『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『写楽考』

2007年04月28日 | ・ロバみみの芝居小屋
堤さん主演の『写楽考』を観て来ました
よかったです。うん。

2時間という舞台にしては短い一幕。
でも、登場人物も少なくて、とてもわかりやすいストーリーでした。

絵描きの堤氏が、ろくでなしから、人殺しのお尋ね者になり身をやつし、
最後に華々しく、絵描きとしての才能を短期間に花咲かせて
死んで行く…。
シンプルな中にも、主人公の心の有り様の変化や
彼を取り巻く人々の心情がよく表現されていたと思います

高橋克巳さんが、とぼけててイイ味だしてるし、
七瀬なつみさんも、世間知らずの女中さんから
まっすぐで、純真な心を残したまま、
大人の女へ姿を変える様が印象的な演技でした。

最後に主人公の「写楽」が死ぬシーンは
本当にハッとするほどの「気」が伝わって来ました。
勢いがあって、切ない死に様でした。

自分の人生が変わってしまったと思ったけどそうじゃない。
消えてしまったのは、周りにいた人たちだった。
自分は何も変わってない。
では、人は何のために生まれてくるのか、ずっと考えていた。
そして死を目前に神様が与えてくれたものが、わかった気がする。
自分の才能を活かしきってこそ、命の意味がある。

ロバみみ、相変わらず感覚で受け止めるタイプなので
実際のセリフとはズレがあるかもしれませんが、
死の間際に写楽が自分の人生を振り返るシーンで
こんなようなことを言っていて、それが
ロバみみが、最近ボンヤリと考えていたようなことだったので
なんだかジーンとしちゃいました

「写楽考」、派手さはなかったですが、シンプルでロバみみは好きでした
大人のお芝居って感じで
そして、色々考えさせられました。
まさに「ロバみみ考」デス