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『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『大人はかく戦えり』

2011年01月16日 | ・ロバみみの芝居小屋
今年、一発目の舞台ではないのですが、とりあえず先にこちらの感想を。

先日、「大人はかく戦えり」を観て参りました。
大竹しのぶさん、秋山奈津子さん、段田安則さん、高橋克巳さんの
ベテラン俳優四つ巴のお芝居。
とてもパワフルで面白いコメディでした!

でも、ロバみみ、やっちまったんですよね~
いざ劇場の前に着いたら、違う演目のたて看板が…。

そうです。
「新国立劇場」と「東京芸術劇場」を間違えたんです(涙)
開演まであと20分。

新国立劇場ってドコだっけ!?

もう、軽くパニックです。
とりあえず、携帯で検索しながら、池袋から新宿へ。
そこから京王線に乗り換えて初台に。

開演時間10分すぎにやっと初台に到着。
こんな時に限って、最前列とか持ってんだよな…(涙)
マジ、泣きそうでした。

結局席についたのは20分くらい過ぎちゃってたと思いますが、
ストーリーはわかりやすかったので、よかった…。
大人4人がはっちゃけてて、相当に笑いました。

簡単に言えば、子供のケンカに親が首をつっこむ話。
穏便にすませようと、取り繕っていたはずの二組の夫婦が、
次第にエキサイトして、お互いの夫婦を責めたり、
また、自分の相方にとばっちりでいちゃもんつけたりの一時間半。

ドタバタしてるんですが、モトがしっかりしたベテラン俳優さんたちなので、
見ていて安心していられる。
そして、笑えるんだなぁ。これが。

大竹しのぶさんのパワープレーとも言える、芝居、最高です。
秋山さんも、ラストに向けて突き抜けていくし、
男優お二方もサスガの間合いです。

遅刻したのが悔やまれる~!

なんか思い込んでしまったんですよね。
東京芸術劇場だって…。

最近、どうも失敗が多いロバみみ。
先日も、チケット取らなきゃ! と、慌てて電話したら、
先行予約の受付は一ヶ月先だったという…。
どうりで、平日の発売なんておかしいと思った。

何はともあれ、途中で、あきらめようかとも思いましたが、
くじけずに足を運んで、無事に観られてよかったです。

難しい事は抜き。
何も考えずに楽しめる作品でした~。

・『母を逃す』

2010年12月21日 | ・ロバみみの芝居小屋
今年最後の観劇になるのかな? 
他にも観たいものあったんだけど。とりあえず

えっと、本田劇場で大人計画の「母を逃す」を観て来ました。
結構、お芝居を観に行ってるつもりでしたが、
なんと、本多劇場に行くのは初めて。
「芝居好きなんてうそやん。もぐりやろ」って言われそうですね。

あ、そうそう、ぶっさんから猫やんに花届いてました

さて、感想はっていうと、既に記憶が薄れて来てる(笑)

なんか、すんごん閉鎖的な農場に住む人たちの話。
狭い世界で繰り広げられる人間模様です。

って、ほんとにマジでそれしか書けない(笑)

農場を必死に仕切るサダヲちゃん。
サダヲちゃんの子供を身ごもる嫁・猫背椿さん。
刑務所から戻って来るサダヲちゃんの兄・猿時さん。
都会に憧れるレズビアンの妹、平岩紙ちゃん。
酪農を営む嫁のこない男たち。
農場の治安を守る女と経理係。
その農場に流れ着くよそ者のクドカンと荒川良々さん。
そして、オオカミ中年(?)の松尾スズキさん。

いやいや、笑えるんだけど、そんな深い意味はない? みたいな。
今回は、クドカンと荒川良々さんの二人が最高にいい味出してました。
あと紙ちゃんの、農場一垢抜けてる風なんだけど、
かなりズレてる感じもよかった。

紙ちゃん「(ベニヤ板を指でなぞりながら)しゃーっ、しゃーっ」
サダヲちゃん「何やってんだよ」
紙ちゃん「iPadの練習! しゃーっ、しゃーっ」

みたいな(笑)

でも、一番笑ったのは、カーテンコールでした
ネタバレになっちゃうので、書かない方がいいかな。
松尾さん、あの選曲は卑怯です(笑)

また来年早々から、観劇ラッシュが予定されているロバみみ。
最近、チケット発売が早くて、
「そんなに先の予定なんて、わかんない~」
と、泣きながらチケットを押さえている今日この頃ですが、
来年も頑張ってお芝居観るぞ~


・『黴菌』

2010年12月13日 | ・ロバみみの芝居小屋
今月は観劇ラッシュ。
観たいお芝居がたくさん!…すぎてあきらめたものもある程。
そして、ケラさんの「黴菌」を観劇して来ました。

とにかく毎度のことながら、登場人物が多い。
しかも、豪華キャストです。

これは戦中、戦後の、とあるお金持ち一家のお話。
精神病院の医師であり、怪しい薬の実験を繰り返す長男(山崎一さん)、
軍部のエライ人の影武者として雇われている次男(生瀬さん)、
風来坊で借金まみれだけど、実は奉仕の心を持つ四男(北村一輝さん)。
3男は不幸にも不慮の事故で亡くなっている。

一癖も二癖もある胡散臭い3兄弟。
もちろん、心通わせることもなく、いびつな家族として暮らしている。
屋敷が抵当に入り、人手に渡るとともに、
家族が離れ離れに暮らすようになった時、
兄弟の心も通い、絆を取り戻す…わけなんですが。

ケラさんマジックですよ。
3兄弟と奥さんや息子、妾、使用人たちや、同居人、精神病患者。
彼らの生活の会話がなされているだけのような感じなのに、
いつの間にか話が転がっている。
ロバみみごときが語り尽くせるはずもない

それぞれの事情と、それぞれの問題をツラツラと見せて、そして笑わせて、
でも、ちゃんと物語がラストに向ってるところがすごくて、
いつもロバみみはキツネにつままれたような気分。

今回は、3兄弟の父親の妾の緒川たまきさんと、そのお兄さんの中村トオルさんが
ロバみみ的にはよかったなぁと思いました。

立ち居地としては、部外者な訳です。二人とも。
住み込んでる若い妾は、自由奔放で図々しく、
いけすかない感じだと思って見てたんですけど、
でも、素直なんです。

「何故」「どうして」「変なの」って。
思った事はためらわずに口にする。
皆が何か秘密を抱えて生きているのに、一人あっけらかんとして、
でも、間違ってない。
だんだん、小気味よく思えてきて、一番彼女がまともかも…って思って観てました。

そして、そのお兄さん役の中村さん。
パンチ効いてました(笑)

とにかく、妹とは逆方向に思ったことを思ったまま口にする、
まっすぐで、勘違い野郎で、ある意味面倒なキャラ。
大袈裟先生なんです(笑)
でも、ピュア。
重くなりがちな話を、グイっと持ち上げてくれていました。

それと、池谷のぶえさん。
すっとんきょうな恋する使用人。(←中村トオルさんに)
いい味出してます。好きな女優さんです。

ケラ作品は感想らしい感想が、いつものことながら書けないのですが、
毒もありつつ、ハートフルなエンディングだったので、
ホッとした気持ちで劇場を後にすることができました

・『春琴』

2010年12月11日 | ・ロバみみの芝居小屋
日本公演は再々演になるのかな?
世田谷パブリックセンターで「春琴」二度目の観劇。
ロバみみの観劇人生、ナンバーワンと言っても過言ではありません。

このロバみみが、ラブなごひいき俳優さんなしで、同じ演目を二回観るといえば、
この作品へのリスペクト度が伝わるでしょうか?(って、ないか…)
初演を見逃したことにジダンダ踏みましたからね。前回。
それくらい素晴らしい作品。

前回の感想ブログにストーリーは書いたと思うのですが…。

春琴という盲目の深窓の令嬢と、奉公人・佐助との愛の物語。
ワガママで嗜虐嗜好の春琴に、それこそ盲目的につくす佐助。
美しく、サディスティクで、琴の才に恵まれた春琴が
怨恨から顔に鉄瓶を押付けられるという暴行に遭い、醜い姿になると、
その顔を決して見れないように目を針で突いて
自ら盲目になってしまう佐助。
主人と使用人であり、SとMであり、琴の師と弟子である
二人の愛の絆を色濃く描いた日本文学です。

前回とは、若干、変更されている部分もあったように思うのですが、
やっぱり、素晴らしかった。

とにかく、深津さんの声が素晴らしい。
春琴は大人になるまで、人形を使って演じていて、
その人形を動かしながら深津さんがセリフを言うんですが、
あのみっしりとした空間に、突き刺さるようによく響く。

少女から、女性へと変わりゆく様も、人形ながらも見事に表現されていました。
春琴は佐助の子供を身ごもるのですが、
人形の春琴相手に濡れ場もあって、それがまた、
妖しくもなまめかしくて、息がつまるほどに芸術的でした。

舞台装置もほとんどなく、畳と細長い木片を使って、
その情景を表現しているんです。

畳を組み敷けば、そこが春琴の部屋や、お琴の教室になり、
長くつなげては、家屋の廊下に変わります。
立てた木片を横に動かして、ふすまの開け閉めを、
つらなる木片で墓地に生い茂る木の枝の様子をも表現していました。

そして、全体的に照明も薄暗く、ロウソクの灯りが、
昔の日本家屋の静かで、重々しい空間を想像させました。

密な空間の、濃厚な芝居。

ただ、ラジオドラマで「春琴」を朗読するという設定で、
物語の中に入って行くんですが、
最初と最後、そして、途中で現代に戻ったりするんです。
ロバみみの好みとしては、最初から最後まで文学の「春琴」を観たかったです。

静かながらにも、力のある作品なので、
現代のラジオの収録スタジオに場面が移ると、せっかくの気持ちが途切れてしまう。
重くなりすぎず、箸休め的でいいのかもしれませんが、
あの世界にどっぷりひたったまま、劇場を出たかった。
足取りは重くなりそうですが(笑)
でも、ナレーション自体は最高によかったです!

本当に、こういうシンプルな舞台ほど、想像力をかきたてられるし、
五感が研ぎ澄まされると思います。

現代は、自分が選択しようがしまいが、色んな情報や刺激が
湯水のように溢れていて、知らず知らずに毒されている。
でも、昔の日本はそうじゃなかった。
閉塞的かもしれないけど、そこには日本人としての美意識があったと思う。

3D? ロールプレイング・ゲーム?
悪いとは言わないけど、そんなものばっかりに浸ってたら、
そのうち自分で想像や創造する力がなくなっちゃうよ?

刺激になれて、またより強い刺激を求めて、
何が嘘で、何がリアルかわからなくなってしまう。

「春琴」は、そんな軟弱になった、心のヒダヒダにビリビリくる作品。

隣の席の若い男の子が、佐助が春琴のために
自分の目をついてしまうシーンで泣いていました。

外国産の青い生き物が飛び出てくるファンタジーや、
一時間きざみで人を殺しまくる刑事モノもいいけど、
日本人、すげーって思える作品にも、是非、触れて欲しいと
老婆心ながら思ったロバみみでした。

・維新派『台湾の、灰色の牛が背伸びをしたとき』

2010年12月05日 | ・ロバみみの芝居小屋
久々に埼玉の与野まで行ってきました。
相変わらずの遠さ。さいたま芸術劇場。
でも、とっても好きな劇場です

さて、そして観劇した演目は、維新派の
「台湾の、灰色の牛が背伸びをしたとき」。

前にちらっと維新派の紹介文を見かけて、チケットを買ってみただけの話。
野外に木造の舞台を自ら組み立てて、その周りには屋台村までできる…
みたいなことが書いてあったかな。
とにかく異色雰囲気に惹かれての行動です。

海のものとも、山のものともわからず、行って、観て衝撃。
今までロバみみが劇場で観て来たスタイルとはまるで違う。

30人くらいのキャストが、皆、白塗りの顔と手足。
いっせいに詩のようなものを発しながら、繰り返しながら、輪唱(?)しながら
不思議な動きをシンクロさせている。

なんだ!? これは…。

ものすごく幻想的なんですが、結構長いんです。
いつセリフのやりとりが始るの? これは導入なんでしょ?
と、思いながら観ていたんですが、場面が変わっても、
そのスタイルは変わらず…。

ずっと、これで行くんだ…。

と、思った瞬間、理解できるだろうか…、と頭をよぎる不安。

でも、ズルズルとその異様で、幻想的で、稀有な表現に引き込まれてしまいました。
完璧に、どんなものかなんて説明できません。
もう、この舞台は観るしかないと思う。

内容は、東南アジアに移民した人々の生活。
サイパン、バリ、フィリピン諸島…。
植民地争いから、世界大戦に発展した時代の移民が、
それぞれの地で、その戦いに巻き込まれ、
捕虜となったり、生活を共にした人々の命までも
狙わなければならなくなったり、といった時代を描いています。

そう、まさに描いている。
余計なことは言ってない。
ただ、そんなことがあったと、描いているだけです。

「そこはいつですか?」
「1924年です」
「そこはどこですか?」
「フィリピンです」

みたいな、東南アジアの諸島と暮らしぶりを説明するだけの掛け合いはありますが、
人と人の感情がぶつかる激しいセリフのやり取りはなかったと思います。
ナレーションに近い。

あとは全部、詩のような言葉と擬音が、たたみかけるように響く。
不思議な動きのシンクロと一緒に。

「私は入り江」「私は入り江」
「こ・こ・に、お・い・で」「こ・こ・に、お・い・で」

みたいな、感じ。
伝わらないと思いますが…。

でも、すごく緊迫したものが迫り来る場面もあったり、
物悲しい場面もあったり、メリハリはあるんです。
舞台の奥行きを生かした演出も素晴らしかった。
一番奥の遠くから、一つずつ街灯が灯って行くところなんか特に。
なんか郷愁を誘われるというか。

タイトルの「台湾の、灰色の牛が背伸びをしたとき」は、
劇中でも使われるセリフです。
「どこそこの牛が隣で何かが動く気配を感じて振り向いたとき」
みたいな感じで続くんです。

あれです。あれ。
「カムチャッカの若者がキリンの夢を見た時」という詩のような感じで。

眠くなるか、研ぎ澄まされるか、どちらかとも言える舞台ではありますが、
いつもと違う感情の置き場所が刺激される感じ。
ロバみみは好きです。言葉オタクなんで(笑)

こういう世界もあるんだ。

と、思いました。
新しい出会い。
だから舞台って好きです

・『K2』

2010年11月25日 | ・ロバみみの芝居小屋
実は、結構早い段階で観劇していました「K2」。
感想も一瞬アップしたんですが、このチケット激戦に伴い、
情報収集している方々の検索に引っかかるのは非常に怖かったので、
ずっと保管しておりました。
楽まであと少し。そろそろいいだろう…ってことで、
そのままアップ致します
では!

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なんとかかんとか、堤氏と草なぎくんの二人芝居、「K2」を観て参りました。
自分のことを棚に上げていうけど、ジャニーズって…、ジャニーズって…
なんだったんでしょうね。このチケット戦争は

でも、やっぱり、長年、堤さんを見続けて来たファンとしては
はずせないわけですよ…。
「2階席でも、今回は観れるだけで恩の字!」
と、出かけたわけですが、幕が開いてロバみみ、思わずアングリ
2階席が良席にバケた瞬間を見ました

ここから先はネタバレですので、ご注意願います

ストーリーは、雪山で遭難した二人の男が、
その極限状態で繰り広げる人間ドラマです。

生還するため、その方法を模索しながら、自分たちの人生に想いを馳せていき、
次第に追いつめられていく状況の中、
剥き出しになっていく自分や、愛する人の大切さを思い知る男たち。

まず驚いたのはセットです。
「ザ・雪山」。マジで。
その絶壁の途中のテラス(?)(絶壁に出来たテラスみたいになってるくぼみで、
休憩できるような小さな場所)で、ずっと二人芝居。

なので、2階席は高さ的に二人が近くて、芝居がよく見えて逆によかったんです
1階席の前列なんて、二人の鼻の穴ビューかも…?(笑)

休憩なしの約1時間40分。
この閉塞感たっぷりの密な二人芝居、大丈夫かな…と、
ロバみみは思いながら見てたんですけど、いやいや、大丈夫でした。

最初は、それぞれの生活のバックポーンとかを観客に知らせるための
セリフが多くて、退屈しそうだったんですが、
残してきたザイールをなんとか取り戻そうとする
草薙くんのロッククライミングという動きが目を引いて、
平坦な進行をカバーできた感がありました。

そして、物語の中盤は、絶望感と苛立ちで感情をぶつける草なぎくんと、
それを諭す堤さんのやりとり。
もう、この辺から、堤さんが素敵すぎました
草なぎくんの頭をなでた瞬間、双眼鏡、落とすかと思った

文字通り「えんえん」泣く草なぎくんは、子供じみてて、
堤さんの死を覚悟した大人の男をものすごく引き立ててくれました。
一見、損なキャラなんですけどね。草なぎくんの役。
冷淡で自己主義で怒りっぽくて子供。
「くそったれ」をどれだけ連呼すれば気がすむんだ?って感じで(笑)

でも、似たようなキャラがノホホンとあの場にいても、ドラマになりませんから。
やっぱり、コントラストが大事かな。
遠慮がちに演じられたらつまらない役どころなので、
これからもドンドン、切れたり泣いたりして欲しいです。
でも、

「本当の友達だけは欲しかったんだ」

これは、いいセリフでした。

そして、もう後は堤さんの独壇場です。
一人取り残されたハロルドが、死を目の前にして静かに語ります。
置いてきた奥さんと息子への想い。
死への旅立ち。

絶対、泣かないって思ってたんですが、
堤さんが泣きながら、おだやかな顔で話すものだから、
いつのまにやら、ロバみみもウルウル…。
堤さんの、とてつもなく優しい表情と涙。
その涙に、もらってしまいました。
なんとなく、家で待つ妻の心境にもなってたし

どちらかというと、男性の方がやはり共感しやすい内容かも。
このチケット状況では無理だと思いますが、
年配の男性に見て欲しいなぁ…と思いました。

そうそう、始ってしばらくして、劇場がグラグラ揺れたんです
一瞬、「演出!?」って思ったんですが、本物の地震だったようで…。
なんか、怖かったです。
セットの雪山からもハラハラって雪が零れ落ちて、超リアルだった

こんなアクシデントもありつつの「K2」観劇。
演出の千葉哲也さんは、「IZO」で源兵衛さん役で
剛くんとも共演されています
そんなことにも思いを馳せながら観劇したりして、また味わい深かったです。

・『カーディガン』

2010年11月19日 | ・ロバみみの芝居小屋
今週のはじめに、中井貴一さんと市原隼人くんの
「カーディガン」を観て来ました。

同室に入院中の、まじめで自己主張しない中年男(中井さん)と、
傍若無人な若いヤクザ(市原くん)。
輸血が原因で、二人の人格が真逆に変貌する物語。

って、奥さんとか、彼女とか、舎弟とか、同僚とか、
もうちょっと人間関係のからみとかもあるんですが、
本当に端的にいうとそんな感じ。

コミカルな作品でした。

ロバみみは、始ってすぐに「中井貴一、すごい」と思いました。

戦国武将をやらせても、くたびれたオジサンをやらせても、
しっくりきちゃうあの雰囲気はさすがだな…と。
そんな中井さんと共演できた市原くん、
すんごい、恵まれてるなぁ…としみじみ思いながら観てました。

市原くん、ヤクザといえど、なかなかチャーミングでさわやかで、
憎めないキャラでよかったです。

でも、ロバみみはやっぱり、中井さんと奥さん役のキムラ緑子さんに
一人、グッときてました。
とぼけたやり取りの中にも、人生のワビサビを感じさせる夫婦。
味わい深い。

くたびれて気弱でリストラされて、同僚にもバカにされていた男が、
人生に見切りをつけた瞬間、豹変していく様は、

本当の自分って何なんだ。
本心って、人の本質ってどんなんだ?

と、考えさせられます。
でも、全体的には、ちょっと重いテーマも覗かせながらも、コメディ色の強い作品。

舎弟の中尾くんと市原くんのやり取りが、シリアスで事件性が濃かったのが、
逆にちょっと浮いてしまっていた感はありましたけど。
「オレも絶対逃げ切るし」ってな感じのセリフだけで、
流されちゃってるので、「そんな簡単じゃなさそうだけど…?」
と、ロバみみは、ひっかかっちゃいました

ですが、まあ、楽しむ…という意味では、笑えるし、
後味もいい作品なので、よかったです。

そうそう、ロバみみ、中井さんが…、いや、違うな、
ドアが中井さんにぶつかったシーンで大笑いしちゃったんですが、
あれを毎日やるってすごいなぁ。
文字通り、体当たりの演技ですね。

そして観劇中に、ふと、
「このヤクザ役、剛くんがやったら、可愛いだろうなぁ」
と思っちゃいました。
そう思うと、最後。もう、舞台の上でセリフ言ってる剛くんが見えてきてしまう。
いつもではないんだけど、
「剛くんにやらせてみたら、おもしろそう」
「剛くんだったら、どんな雰囲気に変わるかな」
って感じる役に出会ったりするとね。つい…
気持ち、プロデューサー兼マネージャーだから(笑)

実は「ジョーカー」の錦戸くんの役も、

「この役、森田剛にくれ」

って思いながら見てた
堺正人さんと共演で、陰のある役。うらやましすぎた…
ドラマもめちゃ、おもしろかったし。

ああ、また脱線しちゃいました。

作品の話に戻りますと、内容とは別になるんですけど、
一部の客のスタンディン・グオベーションにげんなりしてしまいました。
いいんですよ。
自分が「素晴らしい」と思った瞬間、思わず立ち上がって賞賛しても。

でもね。

明らかに、「私を見て!」みたいな人。
一番に立てば、目立つでしょ、みたいな人。

せっかくの温かい気持ちが、シュッと冷めるんだな。ロバみみ。
ジャニーズの出る芝居も、アイドル化した俳優が出る芝居も、
絶対にいる。
なんかなぁ…。

だから、逆に立てなかった…。
心の中で、中井さんとキムラさんにスタオベ

そんなこんなの観劇でした。

・『りんご 木村秋則物語』

2010年11月10日 | ・ロバみみの芝居小屋
今週もおもしろかった「ミッションV6」。
だけど、まずはこれを書かなければ。
長野くん主演の「りんご」を先日観て来ました

赤いボディスーツの代わりに、長靴とりんごの被り物を装着し、
害虫と闘うウルトラマン・アップルが、
最後にはりんごの木からもがれ落ち、万有引力を身をもって証明する物語。

では、もちろんありません。

無農薬のりんご栽培に成功した、木村秋則さんの物語です。
でも、りんご畑で四苦八苦するという内容のものではなくて、
無農薬栽培を始めてからの木村家の家族のお話。

これから行かれる方は、ネタバレにご注意くださいね

婿養子に入った木村さんが、農薬にかぶれる奥さんのため、
農薬を使わないでりんごを育てようとしていくと、
次第にりんごは花を咲かせなくなり、収穫もできずに家計を圧迫。
近隣農家からは村八分同然の木村家。

でもやがて、秋則、義理の両親とお嫁さんであるミチコさん、
それぞれの苦労と葛藤が結晶となり、小さな赤い実を結びます。
バラバラになりかけた家族もまた、りんごの実のようにギュッと固い絆で結ばれ、
敬遠していた近隣農家の人々も、また一家の近くに戻って来る。

そんなお話です。

ドキュメンタリードラマというよりは、家族愛を描いたホームドラマのような作品。
素朴な手触りの舞台です。

結構ね、ジワジワきます。
「やばい。ハンカチ、カバンの中じゃん」って、
ちょっと焦った

何気ない会話がね、ロバみみ的にはすごくよかったんです。
うまくいかない日々にお嫁さんが我慢していた気持ちを
お母さんに吐露するシーン。
曖昧なんですが、

「私がダメだから、りんごは花を咲かせてくれないの?」とか
「子供の頃、私の所には、王子様は来ないんだって思った。
 だって、りんごを作ってる王子の話なんて聞いたことねぇもの」

みたいな意味合いのセリフを言うんですが、どうしようもないことを、
どうしようもないからこそ言ってしまうやるせなさが、
観ていて切なかったし、それに対してお母さんが

「やめていいよ。あんたがやめたいと思ってること、全部やめていいよ」

と受けるセリフも、聞いてて泣けました。
やめたいけど、やめたくないから、そしてやめられないから、皆悩んでる。

くる年もくる年も、りんごは花を咲かせないのに
黙って秋則を信じる義理のお父さんも、すごいですね。うん。

出口がないんですよ。
今、私達は、あの苦労の先に素晴らしい成功があるってわかって
舞台を見ているけど、その当時の木村家の人々は、
そんな未来は全然見えてないわけで、まさに絶望との戦いだったと思います。

でも、希望の光が見えた時に秋則が言った
「我慢には限界があるけど、興味はつきることがない」
みたいなセリフは、すごくよかったです

派手さはないけど、温かい気持ちになる作品です。

芸能人オーラを見事なまでに消し去った長野くんも見どころのひとつかな、と(笑)
それと、義理のお母さんがいい味出してて素敵でした
劇場で、残り公演のチケットも買えるみたいでしたよ。
是非~

・『鋼鉄番長』

2010年10月25日 | ・ロバみみの芝居小屋
かれこれ1週間前くらいになるのですが、
劇団☆新感線の「鋼鉄番長」を観て来ました。
ネタバレ御免の内容です。これから行く方はこの辺でサヨナラです

平日に、池袋で18時開演てどうなのよ…!?
と、相当ボヤいていましたが、
会社から一番早く行けそうなルートを必死で検索したら、
なんと、17時50分にはサンシャイン劇場にいました。
予想では、どう考えても10分遅刻だったはずなのに…。スゴイ

内容は、とりあえずブッ飛んでいました
アイドルの沢々尻モニカが、悪の裏組織が潜む高校に誘拐され、
モニカを助けるために、高校へもぐりこんだ鋼鉄番長こと、
兜剛鉄(橋本じゅんさん)が大活躍する物語。

もう、マジで、

各方面に許可取ったんですか?

と、心配しちゃう程、ネタモトがビックなキャラクターたち

田辺誠一さん演じるスーパーアイドルが歌うのは、
「ブルージーンズ・ぶるーす」。
ええ、もう分かっちゃいますよね(笑)
田辺さんの歌と踊りが、多分、本気で微妙というレベルだったのが
ロバみみ的には超ツボでした。
戦場カメラマンのモノマネも、マジで笑えた。

古田新太さん、卑怯です。
そんな、キランキランの衣装と、アシンメトリーなヘアスタイルで、
「どうして~♪」と歌い踊る、韓国のスーパーアイドルもどきは
死ぬほど笑いました。
そして、「いい気になるなよ」と言われるほどに痩せててビックリ。

体育教師の池田成志さんは、復讐の女教師よりもはるかにけたたましく
「ドッカン、ドッカン」わめき倒し、
某有名アニメスタジオのキャラやら、今をときめくやたら大人数のアイドルやら、
飛び出す映画の青い生命体とか、舞台の上で大騒ぎでした。

中でも、ロバみみが最高に好きだったのが
坂井真紀さんの浅見山サツキ
セーラー服姿で剣玉持って現れた時には、大笑いしました。

とにかく、最初からテンションマックスで、皆がわめいているから、
「ちょっとツライかも…」
と、眉間にシワが寄り始めていた時に酒井さんが登場してくれて、
ロバみみを救ってくれました

皆が大声でまくしたてるようにセリフを回している中、
お前、マジで「マッポの手先」なんか!?
と、突っ込みたくなるほどの、マイペースな土佐弁。

「おまんらー…、ゆるさんぜよ…!」

あの空気を無視したテンポが、ほんっとうにおかしくて笑いました

そして、高田聖子さんは、なんかエレガントで素敵でしたー。
どこから見ても「天地真理」みたいでしたが…。
でも、ロバみみは、この高田さんのキャラのモトネタがわかりませんでした

今回の舞台、若者組より年配組の方が、チケット代のモトとれちゃうかも。
モトのネタをリアルタイムで見ていた、もしくは読んでいた人の方が、
全然楽しめるという気がします。

なんか、大騒ぎのうちに幕が下りましたが、
あれをやり切る新感線って、やっぱスゴイです

・『シダの群れ』

2010年09月23日 | ・ロバみみの芝居小屋
8月は一本も舞台を観なかったので、久々です。
コクーンで「シダの群れ」を観て参りました。
ざっくり言うと、ヤクザものです。

阿部サダヲさんが出演するって、それだけの認識で劇場入りしたロバみみ。
始ってみると、ムショから出所してきた江口洋介さん、
組のナンバー2役に風間杜夫さん、
えぐっちゃんの母親役で組長の妾の伊藤蘭さん、
腹違いの弟で正妻の息子が小出恵介くん。
出てくるわ、出てくるわビックネームが。
心構えがなかったので、一人客席で「ギョッ」としていました。(いい意味で)

で、ストーリーは、出所した江口さんを兄貴と慕うサダヲちゃんが、
敵対する組と起す事件が、結局はラストの悲劇のきっかけになります。
組員の事情をそれぞれに描きながら、跡目相続というのが物語の着地点です。

ありがちといえば、ありがちなストーリーなんですが、
役者同士のやりとりが笑えて、見応えありました。
飽きさせないノリのよさは、さすがのサダヲちゃんです
随所で爆笑してしまいました。

舞台はセットチェンジなし。
人質となるチンピラ以外は敵対する組の者も出てこないので、
組内の人間模様を描いている感じですね。
跡目問題とか、正妻・妾の関係とか。

ロバみみ的には、ヤクザに向かないサダヲちゃんと
風間杜夫さんのカラミがよかったなー。
風間さん、結構おもしろかったです
特にパチンコに出かけるといったサダヲちゃんに
いちゃもんをつけて二人で言い争うシーンが最高でした

すごく心に残る…という作品ではないものの、
娯楽としては、結構楽しめました。


・『ザ・キャラクター』

2010年07月29日 | ・ロバみみの芝居小屋
野田さんの「ザ・キャラクター」を観に行って来ました

本当に素晴らしかった…。

どんな風にすばらしかったのか、是非とも書きたいんですが、
本当にロバみみの文章力じゃ伝えきれないこのもどかしさ
胸いっぱいのやるせなさが、今回の観劇の手土産でした。
ネタバレとは言えない感想ですが、一応お気をつけ下さい

本当に簡単に書くと、日本で起こったあの惨劇。
地下鉄サリン事件を描いたものです。

最初は、すごくファンタジックな演出で、
全然、無差別テロなんて想像も出来なかったんです。
何故かというと、ギリシャ神話をモチーフにしていて、
舞台は書道教室なわけです。

そこの家元が古田新太さんで、あとあと、某教祖という正体がわかるんですけど、
このキャスティングはほかにないでしょうね

ギャリシャの神が、紙に書き綴る文字。
それに傾倒し、書道を極めようとする信者達。

そこへ弟を探しにもぐりこむ宮沢りえちゃん。
息子を奪い返しにくる母親や、押しかけるマスコミ。
そして、内部で起こる口封じの争いと殺人。

前半はすごくファンタジーな雰囲気で、コミカルに進んでいって、
笑いとかあるんですが、野田さん、どこを目指しているのかしら…って
思いながら観てました。

でも、だんだん、異様なカルト集団の雰囲気が色濃くなって、
どんどん観ていて苦しくなっていくんです。
でも、その切々と訴えかけるような物語に
ロバみみ、胸がいっぱいになってしまって、涙目で観ていました。

どうしてこんなことになってしまったのか。
みんなが幸せになりたいと思っていただけじゃないのか。
何故、正義がねじまげられて行くことに、目をつぶってしまうのか。
家族の想いや人の命の重さは、どこに行ってしまったのか。

いろんな叫びが舞台の端々に響いているような作品。
野田さんの作品は、いつも単なる娯楽ではなくて、
「皆、気づけよ。他人事と思ってスルーするなよ。自分達のことなんだぞ」
って、警鐘を鳴らしている気がします。

でも、いつもそこに小さな希望があったんですが、
今回は圧倒されてしまって、うまく見つけられませんでした。
二人の若者が「きぼう」と「のぞみ」という役名でしたけどね。

ロバみみは、ぜいたくな話なんですが、3列目での観劇だったので、
あの迫力の演出をもうすこし引きで観れる席で
もう一回観てみたい気がしました。

でも、本当に野田さんは天才です。
最近、日本のクリエイティブ界の素晴らしい方々が
亡くなったり、病気なってりしていて、悲しいですが、
野田さんも、どうかお元気で、ずっと素晴らしい作品を世に送り出して欲しいです

・『アリバイのない天使』

2010年07月15日 | ・ロバみみの芝居小屋
坂本くん主演の「アリバイのない天使」を観て来ました。
初のリーダー舞台観劇です。
でもって、G2さんなわけですから、ハズレはしないだろうと思ってたら、
やっぱり期待通り、楽しい作品でした

濡れ衣で会社をクビになったサラリーマンが、
自分をハメた上司をつけて辿り着いたのが「アリバイ屋」。
上司の弱みを探り、会社に復職する為にアリバイ屋で働くことになるも、
そこにキャバ嬢やら、拳銃の密売犯やら、
警察やらがやってきて大騒ぎ。
事件に巻き込まれつつ、思わぬ形で上司と決着することになる
サラリーマン・西村。
最後に彼が選択した決断は…。

みたいな?

コメディですね
カタブツのサラリーマン役の坂本くん、おかしかったです。
でも、ちょっと声が美声すぎた気がします(笑)
あれはミュージカル用の発声方法なのかなぁ?

いや、すごく聞き取りやすくていいんです。
だけど、グローブ座って狭いから、そんなに力入れなくてもって
ロバみみは思っちゃったんですよね。
他の役者さんが、わりと普通のトーンでセリフを回していたので、
ちょっと目立っちゃう気が。

グローブ座くらいのキャパだと、もう少し力抜いてセリフを言った方が、
観客との間合いが近くなっていい気がしました。
本当に個人的な好みの問題なんですけどね。これは。

あと、V6ファンじゃない観客の中で観てみたかったといのうも
正直な感想でした。
「ヘタレなリーダー」キャラありきで、西村を見ちゃうから、
どうしても面白いのは当たり前みたいに感じちゃって…。
「V6の坂本くん」の普段の雰囲気とか知らない人は
皆と同じところで笑ったりするのか、知りたくなりました

あ、なんか、否定的な雰囲気になってますが、
決してそうではなく、作品は本当に笑えて、じんわりして、
サラリーマン役の坂本くんもすごく素敵でした

普段、ロバみみが坂本くんを賞賛する時に言ってることが
そのまま舞台でも大爆笑のセリフになっていて、
誰もが認める坂本くんの美点なんだと、再認識

そして、ロバみみのグローブ座のお芝居での楽しみのひとつは、
脇の役者さんたちの活躍です。
有名どころではないにしても、かなりイイ味出してる役者さんが
必ずいらっしゃるのが魅力なんです。

今回は、社長と拳銃密売犯の役者さんが光ってました
たくさん笑わせてもらいました。

素直に楽しめる作品。
健ちゃんの期待してた「天使スタイル」ではありませんでしたが、
スーツ姿の坂本くん、かっこよかったです

カーテンコールも、温かい拍手に何度も出て来てくれた坂本くん。
さわやかな笑顔がとても印象的
さすが、マ・ビョンホン(笑)
ちょっとヤレれました

先日、会社に転がっていた雑誌で、坂本くんのインタビューを見つけて、
デビュー前の苦労話から、今の舞台への思いとかを読んだばかりだったロバみみ。
この拍手が、坂本くんの次の夢への活力になるなら、
いくらでも、惜しみなく気持ちを伝えよう、と思いながら
拍手を贈りました。

本当は土日に申し込んだのですが、平日に振り返られてしまったロバみみ。
でも、平日でよかったかもって思いました。
あんなにカッコいいサラリーマンに、会社帰りに会えて、
仕事の疲れを癒してもらえるとは予想外の嬉しさでした

でも、やっぱり、メンバーに会いたくなっちゃったけど…。
せっかくダイエットしてたのに、一口食べたら食欲が爆発しちゃった…みたいな

ともあれ、リーダーの舞台、お初でしたが、とっても楽しませて頂きました。
今度は、本格ブロードウェイミュージカルじゃなくて、
松尾スズキさんがやるような、日本の、ちょっと笑える歌劇に出て欲しいなー。

・『遊園地3兄弟の大冒険』

2010年07月12日 | ・ロバみみの芝居小屋
実は旬くんの映画を観る前、九州のかぶりモノ劇団、ギンギラ太陽'sの
「遊園地3兄弟の大冒険」を観に行っていました。

正直、最ッ高でした
笑いに笑いました!!

まず、はじめての東京ドームシティのシアターGロッソ。
案外大きくてビックリ。
でも、かなりの傾斜で後ろの方はステージが見づらいのでは? 
と、思いました。

そして、開演前にギンギラ太陽'sの面々が、バスのかぶりモノをして、
客席の人たちと写真撮影している姿にまたビックリ
こういうサービス、あんまりないですよね。
なんかアットホームでいいなぁ…と思いました
ロバみみも写メ撮ったんですが、
載せていいものやら判断がつきかねるのでやめときます

物語は、閉演を余儀なくされた福岡の到津遊園が、
その危機を乗り越えて、新しく生まれ変わる物語です。

もう、つかみから最高でした。
世界一有名な黒いネズミカップルと、日本生まれのファンシーなネコが
醜いこぜりあいをするところから始るんですが、
それが大爆笑で、ロバみみ、涙流して笑いました。
ツボに入っちゃって

ネズミもネコも、可愛くないわけですよ。
男性の劇団員が演じてるんですが、そのB級キャラが最高
お前なんかバカなOLにしか人気がないくせに、みたいな
低レベルな言い争いが延々続いて、もうまいったって感じでした(笑)

ネズミの王国やネコランドの人気に比べて、客足の伸びない到津遊園が
香椎花園、大宰府園と共に閉園の危機を乗り越えるべく、
大冒険するわけなんですが、ここで、助っ人勇者が登場します。

観客から(笑)

到津遊園が、前の方の女性のお客さんと、

「名前は?」
「Kクチです」
「年は?」
「…え~…」
「大事なことなんだっ! 早く、教えてくれ!」
「…41」
「勇者Kクチ、41歳!!」

みたいなかけあいをして、無理矢理ステージに引っ張りあげると、
夢見の国の賢者も

「予言の書にも書いておる。勇者Kクチ、41歳!」

と受けて、それからずっと、何かにつけて
「勇者Kクチ、41歳!!」を連呼しまくり(笑)

もう、大笑いでした!
そして、勇者Kクチは予言の書通りに役に立たずに、すぐ死んじゃうんですけど(笑)
本当にKクチさん、お疲れ様でした

あとは、パチモンのキャラが眠るパチキャラの墓場にサザエボンとか
「だんごさん、兄弟」が出てきたり、
宮崎シーガイヤの人工の波にのまれそうになる遊園地3兄弟を
後楽園遊園地がドームの浮き輪で救ったり、
八景島シーパラダイスが出てきたり、
そらもう盛りだくさんで、大笑いにつぐ大爆笑でした

もちろん、園内の動物たちの将来を心配したり、
林間学校に来てくれた子供達の思いに助けられたり、
心温まるシーンもちゃんと見せてくれます。

福岡人の方にはたまらないと思います。
関東生まれ、関東育ちのロバみみでさえ、こんなに楽しめちゃうんだから

劇場のすみから、すみまで笑顔でいっぱいになれるギンギラ太陽'sの作品。
ロバみみは2作品目でしたが、すっかり大ファンです

おまけ映像で、現在の生まれ変わった到津の森公園に、
団員の皆さんが、キャラのかぶりものをしたまま出かけたVが紹介されたんですが、
到津遊園やらシーガイヤやらをかぶった、奇妙な軍団を遠巻きに見ながら
通り過ぎる遠足中の園児たちが、
ちいさく手を振っていた画ヅラが、微笑ましくもおかしかったです

もっと、もっと、たくさんの人たちに
知ってもらいたい、観てもらいたい、劇団です。

テレビの収録があったそうなので、
ポシャらなければ放送される可能性があるようです。
ただ、ネズミとネコのシーンはどうなるかはわからないみたいです(笑)

・『AT HOME AT THE ZOO』

2010年06月24日 | ・ロバみみの芝居小屋
月に2回も堤氏を拝めるなんて

堤氏、大森南朋さん、そしてキョンキョン。

この出演者でシアタートラムじゃ、チケット激戦は言うまでもありません。
でも、やっぱり神様はいたんです…!
なんと、ロバみみ、最前列のド真ん中という神様からの招待席で観劇!
まさにミラクル

お芝居を楽しむのであれば、もう少し後ろがいいと確かに思うんですが、
最前のド真ん中なんて、座りたくないと言ったらウソ、ウソ、大嘘つきです。
いやー、緊張した。

1幕は堤さんとキョンキョンがリビングで繰り広げる夫婦の会話。
はい、ただそれだけです。
セットチェンジもありません。
ずっとしゃべり倒します。
シンプルなだけに、役者の力量が問われる空間でした。

でも、やっぱりサスガなんです。堤さん。
とりたてて、キャラの濃くない、品行方正な夫の役なんですが、
時折見せる3枚目加減が、情けなくもトボけてて、笑ってしまう。

いい夫、恵まれた生活。
不幸がない不幸に心くすぶる主婦のうっぷん…。
平坦な毎日に、落とし穴を探しては溜息をつくような自分を責めつつ、
でも、欲求不満は出口を探して爆発寸前。
そんな妻の言いかがりに巻き込まれて、
夫も読んでいた本から目を離し、二人の会話はシニカルに、
時にこっけいに進んで行きます。

上から目線のキョンキョンが、チャーミングな大人女子でした。
堤さんの膝の上に座ったりするシーンでは、
うらやましさ大爆発のロバみみでした

でも、本当に舞台に近かったので、
同じリビングでソファに座る堤さんの正面でくつろいでいるようで、
すっかり奥様気分
不謹慎ながらも、違う意味でも楽しめた最前列でした

そして問題の2幕目。
大森南朋さん、意外と背が高くて素敵だったし、
「何かやらかしそう感」をプンプン臭わせる、迫力ある演技だったんですが、
激しくロバみみを襲う睡魔…。

ありえないだろうー!? この席で居眠りはっ!

確かに、この日、体調がよくなかったっていうのもあったんですが、
1幕は楽しく集中できたのに、
2幕の堤さんと大森さんの二人芝居になってからは
焦点があわなくなる瞬間が時折やってきて、我ながらビックリでした

ほぼ、大森さんのセリフなんです。
堤さんはベンチに座って受けるだけ。
内容もちょっと暗くてヘビーな雰囲気だったんですが、
意識が飛びそうになった理由はそれだけなんだろうか…。

ネットとかで、
「結構寝てる人がいて失礼だ」
とかいう評判を見てはいたんです。

確かに、居眠りは感じが悪いし、両隣の方にも迷惑だからNGだと思うんです。
でも、これだけ人々の眠りを誘ってしまうと、ロバみみは考えちゃうんですね。
マナー違反という言葉だけでは片付けられないものがあるのでは…と。

役者の演技力が乏しいのか、
脚本のセリフがつまらないのか、
それとも内容事態に魅力がないのか。
もしロバみみが創る側だったら、ちょっとうなってしまう。

「このセンスについてこられない、一般市民どもめ」
と、開き直る事も簡単ですが、
お金払って観に来るの、体外は一般市民だからね。

ロバみみ、芸術肌きどって、わかった振りするタイプの演劇ファンじゃないから、
素晴らしい世界観とか言うつもりないし。
(そもそも「世界観」て言葉が好きじゃない)

ただ、眠くなってしまった自分の感度の低さに
悲しみを覚えました…

だって、大森さん、すごいなぁって思ったもん。
「他の役者じゃ、完璧落ちてたな」って
でも、ラストの方では、しっかり覚醒しました。

ま、どう感じるか、どう受け止めるかは、あの空間にいる人次第です。
体調が万全な時に、もう一回観てみたいです。(今回は無理でしょうけど…)

客席に、どなたかいらっしゃっていたみたいで、
女性客の方々が浮き足立って騒いでいたのですが、
誰だったのがわからずじまいでした。

「もしや、うちのSP、薫くんでは…?」

とも思ったのですが、ロバみみが確認できたのは
いのうえひでのり氏のみでした~

とにかく、簡単に感想をまとめあげるのが
ちょっと難しい作品でした。
でも、堤さんはめっちゃ素敵でした! うっとりでした

・『私の頭の中の消しゴム』

2010年06月07日 | ・ロバみみの芝居小屋
もう、昨日のことになりますが、機会を頂きまして、
朗読劇っていうのに始めて行ってきました。

映画をどうやって二人っきりで表現するんだろう?

と、思ってました。
まず、登場人物がたくさんいるし…。

実際に観てみると、日記形式で進んでいきました。
主人公の二人に起きたこと、心の中、
それを綴ってある日記を朗読するわけです。

なるほどねぇ~(感心)

内容は、有名すぎるので割愛しますが、
泣いている人も結構いらっしゃいました。

ロバみみは、そこまで入り込めなかったんですけどね
なんでかな?
いまひとつ、心をえぐるような悲しみ…みたいなのが
迫ってこなかったのは…?

小説よりも端的で、映像よりも言葉に頼る部分が大きいので、
構成するの、難しいんだろうなぁ…。
俳優さん二人も、ほとんど座って読むだけなので、
客席にゆだねられる舞台ですね。

初めて聞いたストーリーなら、もしかして泣けたのかしら…?

などと、観ながら考える余地がありました。

でも、なかなか新鮮な感じがしました