


可動は…上記の型の事もあるのでゴジュラスよりは劣りますが、こちらも人型だけにポージングの範囲は広いです。首、肩、肘、手
首、腹部、腰、股関節、膝、足首…これだけ動けばまぁ…と言いたい所ですがこれは腐ってもゾイドBLOX。手足にロール軸が無いの
で、ゴリラ名物ドラミングが出来ないし、ゴジュラス以上にロール軸の無さが惜しまれる出来。せっかくのゴリラモチーフなのに。


それでは武装の解説を。右肩に付いた“ビームランチャー”、大型だけでなくさり気無く内側にターゲットサイトまで付いて
いてまぁ素敵。尚、これ旧世代ゾイドではアイアンコングMk-2、平成ゾイドではアイアンコングPKにのみ付属する武装で、
Mk-2量産型やMSには付属しません。


左肩に“レーザーセンサー”、これもMk-2になってから追加されたパーツ。その名の通り武器では無く、主力火器のミサ
イル類の命中精度を上げる為のパーツみたいです。仮面ライダーフォーゼのレーダーモジュールみたいなものでしょう。


手首には“2連装パルスレーザーガン”が装備されています。ただし拳で持つのではなく、下腕部に接続されているのが
ゾイドらしさ。そして拳は“アイアンハンマーナックル”、ゴリラだけにレーザークローでは無く、拳でパンチするんですね。
本当は電動のMk-2やPKには2連装パルスレーザーガンに“4連装グレネードランチャー”が接続されているんですが、今
回のレジェンドBLOXでは削除されています。アイアンコングの主力火器はミサイルですが、追加武装はどちらも光学兵器
ですね。そしてこの2連装パルスレーザーガン、これもMk-2とPKコング専用。


上記のビームランチャーと2連装パルスレーザーガン、これをアイアンコング本体と接続する“動力ケーブル”。多分、本体
からエネルギーを供給する事で弾切れを防いでいるのでしょう…エルガイムのパワーランチャーみたいに。ケーブル自体
は軟質パーツですが、発売から6年が経過した2012年現在でも、経年劣化による千切れは有りません。Mk-2やPKコング
専用パーツ各種に繋がってる事から分かる様に、このケーブルも専用パーツです。


背部には “ハイマニューバーブースターパック”、やはり最大の特徴はこれでしょう。斜めに突き出たパーツ、外側に広が
ったブースター、ゾイドよりモビルスーツとかに似合いそうなデザインが素敵。尚、ビームランチャー以外のパーツはセット
で単品販売されており、その製品名は“マニューバスラスターユニット”でした。当初のゾイドではこの様にカスタマイズパ
ーツの単品販売をしていたのですが、儲けが少なかったらしくセット販売オンリーになってしまいました。でも、マニューバ
スラスターユニット等の大型ゾイド用パーツに限っては、PKコングとかの限定品の形でしかセット販売されなかった様な…?


ハイマニューバーブースターパックの側面には“バーニアスタビライザー”、凸ジョイントで接続されているので、自由に角
度を変えられます。一見飛行出来そうなパーツですけど、アイアンコングの体躯を考えるとあくまで地上の移動にのみ使
用していたと思われます。


バックパックにも武器は有りまして、背中の細長いミサイルが“AZ対空ミサイル”、そして短い方が“TVM地対地2連装戦
術ミサイル”。ちなみに、後者はアイアンコングにデフォで備わった武装で、つまり背中ミサイルの半分は元から有るんで
すね。そしてこの追加されたミサイルも、Mk-2とPKコングだけでMk-2量産型やアイアンコングMSには付属していません。


バックパックは全体がハイマニューバーブースターパックでは無く、中央に有るコアに各種パーツを嵌め込む形で構成さ
れています。つまり、アイアンコングは上記のミサイルと一緒にデフォでバックパックを背負っているのですよ。モビルス
ーツなら兎も角、ゾイドにデフォで大型パーツを背負ってるのは珍しいです。今じゃバーサークフューラー等もいますけどね。


さて皆さん。ここで序盤に出てきたこのパーツを思い出してください。これは上記の通り、アイアンコングのデフォ武装で、
Mk-2には使用しないパーツです。しかしMk-2は以前発売されたレジェンドBLOX版アイアンコングがベース、つまりこの
パーツを使い各種パーツを外せば…?


ノーマル仕様アイアンコングも作れるんですよ。Mk-2を見た後じゃショボく感じますけど、元のデザインがしっかりしている
ので基本的な魅力は変わりません。色は気にするな!


そしてこのパーツ、アイアンコングの武装じゃ象徴的な“対ゾイド6連装ミサイルランチャー”。上に突き出ている部分はミサ
イルの詰まったマガジンラックで、ここから順番に下の前方に突き出た砲門からミサイルを発射します。電動アイアンコング
では、ここに本当に発射ギミックが有りました。


左肩に“10連発自己誘導ロケット弾ランチャー”があるんですが、レジェンドBLOX版ではオミット。電動コングでは、中央
の四角いディテールがハッチになっていて、ここが展開し中からミサイルポッドが現れたんですけどねぇ。まぁ無理か。


バックパックもショボくなっていますけど、無骨なデザインでこれはこれでシブい魅力が。やはりアイアンコングはかっこい
いなぁ。旧世代ゾイドではゴジュラスがゾイドの代表格でしたが、アイアンコングの存在感や魅力だって決して負けてません。


更に各種専用パーツ以外を付ければ、アイアンコングMk-2量産型もしくはアイアンコングMSにも換装可能!往年ゾイドファンとして
は、この様に豊富なバリエーション展開が出来るのは嬉しい限りです。


でもオフィシャルバリエーションに拘らず、全武装を施したアイアンコングも作れるわけで…。しかもバランスが崩れても
いないので、今だから言えますけどこれはこれでアリ。


総評としては、ゴジュラスよりアイアンコングの方に軍配が上がります。装着系玩具みたいな構造にしたことで多少は可動ブロックの特徴が損なわれましたが、そこは
それプロポーションの再現性で勝負!その結果、可動ブロックの肩可動の事なんか忘れる位に、それは見事なアイアンコングに仕上がりました。それだけでは無く、こ
れはMk-2なので各種の追加パーツで更に楽しめますし、もうお腹いっぱいです。ゴジュラス同様に、アイアンコングへの愛に溢れています。もう6年も前の製品である事
に加え、レジェンドBLOX末期の製品なので生産数は少ないと思われます。アイアンコングは人気ゾイドでしかも当時からネットでも好評だったので、現在となっては恐ら
く入手は簡単では無いでしょう。しかしもし見つけたら、ゾイドファンなら是非とも手に取って欲しいです。


上記の通り、レジェンドBLOXはこの時点で終了してしまいました。他にもゾイドジェネシスで主役ゾイドを務めたムラサメライガーや、レジェンドBLOX最後を飾ったレッドホーン→ダークホーンもありました。しかし、それらはゴジュラスやアイアンコングほど出来が良く見えず、特にムラサメライガーは設定では四肢の脛も外装パーツに覆われていたのにそれが無かったので、どうしても貧弱に見えました。レッドホーンなんか細身だったしなー。ムラサメライガーなんか残念で、本編でもハヤテライガーやムゲンライガーに強化変身していたし、レジェンドBLOX向けの題材だったのに。それらが出なかったところを見ても、レジェンドBLOXの苦戦ぶりが伺い知れます。他にもデスザウラーやシールドライガー、ライガーゼロ、欲を言えばアイアンコングをベースにデッドリーコングも作って欲しかったなー(旧BLOXでは、限定品でシールドライガーとジェノザウラーがあったのですが)。でも、手頃な価格で出来の良いゴジュラスとアイアンコングがリリースされたのだから、そこだけは意義のあるシリーズだったかと。


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2 コメント

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Unknown (ちょむ)
2012-08-09 01:17:18
アイアンコングは胸がモナカ式だったんですね!通りで良い肩幅なわけです。

しかしムラサメライガーから派生キットが無かったのは非常に残念でした。
まぁあってもそこまでの出来にはならなかった気もしますが...

ヴァルキリーシーザーもなんだか頭の小さな変なライオン型で好きになれず購入してません(バイトグリフォンと二体被り...)

もしネオブロライガーゼロが出てたら2~3個買いだったと思います

ブキヤのHMMでもゼロだけは全部購入してますし...

まさにゾイドの終焉でしたね...
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Unknown (ALE)
2012-08-09 13:42:45
使用ブロックではアイアンコングの体型を再現は不可能と割り切り、ある意味開き直った処理です。
ただ、これって他への応用が全く利かない上にブロックが完全に内部フレームとなり、外から見えなく
なるのでBLOXってよりはアイアンコングのフィギュアと言った方が正解かと。

ネオBLOXのレビューは今回で終了ですが、正規ラインだと最初に発売された六種に既発売品の
仕様変更、またはセット版、はたまたレジェンドBLOXを混ぜ込んだ無理矢理でっち上げたセット版(件の
ヴァルキリーシーザーとかですね)と、誰がどう見ても最初から死に体でしたからね…。せめて
レジェンドBLOXだけでも続けて欲しかったですが。この手の組み換え系玩具は如何に豊富な
オプションパーツが用意出来るかが最大のキモですが、そうなる前に終わってしまったのが残念です。
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