もうかれこれ一週間程たちますが、「祈りと怪物」の大千秋楽のお話。
いつもは行かないんですが、今回は特別。
コンサートがなかったからと、ずっと、友達が遊びにおいでと言ってくれていたから。
さて、大千秋楽の剛くん。
「昨日、夜更かししちゃいました?」
と思ってしまいました。目の下に小さなクマちゃんが二頭(汗)
もう、勝村さん、剛くんを昨日の夜ひっぱりまわしたりしたんじゃないでしょうね!?
と、一人、心の中でいいかがり的ないちゃもんを(笑)
それでも、無理して笑うシーンの剛くんは、
目を見開いたままひきつり笑いをする不二家のポコちゃんみたいで
「磨きがかかってる(笑)」と思いました。
ついでに言うと、広場で手品(?)を披露するシーンでのダンダブールのあのダンスは?(笑)
いやいや、橋本さん、イケてました!
コクーンでもやって欲しかったなー。
えー、大千秋楽も、町の独裁者ドン・ガラスとその娘たちを取り巻く人々の物語は、
最後まで横暴かつ理不尽で悲しく進んで行きました。
登場人物たちが、エイモス家とかかわることで、人生の歯車がきしみ始めて行く。
望んでいたこととは別の悲しい最後に向かって。
ロバみみはトビーアスの
「目の見えないカメレオンって色が変わらないんだ」
というセリフがとても好きです。
(差別用語が含まれますので、まんまじゃないですけど)
周りの色に同調することで身を守るカメレオンが、
目が見えなくなると、自分本来の色でその人生を全うする。
この「祈りと怪物」の物語になぞらえて考えてみると、
皆、それぞれの理由でエイモス家と関わりをもって、そして破滅していくわけで、
ある意味、エイモス家色に染められた人生を送ることになる。
でも、目の見えなくなったパブロだけは、
権力を笠に着て、虚勢を張って生きる自分を捨てて、
若者らしい潔さで、レティーシャと一緒に町を出ようとする。
そこには自分の本当の望みがあるだけ。
このカメレオンのセリフとパブロの顛末は、ケラさん的に意図した伏線なのかはわかりませんが、
単純に、カメレオンみたいに周りに合わせて自分を塗り替えて生きていないか、
そんな風に自分を振り返ってしまう奥深いセリフでした。
あと、ジャムジャムジャーラのセリフも感慨深いものがありました。
「幸せでなかったというと申し訳ないような気がして、
かと言って、幸せだったというと無理をしているような気がしてね」
なんか、わかる。
恵まれた毎日に感謝しているし、文句を言っちゃいけないとは思うんだけど、
満たされてるかと訊かれたら、自信を持って頷けない自分がいたりする。
働く場所があって、お給料がもらえて、雨風しのげる家があり、ご飯に困ることもない。
でも、自分の思い描く通りに生きられているかと訊かれたら、
即答はできない哀しい独身OLにはしみるセリフでした。
あと、トビーアスの家にペラーヨ先生が脅しに来るシーンも好きでした。
トビーアスが家に帰ると、暗転の中にタバコの火がポツンと灯る。
この演出がね、すごくいい。
もう、これだけで伝わってくる静かな緊張感。
そして、先生を撃ち殺した後、
毒づきながら缶詰をむさぼるおばあちゃんを見るトビーアスの表情がとてもいいんです!
疲弊していくトビーアスの心が手に取るようにわかる。
恩師をためらいなく殺した直後に、
食べること、すなわち生きることに執着するおばあちゃんの世話をする。
なんともいえなくトビーアスのやるせなさが伝わってくる。
本当は動物園で動物の世話をしながら、
静かに小さな幸せに笑っていられたはずのトビーアス。
どうしてこんな風になってしまったのか。
でも、もう後戻りはできない絶望感。
トビーアスだけでなく、この物語の登場人物たちは、
誰しもがそんな感情を抱きながら、ウィルヴィルの街で暮らしていました。
根底にあるものが暗いので、ロバみみはどちらかというと、
ブラックジョーク満載のケラさんバージョンの方が好きかなー。
好みの問題です。本当に(汗)
舞台劇の映像使用にはアンチな方なんで、蜷川さんのやり方の方が好きなんですが、
とにかく「おとぎ話感」が、ケラさんは抜群に素敵だった。
蜷川ver.では、エレミアさんが用をたすシーンとか、不必要に露出した男の人とか、
人間の下世話な現実感みたいなのを見せられてしまって、
ちょっと苦しかったりしたので。
蜷川さんの作品は「タイタス・アンドロニカス」みたいな、
残酷な話なのに幻想的で引き込まれちゃう、みたいなキレイな演出が好きです。
でも、どちらも蝶々のシーンはとっても素敵でした。
カーテンコールに話を移すと、勝村さんと古谷さんにつつかれて、
一歩前に出たトビーアスくんがご挨拶!
「渋谷から始まったこの舞台も、皆さんのおかげで無事、千秋楽を迎えることができました!
ありがとうございました!(ペコリ&スマイル)」
皆で手をつないでバンザイからのお辞儀とか、
蝶々が大量にヒラヒラ舞ったり、
大千秋楽っぽい雰囲気の中、笑顔の剛くんはみんなに手を振りながら舞台袖に消えて行きました。
そんなこんなで大千秋楽を無事に終え、大役を果たした剛くん。
お疲れ様! そしてありがとう。
今度はまた、どんな世界に連れて行ってもらえるか楽しみです!
いつもは行かないんですが、今回は特別。
コンサートがなかったからと、ずっと、友達が遊びにおいでと言ってくれていたから。
さて、大千秋楽の剛くん。
「昨日、夜更かししちゃいました?」
と思ってしまいました。目の下に小さなクマちゃんが二頭(汗)
もう、勝村さん、剛くんを昨日の夜ひっぱりまわしたりしたんじゃないでしょうね!?
と、一人、心の中でいいかがり的ないちゃもんを(笑)
それでも、無理して笑うシーンの剛くんは、
目を見開いたままひきつり笑いをする不二家のポコちゃんみたいで
「磨きがかかってる(笑)」と思いました。
ついでに言うと、広場で手品(?)を披露するシーンでのダンダブールのあのダンスは?(笑)
いやいや、橋本さん、イケてました!
コクーンでもやって欲しかったなー。
えー、大千秋楽も、町の独裁者ドン・ガラスとその娘たちを取り巻く人々の物語は、
最後まで横暴かつ理不尽で悲しく進んで行きました。
登場人物たちが、エイモス家とかかわることで、人生の歯車がきしみ始めて行く。
望んでいたこととは別の悲しい最後に向かって。
ロバみみはトビーアスの
「目の見えないカメレオンって色が変わらないんだ」
というセリフがとても好きです。
(差別用語が含まれますので、まんまじゃないですけど)
周りの色に同調することで身を守るカメレオンが、
目が見えなくなると、自分本来の色でその人生を全うする。
この「祈りと怪物」の物語になぞらえて考えてみると、
皆、それぞれの理由でエイモス家と関わりをもって、そして破滅していくわけで、
ある意味、エイモス家色に染められた人生を送ることになる。
でも、目の見えなくなったパブロだけは、
権力を笠に着て、虚勢を張って生きる自分を捨てて、
若者らしい潔さで、レティーシャと一緒に町を出ようとする。
そこには自分の本当の望みがあるだけ。
このカメレオンのセリフとパブロの顛末は、ケラさん的に意図した伏線なのかはわかりませんが、
単純に、カメレオンみたいに周りに合わせて自分を塗り替えて生きていないか、
そんな風に自分を振り返ってしまう奥深いセリフでした。
あと、ジャムジャムジャーラのセリフも感慨深いものがありました。
「幸せでなかったというと申し訳ないような気がして、
かと言って、幸せだったというと無理をしているような気がしてね」
なんか、わかる。
恵まれた毎日に感謝しているし、文句を言っちゃいけないとは思うんだけど、
満たされてるかと訊かれたら、自信を持って頷けない自分がいたりする。
働く場所があって、お給料がもらえて、雨風しのげる家があり、ご飯に困ることもない。
でも、自分の思い描く通りに生きられているかと訊かれたら、
即答はできない哀しい独身OLにはしみるセリフでした。
あと、トビーアスの家にペラーヨ先生が脅しに来るシーンも好きでした。
トビーアスが家に帰ると、暗転の中にタバコの火がポツンと灯る。
この演出がね、すごくいい。
もう、これだけで伝わってくる静かな緊張感。
そして、先生を撃ち殺した後、
毒づきながら缶詰をむさぼるおばあちゃんを見るトビーアスの表情がとてもいいんです!
疲弊していくトビーアスの心が手に取るようにわかる。
恩師をためらいなく殺した直後に、
食べること、すなわち生きることに執着するおばあちゃんの世話をする。
なんともいえなくトビーアスのやるせなさが伝わってくる。
本当は動物園で動物の世話をしながら、
静かに小さな幸せに笑っていられたはずのトビーアス。
どうしてこんな風になってしまったのか。
でも、もう後戻りはできない絶望感。
トビーアスだけでなく、この物語の登場人物たちは、
誰しもがそんな感情を抱きながら、ウィルヴィルの街で暮らしていました。
根底にあるものが暗いので、ロバみみはどちらかというと、
ブラックジョーク満載のケラさんバージョンの方が好きかなー。
好みの問題です。本当に(汗)
舞台劇の映像使用にはアンチな方なんで、蜷川さんのやり方の方が好きなんですが、
とにかく「おとぎ話感」が、ケラさんは抜群に素敵だった。
蜷川ver.では、エレミアさんが用をたすシーンとか、不必要に露出した男の人とか、
人間の下世話な現実感みたいなのを見せられてしまって、
ちょっと苦しかったりしたので。
蜷川さんの作品は「タイタス・アンドロニカス」みたいな、
残酷な話なのに幻想的で引き込まれちゃう、みたいなキレイな演出が好きです。
でも、どちらも蝶々のシーンはとっても素敵でした。
カーテンコールに話を移すと、勝村さんと古谷さんにつつかれて、
一歩前に出たトビーアスくんがご挨拶!
「渋谷から始まったこの舞台も、皆さんのおかげで無事、千秋楽を迎えることができました!
ありがとうございました!(ペコリ&スマイル)」
皆で手をつないでバンザイからのお辞儀とか、
蝶々が大量にヒラヒラ舞ったり、
大千秋楽っぽい雰囲気の中、笑顔の剛くんはみんなに手を振りながら舞台袖に消えて行きました。
そんなこんなで大千秋楽を無事に終え、大役を果たした剛くん。
お疲れ様! そしてありがとう。
今度はまた、どんな世界に連れて行ってもらえるか楽しみです!