とうとう「鉈切り丸」の幕が下りました。
剛くん、お疲れ様でした。
鉈切り丸は空を飛ぶことはできなかったけど、
剛くんは役者としてまた大きく羽ばたいてしまったなぁ…と、
成長して巣立っていく鳥を見送るような気持ちで客席にいました。
嬉しいような、そして、ちょっぴり淋しいような、そんな気持ち。
さて、マチネとソワレの連続観劇。
両部とも良席で観られたことに感謝、です。
なんかね、昼公演のラストシーンで、鉈切り丸が地獄の蓮池で立ち回っている時、
こぬか雨がライトに照らされて、鉈切り丸の頭の上に小さな虹を作っていたんです。
それを見た瞬間、なんか言いようもなく切なくなってしまって……。
「畜生だと思っていたが、お前もやっぱり人だったんだねぇ」
建礼門院がそう言っていましたが、
最期の時、蓮の花の前で最後の命の火を燃やす鉈切り丸に
観音様の慈悲の光が降り注いだように思えて、
少しの救いを見たような気がしてしまいました。
それをね、なんだかとっても剛くんに伝えたくなってしまって。
昼公演と夜公演の合間に、ロフトに走ってポストカードを購入。
簡単で短い文章ではありましたが、お手紙をしたためてみました。
突然現れたのか、ロバみみが気づかなかっただけなのか、
出演者宛のお手紙を預かってくれるコーナーが出現しているのを楽日に初めて知ったので。
まあ、楽日で撤収するんで荷物も多いだろうし、
剛くんの手元に届いても、マネージャーさんが持ち帰って
そのまま処分の運命かとも思ったんですけど、まあ、やるだけやってみました。
本当にね、あの虹。
鉈切り丸の使い果たした命を最後に優しく包んでいるように見えたんです。
光の加減なので、角度によって見える場所と見えない場所があると思うんですが、
もちろん剛くん本人には見えるはずもなかったと思ったので、
伝えたかったんですよね。
聞いたところで「あそ」って感じかもしれないですけどね(苦笑)
そういえばウィルヴィルの時も、色々手配して頂いてお世話になったスタッフの方に
差し入れしたついでに、剛くん宛のカードを託してみたんだった。今、思い出した!
届いたのかどうかは未だに不明。そんなものよね(笑)
さて、そんなこんなで色んな気持ちがあふれる楽日の観劇。
剛くんの演技のひとつひとつにゾクゾクしながら、観ていました。
好きなシーンやセリフ、表情、全部細部に至るまで目に焼き付けたかった。
不自由な右足に感情を持たせて歩き、走り、時に踊るような足取りで
鉈切り丸の心を雄弁に語る剛くん。
剣先を空に突き立てて、トビに天下を約束する範頼の輝く目。
頼朝が奥州を制圧して、「いざ! 鎌倉!」と叫んだ後、
振り向いて両手を広げる範頼の、まるで自分が鎌倉を手に入れたかのような
自信に満ちた表情。
「殿ねぇ…。悪くない」
と、冷静で冷徹な範頼が、ほだされる瞬間。
祝言の最中に舞を見ながら時折見せる満足げな微笑みと
征夷大将軍に就任した祝いの舞を見つめる静かな面持。
弁慶の呪いの言葉をあざ笑う毒のある目つき、
義経の自害を操る死神のような顔つき。
「穴があったことさえ忘れてしまうだろう」
と、心の影をつぶやく横顔。
殺陣は見るたびごとに、どんどん切れも迫力も増して、
泥臭い息遣いで多くの人間の命を蹴散らしていく。
「俺に羽をくれ。代わりに鎌倉をやる」
そう鳶に訴えかける鉈切り丸の最期は痛烈に悲しかった。
壮絶なラストシーンのあとの脱力感は半端じゃなかったです。
鉈切り丸は、本当に命を削って演じるほどのキャラクターだったのではないかと思います。
そんな張りつめた中、千秋楽は少しの遊び心もいっぱいでした。
生瀬さんは一段と弾けてましたね(笑)
御酒に酔いすぎでしょ(笑)
若村さんとの夫婦どつき漫才は、息かぴったりでした。
若村さん、「カリギュラ」の時にうーん、と思ってたんですが、
北条政子、よかったです。
ヒステリックで感情的なんだけど、うるさくなく、メリハリがあって、
母と妻の苦悩みたいなのも伝わって。時にチャーミングな面もあったりして。
生瀬さんに「オトちゃんかわいい。(若村さんをチラ見)断然、こっちがかわいい」と言われて
思わず呆れ顔で笑ってしまっていましたが(笑)
そして、剛ちゃんも!
頼朝の兄上とのシーン。
頼朝「政子が私の右腕なら、範頼は私の、左腕だっ…!」
範頼「……」
頼朝「もう一回! 政子が、」
範頼「大丈夫ですから!」
頼朝「…(まだ粘ろうとする生瀬さん)」
範頼「大丈夫ですからっっ!」
と、有無を言わせぬ「大丈夫ですから」二連発(笑)
頼朝が範頼を抱きすくめるシーンも、セットから落っこちないように
振り向いて二度見して後ろを確認する剛くんが可愛くって、
客席の笑いを誘っていました。
この抱きすくめられる時の剛くんのなんとも言えないこそばゆい顔が何度見てもツボでした。
そして、流鏑馬のシーンでは、義盛殿の追っかけに混ざったホモ男さんに
今までは義盛が蹴りを入れていたんですが、
千秋楽は剛つんの「必殺・鉈切りキック」が炸裂~(笑)
ああもう、こーゆーとこ、森田剛だっ! って思いました(笑)
(注)剛くんは劇中「鉈切りキック」とは言っていません。
カーテンコールも満場のスタンディングオベーション。
そして、座長である剛くんのご挨拶。
「今日を迎えられてとても嬉しく思っています。
明日から12月です。寒くなりますので、皆さん、風邪などひかないように気をつけて下さい。
よいお年を!」
も、もう?(笑)
でも、クリスマスもすっとばして、いきなり年末の挨拶をかますあたりが森田剛だわ…って感じで、
本当に「おかえり。剛くん。お疲れ様でした」って思いました。
そして鳴り止まない拍手の中、最後に上手の竹藪の前にひょこっと再登場。
昼公演でもこの場所にご登場賜った範頼様でしたが、
その時は、王子様がお姫様にダンスを申し込むかのようなお辞儀でご挨拶。
もう、その瞬間、ロバみみ、溶けそうでしたが
夜公演では、客席に向かって剛ちゃんスマイルで手をいっぱい振ってくれました。
だめだー。
あんなに険しい顔で残酷だった男に、こんなハニカミ笑顔を見せられたら……。
…やっぱり、剛くんが大好きです(涙)
楽は健ちゃんも、ご来場していましたが、
他にも高岡蒼甫くんや萩原聖人さん(多分)とすれ違いました。
どんどん演劇関係者に「森田剛のすごさは、たかがジャニーズレベルではない」ことを
その目で確かめに来て欲しいです。
今回の作品は、あまりにもすごすぎて、
次回の剛くんの仕事のハードルがかなり上がってしまったような気がします。
他の演出家の方にとっても、森田剛をキャスティングしようとしても、
これを超えなきゃいけないというプレッシャーと戦うことになるんじゃないかと
思ってしまいました。
まさに「鉈切り丸」は演劇界への挑戦状ともいえる作品になったのではないかと思います。
でも、剛くんは、そんなことはお構いなしに、
ずっと上を向いて、どんどん進んで行って欲しいと思います。
そんな剛くんに、絶対ついていくからね。
個人的には、今度はコメディなんかにも挑戦して欲しいです。
多分、ヒール役より難しいジャンルだと思うし、
また違った引き出しが剛くんを高みにつれて行ってくれると信じてる。
でも、まずはリセットする時間が必要かもしれないですね。
剛くん。本当にお疲れ様でした。
そして、心揺さぶる作品をどうもありがとうございました。
ロバみみより愛をこめて。
剛くん、お疲れ様でした。
鉈切り丸は空を飛ぶことはできなかったけど、
剛くんは役者としてまた大きく羽ばたいてしまったなぁ…と、
成長して巣立っていく鳥を見送るような気持ちで客席にいました。
嬉しいような、そして、ちょっぴり淋しいような、そんな気持ち。
さて、マチネとソワレの連続観劇。
両部とも良席で観られたことに感謝、です。
なんかね、昼公演のラストシーンで、鉈切り丸が地獄の蓮池で立ち回っている時、
こぬか雨がライトに照らされて、鉈切り丸の頭の上に小さな虹を作っていたんです。
それを見た瞬間、なんか言いようもなく切なくなってしまって……。
「畜生だと思っていたが、お前もやっぱり人だったんだねぇ」
建礼門院がそう言っていましたが、
最期の時、蓮の花の前で最後の命の火を燃やす鉈切り丸に
観音様の慈悲の光が降り注いだように思えて、
少しの救いを見たような気がしてしまいました。
それをね、なんだかとっても剛くんに伝えたくなってしまって。
昼公演と夜公演の合間に、ロフトに走ってポストカードを購入。
簡単で短い文章ではありましたが、お手紙をしたためてみました。
突然現れたのか、ロバみみが気づかなかっただけなのか、
出演者宛のお手紙を預かってくれるコーナーが出現しているのを楽日に初めて知ったので。
まあ、楽日で撤収するんで荷物も多いだろうし、
剛くんの手元に届いても、マネージャーさんが持ち帰って
そのまま処分の運命かとも思ったんですけど、まあ、やるだけやってみました。
本当にね、あの虹。
鉈切り丸の使い果たした命を最後に優しく包んでいるように見えたんです。
光の加減なので、角度によって見える場所と見えない場所があると思うんですが、
もちろん剛くん本人には見えるはずもなかったと思ったので、
伝えたかったんですよね。
聞いたところで「あそ」って感じかもしれないですけどね(苦笑)
そういえばウィルヴィルの時も、色々手配して頂いてお世話になったスタッフの方に
差し入れしたついでに、剛くん宛のカードを託してみたんだった。今、思い出した!
届いたのかどうかは未だに不明。そんなものよね(笑)
さて、そんなこんなで色んな気持ちがあふれる楽日の観劇。
剛くんの演技のひとつひとつにゾクゾクしながら、観ていました。
好きなシーンやセリフ、表情、全部細部に至るまで目に焼き付けたかった。
不自由な右足に感情を持たせて歩き、走り、時に踊るような足取りで
鉈切り丸の心を雄弁に語る剛くん。
剣先を空に突き立てて、トビに天下を約束する範頼の輝く目。
頼朝が奥州を制圧して、「いざ! 鎌倉!」と叫んだ後、
振り向いて両手を広げる範頼の、まるで自分が鎌倉を手に入れたかのような
自信に満ちた表情。
「殿ねぇ…。悪くない」
と、冷静で冷徹な範頼が、ほだされる瞬間。
祝言の最中に舞を見ながら時折見せる満足げな微笑みと
征夷大将軍に就任した祝いの舞を見つめる静かな面持。
弁慶の呪いの言葉をあざ笑う毒のある目つき、
義経の自害を操る死神のような顔つき。
「穴があったことさえ忘れてしまうだろう」
と、心の影をつぶやく横顔。
殺陣は見るたびごとに、どんどん切れも迫力も増して、
泥臭い息遣いで多くの人間の命を蹴散らしていく。
「俺に羽をくれ。代わりに鎌倉をやる」
そう鳶に訴えかける鉈切り丸の最期は痛烈に悲しかった。
壮絶なラストシーンのあとの脱力感は半端じゃなかったです。
鉈切り丸は、本当に命を削って演じるほどのキャラクターだったのではないかと思います。
そんな張りつめた中、千秋楽は少しの遊び心もいっぱいでした。
生瀬さんは一段と弾けてましたね(笑)
御酒に酔いすぎでしょ(笑)
若村さんとの夫婦どつき漫才は、息かぴったりでした。
若村さん、「カリギュラ」の時にうーん、と思ってたんですが、
北条政子、よかったです。
ヒステリックで感情的なんだけど、うるさくなく、メリハリがあって、
母と妻の苦悩みたいなのも伝わって。時にチャーミングな面もあったりして。
生瀬さんに「オトちゃんかわいい。(若村さんをチラ見)断然、こっちがかわいい」と言われて
思わず呆れ顔で笑ってしまっていましたが(笑)
そして、剛ちゃんも!
頼朝の兄上とのシーン。
頼朝「政子が私の右腕なら、範頼は私の、左腕だっ…!」
範頼「……」
頼朝「もう一回! 政子が、」
範頼「大丈夫ですから!」
頼朝「…(まだ粘ろうとする生瀬さん)」
範頼「大丈夫ですからっっ!」
と、有無を言わせぬ「大丈夫ですから」二連発(笑)
頼朝が範頼を抱きすくめるシーンも、セットから落っこちないように
振り向いて二度見して後ろを確認する剛くんが可愛くって、
客席の笑いを誘っていました。
この抱きすくめられる時の剛くんのなんとも言えないこそばゆい顔が何度見てもツボでした。
そして、流鏑馬のシーンでは、義盛殿の追っかけに混ざったホモ男さんに
今までは義盛が蹴りを入れていたんですが、
千秋楽は剛つんの「必殺・鉈切りキック」が炸裂~(笑)
ああもう、こーゆーとこ、森田剛だっ! って思いました(笑)
(注)剛くんは劇中「鉈切りキック」とは言っていません。
カーテンコールも満場のスタンディングオベーション。
そして、座長である剛くんのご挨拶。
「今日を迎えられてとても嬉しく思っています。
明日から12月です。寒くなりますので、皆さん、風邪などひかないように気をつけて下さい。
よいお年を!」
も、もう?(笑)
でも、クリスマスもすっとばして、いきなり年末の挨拶をかますあたりが森田剛だわ…って感じで、
本当に「おかえり。剛くん。お疲れ様でした」って思いました。
そして鳴り止まない拍手の中、最後に上手の竹藪の前にひょこっと再登場。
昼公演でもこの場所にご登場賜った範頼様でしたが、
その時は、王子様がお姫様にダンスを申し込むかのようなお辞儀でご挨拶。
もう、その瞬間、ロバみみ、溶けそうでしたが
夜公演では、客席に向かって剛ちゃんスマイルで手をいっぱい振ってくれました。
だめだー。
あんなに険しい顔で残酷だった男に、こんなハニカミ笑顔を見せられたら……。
…やっぱり、剛くんが大好きです(涙)
楽は健ちゃんも、ご来場していましたが、
他にも高岡蒼甫くんや萩原聖人さん(多分)とすれ違いました。
どんどん演劇関係者に「森田剛のすごさは、たかがジャニーズレベルではない」ことを
その目で確かめに来て欲しいです。
今回の作品は、あまりにもすごすぎて、
次回の剛くんの仕事のハードルがかなり上がってしまったような気がします。
他の演出家の方にとっても、森田剛をキャスティングしようとしても、
これを超えなきゃいけないというプレッシャーと戦うことになるんじゃないかと
思ってしまいました。
まさに「鉈切り丸」は演劇界への挑戦状ともいえる作品になったのではないかと思います。
でも、剛くんは、そんなことはお構いなしに、
ずっと上を向いて、どんどん進んで行って欲しいと思います。
そんな剛くんに、絶対ついていくからね。
個人的には、今度はコメディなんかにも挑戦して欲しいです。
多分、ヒール役より難しいジャンルだと思うし、
また違った引き出しが剛くんを高みにつれて行ってくれると信じてる。
でも、まずはリセットする時間が必要かもしれないですね。
剛くん。本当にお疲れ様でした。
そして、心揺さぶる作品をどうもありがとうございました。
ロバみみより愛をこめて。