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仕事や身の回りのできごとを綴ってみます。

Ducati

2007-01-17 09:28:06 | 日常について
Strategyの授業でDucatiを取り扱いました。
この会社、恥ずかしながら聞いたことが無かったんですが、
イタリアのバイクメーカーです。

ケースは、1996年には経営危機に陥っていた会社を、
新しく外部から来たCEOによって数年で見事にTurn Aroundさせた、
という成功事例です。

バイク業界は日本メーカーが市場のシェアの大半を占めているのですが、
Ducatiはスポーツタイプに特化したニッチ市場のシェア向上を狙います。

面白いのが、新しいCEOが就任してまずしたこと。
それはコストカットでも、新規事業投資でもなかったのです。

彼は何と博物館を建てたんです。
勿論これは賛否両論だと思いますが、
つまりDucatiに根付いている企業精神を改めて見直そう、
原点に立ち戻ろう、という想いをこめて、その象徴を作ったわけです。

そして、HONDAやYAMAHA,KAWASAKIといった大手と闘うのではなく、
あくまで自分達のフィールドで、「バイク」という乗り物ではなく、
バイクを通じて得られる「楽しさ」を提供する会社になろう、としたのです。

勿論、コスト削減もしっかりやっていますが、
イタリアの歴史を経たデザイン、レースで得たノウハウの展開など、
他社との差別化を地道に進めた結果、価格プレミアムが生まれ、
コアなファンをしっかりと捉えて見事再生した、というわけです。

面白いのが、アメリカでDucatiを所有している人の半分はハーレーも所有しているということ。
つまり、バイクファンは、楽しみによってバイクを使い分けているんですね。

確かに、移動手段として考えれば車の方がよっぽど快適なわけで、
(原チャリは別にして)バイクに乗る、ということは
なんらかの価値を感じているからこそなんですよね。

バイクと顧客のつながり方がちょっと垣間見えた授業でした。