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『ロバみみ』

言いたい!でも言えない…。ならば、穴を掘ってでも叫びたい! そんな想いから綴り始めた独り言のようなブログです。 

・『怪談 牡丹燈籠』

2009年08月16日 | ・ロバみみの芝居小屋
木曜に、久々にコクーンに行ってきました。
怪談って苦手なんだけど、噺家さんがやる怪談話を
舞台化するなら、さほど怖くないかな…と思って。
いのうえひでのり氏の演出も興味あったんで

【ストーリー】
新三郎(瑛太くん)と恋仲になったお嬢様、お露(柴本さん)が
死んでなお、新三郎に恋い焦がれ、夜な夜な逢瀬に出かけてしまう。
お露が生きていると信じていた新三郎は、お露と関係を持ち続けるが、
死者とそんなことしてたら命がないよってことで、
心配した奉公人の伴蔵(段田さん)と、寺の住職に知恵を借り、
家の出入り口のすべてにお札を貼り、お露をシャットアウト。

そこで困ったお露は、伴蔵に札をはがしてもらうように頼みこむ。
欲にまけた伴蔵は、新三郎をお露に売り、大金を手にする。
その金を元に商いは大成功。
しかし、苦楽を共にした古女房(伊藤蘭さん)が邪魔になり
ついには殺してしまう…
しかし、伴蔵もお縄となり、身を滅ぼすこととなる。


こんな感じかな。
実は、西表島に行く飛行機の中、落語チャンネルでやってたんです。
「牡丹燈籠」。
「リゾート行きのこんな浮かれた機内で、落語なんて聞くの
 ロバみみくだけなんじゃん?」と思って、ヘッドフォンを
耳にしたんですが、残念ながら終りに差し掛かったところで…

男が死んだ女に呪い殺される話だと思ってたんですが
舞台は、奉公人の段田さんと伊藤蘭さんが主役だったんですね。
瑛太くんが、早々に死んじゃって、アレ?って感じだったんで

まあ、この話にでてくる人たちは、気持ちがいいほど
自分のことばっかりでしたね。
好きな男の幸せより、自分の想い最優先のストーカーお嬢や
金のために世話になった主人を見捨てる奉公人夫婦。

人の犠牲の上に成り立った幸せは、所詮、砂の上の城。
あっけなく崩れ去っていくもの。
欲を最優先すると、因果応報。
バチが当たるんでございますよ。
はい、おしまい。…みたいな感じでした

しかし、段田さんって、本当に見ない時はないってくらいよく出てる。
伊藤蘭さんとの夫婦喧嘩のシーンの
二人の掛け合いはお見事でした

そして、いのうえさんが演出だったので、「IZO」を
彷彿させるシーンが結構ありました。
ロバみみはちょっと切なく観てたけど…

カーテンコールで「IZO」の源平衛役の千葉さんが、
きりりと立っていて、思わずロバみみはこんなことを
心で呟いていました

「源平衛さーん!以蔵さんは生まれ変わって、
 今、平成の日ノ本でアイドルばやっちょります
 ぎょうさん人を殺めた償いでしょうか?
 数えきれんほどの、おなご達ば幸せにしちょります!
 満作の花より、キラキラしてて、
 まぶしくて、よう見れんほどです…

ほんとに… 

・『桜姫』

2009年06月21日 | ・ロバみみの芝居小屋
二日連続で渋谷にいたロバみみ。
今日は『桜姫』を観て来ました
鶴屋南北の狂言を長塚圭史氏が現代版にアレンジしたという作品。
出演者も大竹しのぶさん、古田新太さんはじめ豪華
笹野高史さんは「天地人」撮影終ったのかな?

鶴屋南北の原作を無知なロバみみは読んだこともなく、
予備知識ゼロで行ったので、
最初は「?」が頭の中を回っていました。

心中したっぽいけど、生きてるっぽくて、
生まれ変わりっぽいけど、自覚があるんかないんか…?

【ストーリー】←雰囲気。自信なし
心中自殺を図ったのに、自分だけ死ねなかったセルゲイ(白井晃さん)は
罪の意識にさいなまれながら、奉仕活動にいそしむ毎日。
そこで、マリア(大竹さん)という16歳の少女に出会う。
彼女が16年前に心中を図った恋人の生まれ変わりだと
セルゲイは気づき、もう一度マリアと共に死んで
今度こそ二人で添い遂げようと執着する。
が、しかし、マリアが今世で愛し、夫とするのは
悪人ゴンザレス(勘三郎さん)だった。

高貴なお嬢であるマリアは、娼婦に身をやつしていく。
そんな彼女に死を迫るセルゲイ。
そして、
「私の罪よりも数多く人を殺めたお前の罪が許されるなんて
 納得できん!お前も一緒に死んで償え」
と、数々の罪を犯したゴンザレスにも死を求める。

死の淵に立つセルゲイ、マリア、ゴンザレス。
それでも、心から聞こえてくるのは
「生きたい、死にたくない」という悲痛な叫びだった。

あ、あってる…?

でも、おもしろかったです。
時々、煙に巻かれたような感じになって、
迷子になりそうでしたが、なんとかラストまでたどり着けました

今回思ったのは、白井さんがよかったです
よく通るお上品な声で、なんか品格があった
演出家より役者の白井さんの方がいいなーと思いました

もちろん、古田さんもぬかりない仕事っぷりですわ
あの肉じゅばんは反則でしょ?
そうそう、大竹さんが「16歳」と言った時の
古田さんのリアクションには笑った

秋山さんも、ソツなく美しく、でも、なんで3枚目もすんなり
できちゃうんだろう?
人間マングース、笑いましたよ

笹野さんも芸達者だしね。
ルカ役の役者さん、名前わからなかったんですが、
いい声してるし、ルカのセリフってこの芝居では結構
肝だったかもなーと思うロバみみなのですよ

この世には、もう一人の自分がいて
自分が幸せを拾ったら、そのもう一人は不幸になろうとしている。

みたいなね。
ラストシーンも、そこに向ってる感じだったし、
そして、外国の役名だったんですが、
最後にチラッと原作の日本名でセルゲイとゴンザレスが呼び合うところが
7月のコクーン歌舞伎にバトンタッチしてるみたいイカしてました

心中、輪廻、転落の人生、そして良心の呵責。
いろんな要素が織り込まれていてオトナの作品でした。
ちょっと歌舞伎の方にも興味が湧いたロバみみでした



・『R2C2~サイボーグなのでバンド辞めます!』

2009年05月29日 | ・ロバみみの芝居小屋
クドカンの舞台、行って来ましたよ~
席もよかったし、楽しかったっす

とにかく「やりたいものをやりたいようにやった」といった感じ

そのストーリーはというと…。

時は未来。パルコ劇場もロックも消えてしまった未来。
家庭をかえりみなかった人気ロックバンドの
ボーカル・パルコム(サダヲちゃん)を憎む息子のクワトロ(未來くん)。
クワトロは戦地慰問で歌を歌うサイボーグ・R2C2を作成するが、
R2C2(松田龍平くん)は脱走。
びっくりドンキーのやる気のないバイトのマツダくんとなっていた。

そこで、30年の眠りから覚めたパルコムや、
昔のバンド仲間の子孫のアジアン(クドカン)達と出会い、
ロックのない世界でバンド再結成へと動き出す。

しかし、自分を不幸にしたロックと父親を許せないクワトロは、
殺意をかき立てる旋律をR2C2にインストールしてしまう。
渋谷の町で、大量虐殺が始る中、
「ただの父親が欲しかった。結局アンタに褒められたかったんだ」と
息絶えていくクワトロ。

さあ、今こそ立ち上がれ!
ロックで、あの悪魔の旋律をかき消すのだー!

みたいな?
ってか、盛りだくさんで書ききれないよ(笑)

とにかく、サダヲちゃんが最初からハイテンションで
「まだ客席あったまってないっす」って中でも
かなりのテンションで、大丈夫か!?…と思っていましたが、
もうすぐにロバみみ、もらい事故状態で笑いに巻き込まれました

もう、微妙なところがおかしくてたまらないのです。クドカンは。

サダヲちゃん「イエス!」
松田くん「た・か・すぅっ、クーリニック♪」
(R2C2の胸の液晶に「信頼の美容整形」と文字が流れる)

こんなんでも、妙に笑っちゃうの…

とにかく、役者さんの顔ぶれを見ても、反則技ですよって感じで。
それにねー、今回はクドカンのダンスも必見ですよ。
ロバみみにはアンガールズかジョイマンにしか見えませんでしたが、
手足のプランブランしたダンスに釘付けでした
ものすごい大きな拍手をおくって差し上げましたよ。
クドカン、ブラボー

平岩紙ちゃんの、「東京ロンリー・サイボーグ」も可愛かった
結構、紙ちゃん、アキバ系いけるかも?

そして今回はやっぱり松田くんでしょう!!!
なんつーか、すごい魅力的でした(サイボーグだけど)
クドカンのセリフもいいんだろうけどね~
紙ちゃんに恋をしたマツダくんが、目から透明な水が流れてくると言ったあと、
「それは涙さー。恋ねー」とミミガーに教えられて、
「ちくしょう、涙がとまらないぜ」と、股間をゴシゴシぬぐう姿に爆笑
「そこが目かよっ」って全ツッコミも笑えた

ああ、もっと書きたいけど、我慢しよっと

松田くんは「誰も守ってくれない」のテレビドラマの
アナザーストーリーで観た時、
すっごくいい俳優さんだなーって思ったんですが、
あの時とはまるで違うキャラでした

淡白な雰囲気なのに、ときおり見せる得意げで無邪気な笑顔が
少年のように愛くるしい「サイボーグ・マツダくん」でした
あんなコミカルなことできる役者さんなんですねぇ。

弟の翔太くんの方が、やや女性のウケはよさそうですが、
なんだろうな。
翔太くんが横に広いタイプなら、龍平くんは縦に深いタイプって感じ
ハマる人にはハマるってのかしらね
これからもっと、こういうチャーミングな顔を見せていけば
いいのになと思いました

とにかく!
クドカン・ワールドが好きなロバみみにはたまらん作品でした。
ロバみみもアジアンの路上ライブに参加したいわ~

そうそう、ぶっさんからクドカンと猫やんにお花届いてました~
あ、あとアニの花もあったな。
やっぱ、クドカン・ファミリー


・『毛皮のマリー』

2009年05月03日 | ・ロバみみの芝居小屋
成り行きで観劇の運びとなりました。
まあ、なんともいえず、エキセントリック

内容は、性同一障害とか同性愛への
世間の偏見に対するメッセージ的なもので…。

しかし、一幕では冒頭に美輪さんが出たのみ。
そのあと、ロバみみの度肝を抜いたのは
ふんどしいっちょの裸体の男性が舞台狭しと
なまめかしく踊りまくった場面

ラインダンスがおっぱじまった時には
たまらず吹き出してしまいました

年配の美輪信者の方々は、大丈夫だったんでしょうか…?

あの独特のワールドに戸惑いをかくせず、
もう行くこともないかなーと思っていましたが、
またもや美輪ワールドに足を踏み入れてしまいました

最後はなんともいえず神々しく
ここは冥土かと見まがうようでごさいました

・『ムサシ』埼玉楽

2009年04月19日 | ・ロバみみの芝居小屋
長丁場の埼玉公演ももう最後
5度目の「ムサシ」
3月にもう一回くらい観ておいてもよかったかな…と思いつつ、
今日で最後とあいなりました。
でも、無事に初日も楽も入れてホッとしております

今日は始めてのセンターブロック。
後方席だったけど、でも入れるだけエンタメの神様に感謝です
でも、全体が見渡せてお芝居を観るにはいい席でした。

「ムサシ」は、例えるなら「おにぎりみたいな作品」でした。

日本人の心の食材、白いお米のよさを一番引き出す
分かりやすい料理なんですが、
食べていくとそのたび具が少しずつ違う。
外見は白いお米と海苔で同じに見えるけど、
中身は梅干だったり、シャケだったり、昆布だったり…。
そんな、観るたびに違う味のする、おにぎりのようないい舞台でした
(ん?ちゃんと褒めてるの伝わってる?

初日では、冒頭の武蔵と小次郎の決闘で
まぶしそうに太陽に手をかざす旬くんの芝居もあまり気にとめなかったけど、
実は、逆光効果を狙った武蔵の策略で、
のちのちまで小次郎が武蔵を卑怯者よと文句たれてる
原因のひとつなんですよね

何回か観ると、そういう細かいところまで気づけて
楽しみが増えていきます

昨日の昼公演では、
「それがしの方が、はるかに残念ですぅ~
と泣く芝居を、旬くんは力強くキレたまま言ってしまってましたが、
今日はちゃんとメソメソしてくれて、かわいかったです

5人6脚も、最後なので大暴れでしたね
鋼太郎さんが押しつぶされてうめいていて、
笑っちゃったのか旬くんは顔をあげないし、本当におかしかった
息切れしちゃって、大変そうでしたが、
客席は大爆笑の拍手喝采
かなりの見せ場です

旬くん以外の役者さんもすごく素敵です。
「笑顔」だけで客席を笑わせる竜也くんって、スゴイです
すり足もスゴクきまってるんです
上半身がブレないから、かっこいいの!

で、今回のダークホースは大石さんだろうとロバみみは思います
お茶目で、お調子者の平心坊は、客席の心を掴みまくっていました
あの独特のお声もいいし、
「どわーっはっはっはっ!それがお手当てがよくて」のくだりは
本当に会場中が大爆笑でしたね
蜷川作品には頻繁に出演されているので、よくお見かけしますが、
今回が一番のハマリ役、アタリ役ではないでしょうか?

そして、やっぱり井上ひさし先生リスペクトですよ
乙女の父親が江ノ島の沖で船をひっくり返されて亡くなったのと
「カチカチ山」の泥舟で沈んだタヌキの話はリンクしてるし、
細かい芸がきいてる

「命を粗末にしてはいけないよ」
「どんなにつらくて悲しい日も、生きていればこそのもの。
 なくして初めてその素晴らしさに気づくはずだよ」

そんなメッセージが、最後に客席にプレゼントされます。

本日は埼玉楽ということで、蜷川さんと共に井上先生も
カーテンコールでステージに登場されました
紙ふぶきが舞ってキラキラして、銀のテープまでが降って来て
にぎやかなカーテンコールになりました

本当にお疲れ様でした。
楽しい時間をどうもありがとう
大阪公演も頑張って!

でも、小栗マンスリーも今日でおしまいか…。
淋しいなぁぁぁ

・4/18『ムサシ』マチネ&ソワレ

2009年04月18日 | ・ロバみみの芝居小屋
今日は一日のうちの約6時間、さいたま芸術劇場に缶詰でした
昼も夜も「ムサシ」です
旬くんの舞台は、
「やばい、チケット取れない~」と泣きながらも
今のところ何とかなっている強運なロバみみ

「ムサシ」も、この埼玉楽の前公演の昼夜公演手が手に入って、
どちらか手放そうかと思ったんですが、
チケットを手にしてみたら、5列目と2列目
もう、行くしかないでしょ?
っつーことで、舞台人生初のマチネ・ソワレ、連続観劇!

でも、本当にすごく楽しい作品なんで、
何度観ても笑ってしまう

犬猿の仲のムサシと小次郎の小競り合いを防ぐために
二人を挟んで5人がやる「5人6脚」は、本当に最高
寝惚けた鋼太郎さん達に、つながれたままの旬くんと竜也くんが
引きずりまわされたり、のしかかられたり、扇子でたたかれたり…

初日よりどんどんエスカレートしていて、
1部では旬くんまでもが舞台からズリ落ちそうになっちゃうし、
2部ではメタメタになってきた竜也くんを
旬くんが扇子で叩くなんてこともあって、
いやー、何回観ても相当面白いです

1部はちょうど、舞さんが身の上話をしている最中、
ロバみみの正面で旬くんが扇子をつかって剣の素振りをしてるんですが、
あの刀に見立てた扇子で、もうハートをザクザク斬られまくり

2部も2列目だったんで、本当に久しぶりに胸の高鳴りを
押さえ切れませんでした
本気でドキドキした

あのアーモンド型の目が、照明に反射してキラキラしてて
すごく幸せな気持ちになりました
すり足タンゴの時も、鋼太郎さんに笑わされて
素の旬くんスマイルが炸裂してて、
ロバみみはメロメロでした

本当に旬くん、コメディ、上手になったなぁ~
井上ひさしさんの脚本が素晴らしいっていうのもあるし、
蜷川さんの演出も手伝ってるっていうのもあるんだけど、
今までの舞台で、一番お客さんに愛されるキャラになってる気がする

王子様っぽくないのが、今回はすごくいいです
人間味溢れる役柄で、憎めない男なんですよ。これが

いい作品にめぐり遭えて、旬くんは幸せ者だ
そしてその旬くんを観れるロバみみは、さらに幸せ者だ

そういえば、「りの君」で一緒だった山本くんを見かけた気が…。
よくわからなくて、
「あれ、山本くんかなぁ~?ドラマの撮影今日はないのか?」
と思いながら、トイレに並びつつ見てたら、隠れられてしまった…
ガーンごめんよ。山本くん(多分)。

さて、埼玉公演も残り1回!
なんか、あっという間でしたね。
淋しいですね~

・いのうえ歌舞伎『蜻蛉峠』

2009年04月11日 | ・ロバみみの芝居小屋
いやはや、今日はいい男鑑賞デーですな
「クローズZERO2」の舞台挨拶を終え、赤坂ACTシアターへ。
堤真一氏出演、「蜻蛉峠」の楽前公演に行ってきました

もう、先に書いちゃう
さすが、新感線の人気公演。著名人がたくさん

まず、席を立って駆け寄りたい衝動にかられたのは、
「IZO」の脚本を手がけられた青木豪氏!
あの、以蔵が語った素晴らしいセリフの数々に、
ロバみみがどれだれ心打たれたか、直接伝えたかった…!
ご本人だと思うんですが、一般人だったら赤ッ恥…。やめました

それから、ロバみみのちょい後ろにSMAPのつよポンと吾郎ちゃん。
二人とも帽子を目深にかぶってたけど、つよポン…
そのアゴのラインで一発であなただとわかりました

あとは、観月ありさちゃん
顔がちっちゃすぎて、ばっちりは見えなかったけど多分そう。
あと梅沢富男氏もいたかな?
他にもカーテンコールで出演者さん達が指さしてたから、
誰かいたんだと思うんだけど、確認できなかった~

ま、ミーハーレポはそれくらいして、舞台の感想を…。

いや、おもしろかったんですが、もう一回観て租借したい気分です
腑に落ちないというか、消化不良な所がいくつか…。
ストーリーは、昔、リチャード・ギアとジョディ・フォスターがやった
「ジャック・サマースビー」という映画に似てる気がする。
あれを時代を変えてアレンジして日本版にした感じ。

【ストーリー】
記憶をなくした男・闇太郎と名乗る男(古田新太さん)が
ろまん街という街にたどり着く。
ろまん街は天晴(堤さん)と立派(橋本さん)の2派に分かれ、
争いの耐えない荒れ果てた歓楽街。
そこには幼馴染みで婚約者だったお泪(高岡さん)がいた。
記憶のない闇太郎は、やがてお泪と所帯を持つが、
ある日、ホンモノの闇太郎だと名乗る男が現れる。
二人の闇太郎。どちらが本物なのか…。
その答えは天晴が知っていた。
古田・闇太郎は、ろまん街に起きた大量惨殺事件の犯人であり、
お泪の両親も殺した男だった。
その事実を前に、苦悩するお泪だったが、悲しい結末を迎えてなお、
芽生えてしまった愛は後戻りすることはできなかった。

で、あってる…?って感じ

何はともあれ、堤さんはカッコいいですっ
あの立ち回り、美しすぎます。
ガッツリ足を開いた太刀の構えも、うっとりですよ
ラストの立ち回りは、ハッキリいって、堤さんしか観てなかったから
古田さんが何してたか、ようわかりません…
堤さんに見とれて、心で力いっぱい叫んでいました。
「かっこいい…」って…!

着流し姿が大人の色気マックスの堤さんでしたが、
今回は軍鶏の着ぐるみ姿が、超レアでした
15年以上ファンやってますが、あんな姿は初めてですよ
低いところからバタバタと羽ばたいて落ちる姿が超お茶目
関西弁のぼやく軍鶏、最高
もっと観ていたかった

橋本じゅんさん率いるオヤジ・パヒューム(?)も最高
「ヤクザ・イン・ヘブン」。超笑いました

勝地涼くんも、「カリギュラ」とはうってかわって、
3枚目でかわいかったですが、最近のゴシップを思い出してしまって
気がちっちゃって残念
でも、木村了くんとのコンビ、なかなかやります

派手さとギャグにごまかされそうになる作品ですが、
あとひとつって感じも否めないかなぁ~
勝地涼くんが木村了くんを撃ち殺すのも、
ちょっと「なんで?」って感じだったし、
闇太郎とお泪の心のつながりにも、微妙に同調できなかった…
ロバみみの理解力が足りなかったのかもしれないけど、
天晴は悪玉だったのかなぁ…。
なんで、正体を知ってて、自分の親の仇と知ってて、
最後まで生かしておいたんだろう…

映画の「ジャック・サマースビー」は、設定もちょっと違いますが、
とにかく泣けて、泣けて、泣けて、
すごくいい映画だった記憶があります。
どう、切なさポイントが違うのか、比べてみたくなりました

あー、でも、すごく楽しい一日でした

・4/9『ムサシ』

2009年04月09日 | ・ロバみみの芝居小屋
初日以来、約一ヶ月ぶりの「ムサシ」
チャイムと共に会社を飛び出して、途中までは完璧だったのに、
くそー、なんだよ!
乗り間違えたぁぁぁ
むなしく通り過ぎる与野本町…
開演15分前には駅について、ギリ間に合う計算だったのにあえなく遅刻。
快速止めろよ、与野本町!
あー、もう…
お姉さんに案内されるの、もしかして初めてかも…
しかも旬くんの舞台でやらかすとはね

ま、さておき、本公演も笑いました
出演者の皆さんの息もピッタリあっていて、
笑わせ方のコツもつかんできたようで、
2回目ですが、おおいに楽しませて頂きました

やっぱり、あの二人三脚は最高
あのシーンは観るたび違うんだろうな~
今日は、大石さんが舞台からずり落ちそうになっていたし、
センスを落とした竜也くんは、お客さんに拾ってもらってたし、
暴れすぎて落ちたヒモも、お客さんが舞台に投げて
鋼太郎さんが薄目(?)キャッチして、拍手あびてたもの
本当に楽しいシーンです

旬くんの泣きべそシーンもかわいかったです
やっぱり、舞台の旬くんはいいなぁ~
「好き」の気持ちを取り戻せた感じ

この日、ロバみみは通路側に座っていたので、
久々に旬くんとすれ違うこともできたし、よかったよかった

でも、今度のドラマでまた評価さがるかもしれないけどね
またマツジュンとのコンビで数字取ろうとかいう
いやらしさが見え見えだぜ、TBS!まったく

関係ないついでに言うけど、世界を釣る男・松方弘樹氏が客席に…。
今日はカジキ追わんでいいのか?
と、小さく心でつぶやいたロバみみでした

とにかく、この「ムサシ」に関してはほぼ満足のロバみみ
今月は小栗マンスリーですから
まだまだ行きます!
楽しませてもらいますよ~

・『カゴツルベ』

2009年03月29日 | ・ロバみみの芝居小屋
昨日、行ってきました関ジャニの安田くん主演、「カゴツルベ」。
純粋にストーリーに惹かれて

【ストーリー】
生まれつき顔にアザを持つ醜い男・次郎左衛門(安田くん)は
吉原で出会ったNO.1花魁・八ツ橋に恋をしてしまう。
醜さ故に、女性に愛されたことのない次郎左衛門は
八ツ橋に全財産をつぎ込む。
が、偽りの愛に翻弄された次郎左衛門は
やがて妖刀「カゴツルベ」にあやつられるかのごとく
自分を落としいれた吉原の人間にその矛先を向け、自らも破滅していく。


イケメンと、ちょっとおっちょこちょいで困難に立ち向かう女の子との
ラブストーリーにも飽きてきたこの頃。
醜い男のラブストーリーの、その切ない心の動きみたいのが
観たくなったので、チケットを探しました

関ジャニの掲示板に潜入したのでちょっと緊張~
でも、Vファンのロバみみに、とても素敵な∞erさんが
チケットを譲って(しかもお値引きありで)下さいました

ちょっと心配してたけど、ロバみみの周りに関して言えば、
皆さん観劇マナーもちゃんとしてらして感心しました

舞台はですね。
さすが花魁ものなので、あでやかでした。
安田君もめいいっぱい頑張ってるといった感じ。
ただ、若旦那役とはいえ、若すぎな感じはあったかな~

もっと30歳すぎくらいの風格のキャラでもよかったかも。
生まれてこの方女に避けられ、バケモノ扱いを受けてきた
醜い男なので、この年までそんな境遇だったんだという
設定の方が、ロバみみの同情指数も上がったかな。
安田くん、かわいすぎでした

そして、ストーリーを楽しみにしていただけに、ちょっと惜しい気が
妖刀「カゴツルベ」の化身が出てくるなら、
もっと、「この刀を手にしたものは不幸になる」みたいな
呪いの刀みたいな魔力が欲しかったな。

どちらかと言うと、偽りの愛とと知りつつ、
本当だと信じたかった次郎左衛門の意思で皆を
殺してしまったように感じたのですが、
愛する八ツ橋を殺したくないのに、自分の意に反して
刀に操られて殺めてしまう…みたいな方が泣けた気がする

途中までは次郎左衛門が不憫で切なかったのに、
中盤からは好きな男と添い遂げられない
八ツ橋の悲哀の方に気持ちが行ってしまったのもアレ?って感じ

立ち回りも、刀先行で、まるで刀が生きていて、
それにひっぱられるような動きの方が
「カゴツルベ」の化身の演出が生きた気がするし、
身を滅ぼして行く次郎左衛門の悲しさが引き立った気がします。

なんだか、「お前は作家か!演出家か!」
みたいな感想になってしまいましたが、
やっぱり、醜い男のピュアハートが切ないわけですから、
逆恨み的に人斬りになるよりは
そうしたくないのに、
「お前の心の底に渦巻く黒い感情を俺が代弁しているんだ」
と、言わんばかりの「カゴツルベ」の呪いに
さからい切れない男という方が、ロバみみは好きだな~と思いました

でも、幕が下りる瞬間、しゃがみこんで極上スマイルで
ピースピースしてた安田くんはキュートでしたね
シャイな剛ちゃんはペンギンみたいに
テテテテと歩いて消えていく感じでしたが

初日に剛くんが足を運んだみたいですが、
剛くんの感想も聞いてみたいな~と思いつつ、楽しんだロバみみでした


・『春琴』

2009年03月17日 | ・ロバみみの芝居小屋
「娯楽」ではなく、「芸術」でした。
素晴らしいの一言!
日本人でよかったと、思える作品でした。

深窓の令嬢、春琴。
琴の才を持つこの盲目の少女に使える奉公人・佐助。
わがままで嗜虐な春琴と、献身的に身を捧げる佐助との愛の物語。

今風に、俗っぽくいうと、
目の見えないわがままお嬢様はSMの性癖があって、
まさにMな佐助が、彼女につくしまくるラブ・ストーリー。

こんな風に書くと、一気に品がなくなりますが、
怖いくらい濃密な空気の中で、春琴の一生が描かれていました。

この春琴は、中盤までずっと人形なんです。
深津絵里さんが声をやってるんですが、
ほんとうにすごい。人より逆にリアルでした。

窒息しそうな、みっしりとした空間に、
放たれた矢のような深津さんの声が突き刺し、
人形に命を吹き込んでいました。
そこに響く三味線の音。
時に激しく、時に物悲しく物語を彩ります。

語り部の声も、活字に陰鬱で妖しい色をつけたように響いて、
ずるずると昔の日本情緒の中へと引っ張られて行くようでした。
(ただ、現実とリンクさせる演出はないほうがよかったな。
 ずっと、春琴の世界に浸っていたかったのに、
 ちょっと興ざめしてしまう。おしい…)

「猟奇的な彼女」の猟奇なんてかわいいものです。
春琴に比べれば。
「メイちゃんの執事」の理人様より、異常な献身さです。
佐助は、春琴のお手洗いのすべてを手伝うんですから。
最後は、目を針で突いて自分も盲目になります。

うまく言葉では表現できませんが、
重みのある作品でした。
今まで観た舞台で一番かもしれない。
観ていてゾクゾクするほど、美しく、激しく、官能的。
日本文学って、日本語って素晴らしいなーと思いました。

たくさんの人に観て欲しかったし、感じて欲しかった。
漫画も、テレビゲームもいいけど、
こういう作品にも是非触れてほしい。
日本人であることが嬉しくなるよ。
美しい日本の言葉を使いたくなりますよ。

演出家は外国の方。
日本の良さを外国人の方がよくわかってるなんて
ちょっと悔しくもありました。

決して時代遅れでも、古臭くもない
日本文学の息使いを肌で感じた、素晴らしい作品でした。



・『ENDLESS SHOCK』

2009年03月09日 | ・ロバみみの芝居小屋
チケットを譲って頂けたので、かねてから観てみたかった
「SHOCK」に行ってきました~
ネタバレご注意です

ちょっと想像してたのと違ったかな。
プリンセス天巧&スターかくし芸大会みたいなのを
想像してたんですが、ちゃんとストーリーがあるのね
それから、ショックはエンドレスではなかったです

物販で、麗しい光一生写真に混ざって、
なんの癒着か森光子写真集が販売されていたことが、
ロバみみにとってはある意味ショック…

とにかくですね、光一くんのパフォーマンスはよかったです。
もう、なんなんだろうね。
キラキラの衣装、いったい何パターンあったんだろうか?
もう、王子だった美しいのね。
あのキンキラ衣装、本人はどう思ってんのかは
ロバみみの知るところではありませんが、
ビジネスとして割り切って、客前に立つその姿はあっぱれの一言

今日は東山さんもいらしてて、
「ああ、飲まなきゃやってられない。
 見られてるから、飲まなきゃやってられない。
 俺に向かって手とか振ってんだもん。
 なんか心配みたいんなだよね。俺のこと」
と、劇中カッちゃんがセリフでアドリブってました
光一くんは
「観に来てくれるだけいいじゃないですか。
(ツヨシは)観にきたことない!」と言ってました。

MAも頑張ってたね。
フライングする光一くんの下でロープを支えて引っ張ってた
米花くんに胸が熱くなったし、町田くんもいい味出してたよ。
屋良っちも、踊りうまいし、今後ミュージカルの仕事増えるといいねぇ。
歌で世に出るだけが成功じゃないしね。斗真くんみたいにさ。

ただ、ストーリーはもうチョットどうにかなったらいいのにな
なんかミュージカルってただでさえ観るの恥ずかしいのに、
ストーリーがちょっとチャちくて、セリフもクサイ。
キャストの役名が本名ってのも、くすぐったかった…

階段落ちがあったり、布キレにつかまってのフライングがあったり、
はしご芸があったり、和太鼓があったりと
あのきゃしゃな造りの身体で光一くんは頑張ってたのに
ストーリー本編に戻ると、恥ずかしさのあまり眠気が…。
脳をフリーズさせようとする防衛本能が働いてしまった
もちっと、そこにも力入れて欲しいっす。演劇ファンとしては

でも、本当に華やかなステージで、
クリスマス用のキラキラした包み紙の高価なチョコレートが
たくさんステージの上にちりばめられているようでした
ファンの人にはたまらないだろうなぁーって思いながら
見入っていました

あの世界観は、V6にはないな。はは。
うちの王子(岡田くん)は、あの領域に行っちゃダメよって思った。
V6にはあくまで、3次元でいて欲しいの
見せてうっとりさせる光一王子はたいしたものだけど、
あれはヒガシ直系の血筋(?)である光一、タッキーの聖域だわ

やっぱりV6のよさは、確かに夢のような存在だけど、
手を伸ばせば触れ合える生身の男の子たちっていうリアリティだから

トニコンでトニの兄さんたち、もみくちゃになってるらしいけど、
そのじゃがいも的な根性と真心が愛すべき心意気です
(怪我しないように頑張ってね!皆マナー守ろうね!)

あ、話それた

とにかくですね、
ああ、このワイルドな衣装、このダンス、
剛くんがやったらさぞやカッコいいだろうなぁ…とか、

こんな胸はだけ衣装、最近カミセン着てくんないなぁ…とか、

カッちゃん!タップで足元見ちゃダメよ!
うちのアラフォー・タップダンサーの目ヂカラはすごいよ!…とか、

和太鼓、Vがコンでやってもカッコよさそうだけど、
トニコンだったら、3人でサブちゃんの「祭」とか歌いだして
笑いに走りそうだな…とか、

ついつい思いつつも、光一ワールドに拍手喝采のロバみみでした
またチケットが手に入ったら来年も行ってみたいです




・『ムサシ』初日

2009年03月05日 | ・ロバみみの芝居小屋
幕が無事にあがりました!
『ムサシ』です
初日はサイドブロックの8列目で観劇しました

小栗人気に嫌気が差して、去年のイベントでは盛り上がれなかったロバみみ。
あの無頓着さとハングリーさをあわせ持っていた頃の旬くんを帰せ~
と嘆き、どうしたもんかと思っていましたが、
作品はとてもよかったです!
さすが井上先生~!

以下、ネタバレしますので、ご注意下さい

武蔵と小次郎の決闘に至るまでのドラマを
シリアスに描いたものかと勝手に思っていましたが、
予想もできない内容に仕上がっていました

舞台は鎌倉の禅寺。
武蔵(竜也くん)に破れた小次郎(旬くん)が、
雪辱を晴らすために武蔵を探してやって来ます。
果たし状を突きつける小次郎でしたが、
たくあん和尚(辻さん)と弟子の僧侶(大石さん)
徳川家の剣術師範(吉田さん)、材木問屋の女将・舞(白石さん)、
筆屋の若女将・乙女(杏ちゃん)に決闘を反対される
すったもんだの人情劇です。

まだ、幕が上がったばかりなので、3時間超えの舞台ですが、
ストーリーは、はしょらせて頂きました

いやー、笑いました!
まじめーな固い芝居だと思っていたので、予想外に笑いました。

若手俳優相手に、吉田さんをはじめとするベテランおじさま俳優さん達が
実にイキイキと、自由に、大人気なく(?)笑いをお取になる
見ていて楽しそうでした。実に!

竜也くんはサスガだったなぁ…。
セリフの聞こえはいいし、真顔でやる仕種やセリフが
逆に客席の笑いを引き出していて、素直にいいなぁと思いました。

旬くんも頑張ってました。
ただ、前々からなんだけど、コメディ的なシーンでどうしても
観ていて胸がくすぐったくなるんですよねぇ
喜劇って難しいんだろうなぁ…。
ある意味、役者のもってる空気とキャラ、味と間合い、
これに尽きる気がしてしまいます。
セリフ、演出うんぬんより強い要素としてね。

でも、男のヒステリーな小次郎くんは、すごくキャラが立っていたし、
キーキー言ってるとこが、逆に愛すべきポイントになってました。
自分の出生に翻弄されている場面では、
ポカンとした旬くんのよさが出てて、ハナマル

このまま、旬くんに心はずむことなく
ロバみみの心の中からフェイドアウトしたら
今までずっとその成長を見てきた時間はなんだったんだろう…と
ちょっと悲しくも思っていましたが、無事に復活

舞台に立ってる旬くんが、やっぱり一番好きなんだなー
直接観れて、感じられる確かな物が
ロバみみには一番大切みたいです。
CMや芸能ニュースじゃ、ロバみみのピュアハートには響かないぜ!

脱稿したのが、おそらく初日間近だったと思われる本作品。
完成度はさすが蜷川さんといった感じでしたが、
まだまだ成長していく舞台だと思いました

客席で井上ひさし先生をお見かけした瞬間、
感激旋風のロバみみでしたが、本当に才能ってスゴイ
こまつ座ごひいきと思われる、
年配の方のお姿も多かったように思いますが、
質のいい笑いを老若男女問わず、届けて頂けました

とても楽しい作品に仕上がっていて、
劇場は幸せな笑い声に包まれていました。

また行く予定でいます。
次回観る時は、どんな風に進化しているか楽しみです






・『パイパー』

2009年03月01日 | ・ロバみみの芝居小屋
野田地図公演に行ってきました
千秋楽なんて久々な感じです
コクーンで初めてダフ屋を見ました

そして、やっぱり野田さんは天才だと思う。
ストーリーを説明するのはちょっと難しいけど、
かんたーんに言うとこんな感じかなぁ~
  ↓
地球を抜け出し始めた人々が住み着いたのは火星。
しばらくは平和に暮らしていたものの、
やがて地球に見放され、物資も届かなくなった火星。
野菜を育てても、それは火星の倫理では
「生き物を食べる」タブーとされていた。
しかし、生きるために選んだ手段は
人間の死体を食べるという「生物を食する」究極の選択。

そのやり切れない過去のタブーが明るみになると共に、
地球が核によって滅亡したことも知るところとなり、
ほんのわずかな希望さえも失われて行く。
そんな時、火星に撒かれた植物の種が目を出す。
それは、バラバラに千切れていく心の中に
小さく希望が咲いた瞬間だった…。


あー、野田さんゴメンナサイ
もっと深いんだけど、天才野田ワールドを
端的に表現するなんて難しい!

主演は宮沢りえちゃんと、松たか子さんです
りえちゃん、素晴らしかったです
あの妖精のような声は今回は封印。
ドスのきいた(?)声がすごく魅力的でした

松さんとりえちゃんが、二人きっりで板の上で手をつなぎ、
すさんだ光景を目の前に、畳み掛けるように
セリフの掛け合いをするシーンがあるんですけど、
これは本当に素晴らしかったです

鬼気として迫り来るセリフの応酬が
空虚でギラギラしていて、怖いくらいでした。

大倉さんも橋爪さんもすごいよかったなぁ~

野田さんの作品は、言葉の紡ぎ方がとても好き

「私は希望なんて持たない、希望は人間の心が描いた絵空事だから。
 絶望もしない。絶望も、人間の心の描いた絵空事だから」←ニュアンスです

みたいなりえちゃんの悲しいセリフがあるんですが、
ラストの松さんが言う

「でも、絶望と同じくらい、希望もあるわ!」

って感じのセリフがすごく胸に響きました
黄色い花が火星で花開いた瞬間、
絶望の中にも、希望の花は咲くんだなぁ…とちょっと泣きそうになりました

野田さんの作品には、いつも「核」とか「戦争」に対する
人々への警鐘みたいなのが感じられます。

核なんて持ってていいのか人類!

この星が住めなくなったら
他の星に移住すりゃいいと思ってんのか?人類!

すさんで汚れた世界でも、でも必ず希望はあるんじゃないのか。
もう一度、自分達の世界を愛ある瞳で見てようよ。

そんなメッセージが込められている気がするのです
野田作品、本当に素敵です。
大好きです。
異空間へ旅した素敵な2時間でした


 

・『冬物語』

2009年02月01日 | ・ロバみみの芝居小屋
シェイクスピア観劇が続いてますね。
昨日は埼玉芸術劇場に蜷川さん演出、唐沢寿明さん主演の
「冬物語」を観に行ってきました
しかも、なんと最前列(ちょっと首が痛かったけど)

【ストーリー】
妃(田中裕子さん)の不貞を疑った王(唐沢さん)が、
妄想大爆発で妃を投獄し、生まれたばかりの姫を捨てさせる。
しかしながら、審判が下され、妃の無実が認められる。
妃は心労で亡くなり、一人になった王は後悔に苦しみながら
長い月日を暮らす。

妃の浮気相手と疑われた親友で一国の王(横田さん)の
息子(長谷川さん)は、立派な若者へと成長し、
美しい羊飼いの娘に恋をする。
実はこの娘、捨てられた王の娘であった。

そうとは知らない二人は身分違いの恋を反対され、
駆け落ちをすることに…。
逃げた先は唐沢王のもと。
激怒し追いかけてくる父・横山王。
しかし、そこで、羊飼いの娘の出生があきらかになり、
亡くなったはずの妃も実は生存していることもわかり、
物語は一気にハッピーエンドへ…。


久しぶりに舞台らしい舞台を観たって感じでした
満足度はかなりありましたよ

最初は唐沢さん演じる王様が、そんなたいしたことしてないのに
勝手に奥方の浮気を疑ってキーキー言ってて
「ちょっと落ち着いて」と思わず言いたくなる感じでしたが

でも、あの妄想と嫉妬深いマイナス思考爆発のキャラを
チヤホヤされたあげくに作られた王様の困った人格と
納得して観れば、物語のとっかかりとして呑み込めました

唐沢さん、セリフもしっかりしてて聞き取りやすくてよかったです
王様も素敵でしたが、野卑でギラギラした役も似合いそうですね~

チャーミングだったのは藤田弓子さんですね
おばちゃんぽさを武器に、ずけずけ王に苦言する
勇気あるまともで強い女性でした

田中さんも、なんだろう。
幸の薄そうな(すみません)雰囲気が、悲しみをにじみ出させていて
静かな迫力がありました。

そして、長谷川さんにはロバみみウットリしちゃったよ~
「カリギュラ」の時は、ニヒルな役だったんですが、
今回は恋する若者だったので、笑顔が炸裂してて素敵でした
品もあるし、スラッとした立ち姿が若い王子にピッタリ
正装して再登場した瞬間、ロバみみの目は
ハートマークだったと思います

同じシェイクスピアでも、リチャード三世の方がチケットの動きは
よかった雰囲気を感じましたが、
ロバみみの満足度は冬物語の方が上でした

ただ、さい芸遠い~
好きな劇場なんだですが、もっと近ければいいのになぁと
夜遅くなった与野本町を小走りしながら思いました

あ、そういえば「20世紀少年」にカンナ役に抜擢さた
平愛梨さんを見かけました。
顔がちっちゃいのに、大きな目がパッチリ
かわいいかったです。




・『リチャード三世』

2009年01月29日 | ・ロバみみの芝居小屋
初の赤坂ACTシアターへ「リチャード三世」の観劇。

ですが、ロバみみ…居眠りました…
正直こんなこと初めてです

睡眠不足で劇場に足を運ぶことなんて珍しくないんですが、
睡魔に勝てなかったのは始めてかも…

2階席だったせいもあるだろうとは思いますが、
セリフが全然頭に入ってこなくて、うつらうつら…

物語は、イングランドの王位をめぐる
ヨーク家(だったかな?)とランカスター家の戦いってのが軸です。
古田新太さん演じるリチャードが、悪知恵と残虐をもって
王位に上りつめて、そしてその後没落するというストーリー。

とにかく、長ゼリフなんですねしょっぱなから。
おまけに早口
で、登場人物も多くて、覚えにくい名前の連続。
血縁関係もパッと把握できず、物語に引き込まれる前に
眠りにいざなわれてしまいました…

ちゃんと、いのうえさんの「観る前に読んでねチラシ」を読んで、
内容もなんとなく頭に入れて挑んだものの、
セリフはどこか遠くで聞こえていました

なんか、リチャードが次々に人を殺すだけって感じだったからかなぁ。
ストーリー展開のみって感じ?
そこに感情移入できる登場人物たちの心が迫ってこなくて、

あ、また一人騙した。
あ、そこでこの人殺すのね。

と、淡々と観てしまったというか…。
『朧の森に棲む鬼』は似たような展開でも、
すごくおもしろかったのになんでかな?

でも、2幕はバッチリ目が覚めました
なぜかというと、マーガレット役の銀粉蝶さんが素晴らしかったから
長ゼリフもド迫力!
どんどんロバみみの耳に心に入って来る
「すごい、すごい、すごい!」
と、思いながら目を見開いて観てしまいました

なんか、女性キャストの方が、男性キャストより見ごたえあったかも
古田さんは、きっと古田さんだから許されるのかな…って
思っちゃったくらいのデキだったような…(ファンの方すみません)

榎木さんも、立ち回りまではそんなに…って感じだったかもなぁ。
剣を振りかざしてる姿はオーラありましたけど

安田成美さんのアン王女も素敵なんだけど、最後にセンターに立つ程
主要キャストには感じませんでした
簡単にリチャードにクドかれて、あっけなく殺されたってだけの印象。
特に他の登場人物に何か影響をあたえた役どころではない気が
どちらかといえば、久世さんのエリザベスの方が重要人物だと…
あ、あとリチャードの母親役の三田和代さんもよかったです
銀粉蝶さんとの女3人のバトルは見ごたえアリでした

ま、寝てもうたロバみみはエラそうなこと言えませんが
もう一回観たら、また感想も違ってくるのかもしれないなって
感じの舞台でした