『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『怪談 牡丹燈籠』

2009年08月16日 | ・ロバみみの芝居小屋
木曜に、久々にコクーンに行ってきました。
怪談って苦手なんだけど、噺家さんがやる怪談話を
舞台化するなら、さほど怖くないかな…と思って。
いのうえひでのり氏の演出も興味あったんで

【ストーリー】
新三郎(瑛太くん)と恋仲になったお嬢様、お露(柴本さん)が
死んでなお、新三郎に恋い焦がれ、夜な夜な逢瀬に出かけてしまう。
お露が生きていると信じていた新三郎は、お露と関係を持ち続けるが、
死者とそんなことしてたら命がないよってことで、
心配した奉公人の伴蔵(段田さん)と、寺の住職に知恵を借り、
家の出入り口のすべてにお札を貼り、お露をシャットアウト。

そこで困ったお露は、伴蔵に札をはがしてもらうように頼みこむ。
欲にまけた伴蔵は、新三郎をお露に売り、大金を手にする。
その金を元に商いは大成功。
しかし、苦楽を共にした古女房(伊藤蘭さん)が邪魔になり
ついには殺してしまう…
しかし、伴蔵もお縄となり、身を滅ぼすこととなる。


こんな感じかな。
実は、西表島に行く飛行機の中、落語チャンネルでやってたんです。
「牡丹燈籠」。
「リゾート行きのこんな浮かれた機内で、落語なんて聞くの
 ロバみみくだけなんじゃん?」と思って、ヘッドフォンを
耳にしたんですが、残念ながら終りに差し掛かったところで…

男が死んだ女に呪い殺される話だと思ってたんですが
舞台は、奉公人の段田さんと伊藤蘭さんが主役だったんですね。
瑛太くんが、早々に死んじゃって、アレ?って感じだったんで

まあ、この話にでてくる人たちは、気持ちがいいほど
自分のことばっかりでしたね。
好きな男の幸せより、自分の想い最優先のストーカーお嬢や
金のために世話になった主人を見捨てる奉公人夫婦。

人の犠牲の上に成り立った幸せは、所詮、砂の上の城。
あっけなく崩れ去っていくもの。
欲を最優先すると、因果応報。
バチが当たるんでございますよ。
はい、おしまい。…みたいな感じでした

しかし、段田さんって、本当に見ない時はないってくらいよく出てる。
伊藤蘭さんとの夫婦喧嘩のシーンの
二人の掛け合いはお見事でした

そして、いのうえさんが演出だったので、「IZO」を
彷彿させるシーンが結構ありました。
ロバみみはちょっと切なく観てたけど…

カーテンコールで「IZO」の源平衛役の千葉さんが、
きりりと立っていて、思わずロバみみはこんなことを
心で呟いていました

「源平衛さーん!以蔵さんは生まれ変わって、
 今、平成の日ノ本でアイドルばやっちょります
 ぎょうさん人を殺めた償いでしょうか?
 数えきれんほどの、おなご達ば幸せにしちょります!
 満作の花より、キラキラしてて、
 まぶしくて、よう見れんほどです…

ほんとに…