STUDIO ZODIAC

黄道12星座のように様々な得意分野で活動を続けています。

格闘技の世界WEEK

2004年07月20日 | ■ (;・∀・)ノ【武術・健康】
ディスカバリーチャンネルで待望の「格闘技の世界WEEK」が始まった。

前回シリーズ「格闘技の心・技・体を科学する」のマットの師匠が自分と同系列の「制引戦(セイエンチン)」、しかも沖縄空手の古い型の方を演じていたのには驚いた。

剛柔流も20年位前に大きく分かれ、型の解釈が統一された為に、大会で使用されなくなった古いタイプの型で、山口剛玄系の「制引戦(セイエンチン)」とも風格が異なっていた。

そもそも、武術というものは、技の解釈や個人の段階や風格で変わるもので、師匠の技に創意工夫が成され、常に進化を続けて行く。

あまり知られていない事だが、空手の「引き手」が、「脇」に来るか、「腰」に来るかは、開祖の身長に寄る事が多い。 
対峙した相手との身長差で、脇から打ち降ろす、腰から打ち込むといった具合で、要求しているものが同じであれば、風格の違いはあれど許容してやれば良いのだが、中国拳法と違い空手は頑(かたく)なまでに流派の形を守っている。 日本人の気真面目さによるものかもしれないが・・・

ちなみに、剛柔流開祖、宮城長順先生も背が高かったらしく、剛柔流の引き手は「脇」に来る。 極真空手の大山倍達氏も剛柔流を学んでいた事もあり、同様の引き手である。

番組に出て来たマットの流派は「剛柔流」とは違ったが、沖縄空手同系列の風格を持つので判るが、上段受け、中段内受け、中段外受けが直線的なのは段階によるものなのか疑問だった。

日本人でも、前腕で直線的に受ける者も居るのだが、上段受けの場合、拳と肘で中心線を護りながら最後に肘を張らずに尺骨と橈骨を旋転させ相手のチカラを斜めに逃がしながら受ける。(肘を下げると肩甲骨の重みで前腕が挙がり、斜めに着いている筋肉の抵抗によって尺骨と橈骨が旋転する。) また、中段外受けも中段内受け(小手受け)も直線的ではなく弧を描くように受け、相手のチカラを斜め後方へ逃がし相手を崩すのが正しい。

奥義とか口伝とか言われる事がいろいろあるけど、自分が教えていた頃は、「手刀鎖骨打ち」の場合、「振り下ろすのと押すのの、ちょうど中間になるように打ちなさい!」と子供にも教えていた。 「人間は2方向以上の攻撃を受けると壊れ易い」という事は説明してないが、「鎖骨は折れ易いから、気をつけなさい!」と付け加えた。

また、子供に「心臓は何処にあるか?」と聞くと、必ず左胸を指して「ココ!」と答えるので、「そこは肺! 心臓は中心線のちょっと左側!」「ココを打つと相手の動きが一瞬止まる!」とか普通に教えていた。 各々の流派の違いはあるものの、核となる部分は基本にあるのだが、基本を疎(おろそ)かにするものが多くて情けなく思う。 まあ、ある段階を越えた時に気が付くものなので、見えないバトンが継続して正しき者達に受け継がれる事を祈る。

格闘技の世界WEEK
http://japan.discovery.com/series/serintro.php?id=560
【那覇手系】沖縄空手剛柔流開祖、宮城長順
http://www.wonder-okinawa.jp/023/007/001/
山口 剛玄 (Yamaguchi, Gogen)
http://www.dragonvstiger.com/legenddatabase/yamaguchigogen.html

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