『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『グッドナイト スリイプタイト』

2008年12月28日 | ・ロバみみの芝居小屋
今年最後の作品は去年と同様、三谷作品でした
実は25日のクリスマスに行ってきました
でも、いい席でした。舞台正面の

今までの三谷テイストを期待していくと、
「あれ?」って感じかも…。
中井貴一さんと戸田恵子さんの二人芝居なんですが、
ドタバタコメディというよりは、もっと深いオトナの話。

夫婦の離婚の日と、二人の幸せだった時代の
いくつかのエピソードに時間軸が移動しながら
物語は進んで行きます。

楽しかったこと。
もめたこと。
幸せたったとき。
すれ違う心。

セットのベッドルームのベッドの距離で、
過去と現在の二人の距離を表現していてウマイと思いました。

結婚している人としていない人では、感じ方も違うんだろうな。
20代、30代、40代…。
世代によっても、受け止め方が違うんだろうな。

ロバみみは未婚ですが、既婚の友達の色々な悩みとか聞いていたりするので、
きっと、この舞台の上で繰り広げられる芝居は
どの夫婦にも「わかるわかる」と思う場面があるんだろうな…と
思いながら観ていました

三谷さんが独身だったら、生まれなかった作品かも…?
別にあの二人が三谷さんと小林さんがモデルだとは思いませんが
でも、夫婦の機微みたいなものって
実際、結婚してないとわからないだろうなーって

ちょっと切ない舞台でしたが、今年をしめくくるいい作品でした
ミニオーケストラの音楽も素敵でした。
そして、戸田さんがおキレイでした~

戸田さんが朗々と歌い上げた
「コスモ保険~♪」は最高でしたし、
中井さんのダンス、
「さんどカサで、お控えなすって♪」もおもしろかったです
先日ドラマでガンを患っていたなんて思えない
軽快なステップでした

三谷作品は、チケットを入手するのがなかなか大変ですが、
また観に行きたいです~




・『君の鼓動が聞こえる場所』

2008年12月24日 | ・ロバみみの芝居小屋
メリーな人も、アンメリーな人も、今日はクリスマス・イブです
ロバみみはどちらかというと、アンメリー派

イブねぇ…。
別に普通の水曜日とかわらないけど、まっすぐ家に帰って、
ロバ母の同情と落胆と、そして皮肉の眼差しに耐えるよりは
どこかに行くか。ひとりで

そんなことを逡巡していてふと頭をよぎったのが
「キャラメルボックス」

「ボクたちは、いつもここにいます」

カーテンコールの西川さんのいつものこの一言が
ロバみみの心を決めました
バカップルで溢れかえる池袋目指してGO!
チケットぴあのお姉さんの
「こいつ、一人でイブに芝居かよ」という心の声に耳をふさぎつつ、
『君の鼓動の聞こえる場所』を観に行ってきました

【ストーリー】
地道な脚本家・典彦の元へ突然尋ねてくる14年前に別れた娘・いぶき。
彼女は自分の小説を出版するのに力を貸してくれという。

突然目の前に現れた娘に翻弄される典彦。
小説がいぶきの書いたものではないと皆が疑いはじめた頃、
別れた妻に連絡をする典彦。
彼女の口からは意外な言葉が。

「いぶきは目の前にいる」

いぶきは病院で生死の合い間を彷徨っていた。
では、典彦の前で「いぶきだ」と名乗るこの少女は誰なのか…?

死の淵にあるいぶきは、小説の作者石狩スズネの体を借りて、
父親である典彦に会いに来ていたのだった。
いぶきの想いは、疑っていた典彦の心に届く。
そして典彦は、ベッドに横たわるホンモノのいぶきの元へ駆けつけ、
二人は本当の再会を果たすのだった。

うーん、相変わらずハートウォーミング
裏切らないです。キャラメルは
そして、西川さんがメインキャストの舞台が久々に観れて嬉しかった

いぶき役の黒川智花ちゃんも、背伸びのない等身大の演技で
好感が持てました

イブは何かしないと、誰かといないといけない雰囲気の世の中。
キャラメルボックスに救ってもらいました
別に一人で家に帰ってもよかったんだけど、
いちばん怖いから。ロバ母のあの冷たい視線が…

そして、キャラメルボックスから客席全員にクリスマスプレゼントが

はい。
キャラメルボックスのキャラメル~



役者さん全員が一人一人に手渡しです。
なんて温かい

そういやぁ、「IZO」の時のおせんべ撒きは、
本当に死を招きそうな争奪の風景でしたが、
オトナだわね。キャラメルの客席は

「お願いがあります。
 お渡しした瞬間、あ~、あの人にもらいたかったのに…
 という顔は、どうかしないで下さい」

西川さんはおっしゃってましたが、
ロバみみは西川さんからもらいたかったです

なにはともあれ、メリー・クリスマス

・『舞台は夢 イリュージョンコミック』

2008年12月23日 | ・ロバみみの芝居小屋
今年最後の堤氏かな?
2008年もいい仕事しましたねぇ
昨日、雨の中、新国立劇場へ足を運んできました。
ここは、なんかちょっと他の劇場と空気が違うように思います。
カジュアルさがなく、ちょっとかしこまった感じ。
キライではないです

舞台は360度ステージでした。
シンプルで幻想的な舞台。

【ストーリー】
物語は、家出した息子(堤氏)の
その後の人生を父親に見せるという形で進みます。
家を出て、どんな人に仕え、どんな娘に恋をして
どんな恋のトラブルに巻き込まれるのか。
やがて成功し、そして訪れる悲劇…。

非業の死を遂げた息子を見て嘆き悲しむ父親。
しかし、それは全て舞台の上で見せた夢物語。
父親が見ていたのは現実ではなく、
役者となった息子が演じていた芝居だった…。

ま、一言でいうならば、大人のラブ・コメメですね
セリフが古典的なんで、男女のすったもんだが
「ジュピターがどうのこうの」みたいで回りくどくて
ちょい眠くなりましたが、実力派の俳優さんたちは、
ロバみみを眠らせはしませんでした
ちよこちょこと絶妙な演技と間で笑わせてくれました

やっぱり、段田さんって、芸達者ですね~
「サヴァ、バッテェラ~」には笑いました

あと、高田聖子さんは最高っす
あの独りよがりなセリフのオンパレードの一人芝居。
客席を飽きさせないパワー
笑わせて頂きました

秋山さんもプライドの高いお嬢様役、似合っていました。
でも、「タンゴ冬の終わりに」の時の秋山さんが今でもNO.1

坂田さんは貴族役より、
召使の牢獄の見張り番の方が好きでした

そして、堤氏
ロバみみ史上初の「いい男殿堂入り」だけあります。
若かりし頃に比べたら、お顔のシャープさが消えた感がありすが、
久々3列目の良席で見た堤氏は、アゴのラインもまだまだスッキリ
指も細くて長くて素敵

40過ぎの男性に、不適切かもしれませんが、
独房で手錠をかけられて嘆く堤氏にひたすら萌え
貴族の衣装もまたお似合いで萌え

ファン歴も言えないくらい長くなってきましたが、
堤さんのお芝居を観ることは、いまやロバみみのライフワーク
来年もついてゆきます


・『フライパンと拳銃』

2008年12月12日 | ・ロバみみの芝居小屋
チケットは申し込んでなかったのですが、
「え?これG2じゃん!」と、あとから気づき、昨日、急遽観劇
コン事務ではなく、G2サイドでチケットを手配したので、
「長野くんを見に行く」のではなく
「作品を観に行く」といった気持ちでグローブ座に向いました

後から取ったチケットでしたが、まずまずのお席で
センターよりだったので、お芝居を観るにはグッドでした
ネタバレで行きますので、お気をつけあそばせ!

【ストーリー】←あくまでロバみみフィルター
イタリアンレストランのオーナーシェフと、
暴力団幹部の2つの顔を持つノリアキ。
物語はノリアキの父親のニセ葬儀から始ります。
葬儀がニセなら、オヤジもニセ。
失踪したニセオヤジの人形葬儀を執り行い、
この際、奥さんのシズカについた嘘も葬ってしまおうという…。

婚前、シズカを好きになってしまったノリアキは、
自分の身上を偽ってカタギのシズカと結婚。
しかしながら、ヤクザの抗争に巻き込まれて亡くなった
シズカの弟は、自分の流れ弾に当たって死んだのでは…と
ノリアキは心を痛めていた。

さて、一方の妻・シズカ。
これまたクセ者。実はノリアキの抗争相手の山田組組長の娘。
カタギのフリをして、ノリアキ同様、ニセの母親を雇ってまで
ノリアキとの結婚生活を取り繕っていた。

そして、葬儀の日。
さすがに人形の葬儀はマズイっつーことで、
身代わりにと盗んできた死体をめぐり、
刑事や山田組組員が現れたり、おまけに失踪したニセ親父まで舞い戻り、
てんやわんや、冷や汗の嘘の綱渡り…。
やがて、ノリアキの嘘とシズカの嘘がドタバタの中で、
しだいに明るみになり、夫婦の関係を新たな気持ちで
見つめ直す二人…。

みたいな。

いや、すごく面白かったです
たくさんの伏線が、ラストにむかって一つに束ねられている感じは
ロバみみ、とても好きなんで

特に、身代わりの遺体が、コロコロと入れ替わって
皆が右往左往しながらストーリーが展開していくところが見事でした

でも、よくわからないトコもあったな。
ノリアキにしろ、シズカにしろ、
ニセの親を仕立てた必要性みたいのが感じられなかった
いくら本当の仕事がヤクザでも、父親が組長でも、
「死んだ」ということにして、「天涯孤独同士の結婚」で
別によかったんじゃん?みたいな…

でも、それを言っちゃあ、おしまいよって感じかな。
そもそも論ですから、物語が幕があかないですもんね

あと、シズカを迎えに来た山田組の組員とノリアキは初対面っぽかったけど、
その抗争の時、会ってないの?って思った
ノリアキが幹部なら、相手の組の若頭の顔くらい知ってるでしょ。
フツーは

まあまあまあ、それは置いといて。
テンポよく、笑いをふんだんにちりばめながら、
そしてじんわり温かい物語。
G2プロデュースらしい、素敵な作品でした

長野くんもよかったよ
いい意味でも、悪い意味でもアクのナイ人なので、
ジャニ芝居…という印象が薄かったのがよかったかも

でも、さすが、ロバみみの「娘の婿にしたい男NO.1」長野氏
(注:ロバみみは独身です。子供もいません。妄想の話っす
旦那様役、素敵でした。

そして、そして、クルンと身をひるがえして、
「お母さん!危ない!ゾンビです!」の、シーンは最高でした

あと個人的には、町金融社長の子分さんがイイ味だしてました

「もしもしー?ボクですかー?」
「何やってんだ!?」
「自分の胸に電話してんだよっ!」
が、かなりツボでした

基本的に、一枚の板の上にジャニタレが二人も立つのは反則技かなと思い、
敬遠してしまった舞台ですが、
思い直して足を運んでよかったです



・ギンギラ太陽's『BORN TO RUN さよなら初代0系新幹線』

2008年12月07日 | ・ロバみみの芝居小屋
ドタバタの毎日の隙を縫って、昨日、池袋まで観に行って来ました☆
ギンギラ太陽's
福岡の劇団の「地方公演」です(笑)
興味が湧いたら即実行!チケット入手して観劇です

かぶりものをした役者さんたちが、ハイパーなB級ギャグで
突っ走るギンギラ太陽's!
笑わせてもらいましたよ
ネタバレで行きます

先月でしたっけ、新幹線ひかりがラストランで引退しましたよね。
あれをモチーフに、年老いたじいさん新幹線達が、
最後にもう一度東京駅に行きたい!…と、
終電後の東海道を爆走するというストーリー

途中、SLと平走したり、邪魔されそうになったところを
大阪万博の遺産(?)・太陽の塔に助けられたりして、
常識をぶっとばしながら進んでいきます。
笑えます。
特に、東京駅で現れた助っ人「ひよこ侍」にはシビれました

でかいヒヨコ(あの茶色い有名菓子です)のかぶりものをした侍が現れて、
じいさん新幹線を助けるんですが、最高なのですよ。これが

「東京銘菓がなんの用だ!」
「東京名物と思われがちだが、実は九州の生まれ。
 最近じゃあ、『これ、東京みやげ』と渡されることも多くなったが
 あの福岡の空を忘れちゃあいないぜ!」(←雰囲気)

みたいな(笑)

「頭から食べるのもよし。 しっぽから食べるのもよし。
 だが、中身だけ食べて皮を残すのは我慢ならねぇ」(←雰囲気)

とか(笑)

ロバみみのツボを鋭くついてくる、最高のB級キャラだわっ
大好き、こういうのー

新幹線の引退ストーリーの合い間に、サービスなのか
福岡の「女ビルの物語」っていう小芝居もあって、
それがまた面白かった
大丸と玉屋の女ビルの生き様を、
ビルのかぶりものした女優さんがやるんだけど、いいのよ。これがまた

ただ、ロバみみは地元じゃないんで、すごい悔しかった
玉屋なんちゅーデパートは初めて聞いたもんで
あのストーリーのバックボーンがわかったら、
もっと笑えたのにー

でも、きっと福岡出身の方がたくさんいらっしゃったんだと思います。
会場は笑いの渦でした
いいなぁ~

思ったのは、単純におもしろおかしく作られたセリフでも、
書く前に調べないと出てこないセリフがたくさんあるなってこと。
そのデパートの歴史とか、繁盛していた時の時代背景とか、
事業戦略とか…。
そこはすごく深いなぁ~、と感心しました

パワーがあって、おもしろい劇団でした
洗練されて、隙のないエンターテイメントもいいですが、
こんな土の匂いのするような、温かくて元気な芝居もいいものです

チケット代も、いつもロバみみが観るような
有名演出家、俳優さんの作品にくらべたら半額くらいのもんですが、
お持ち帰りしてきた、ほっこりした気持ちは同金額に値しましたよ

「楽しませたい」という思いが伝わってくるもの、好きです
そこが原点だと思います
大きな舞台を仕切る方たちにも、
忘れて欲しくないなぁ~と思いながら、
池袋を後にしました