身の丈」を強みとする経営 ２２ テレビプロデューサー横澤さん 革命が必要と説く

　先さきごろ亡くなった元フジテレビのゼネラルプロデューサーの横澤彪さん（享年７３）は，
「笑っていいとも！」「オレたちひょうきん族」と，お笑いブームの立役者としてバラエティー番組に革命を起こし一時代を築いた。

　横澤さんは，夕刊フジの火曜連載「電視超人列伝」（22010念12月29日号）で，「地デジ元年に向けて，“内面からの革命が必要”」との，遺言ともとれる一文を寄せている。


　▼携わる人も内面からの革命必要　　
　テレビ界の2011年は何といっても" 地デジ元年〟につきる。地上波テレビにとっては、新たなスタートになる。今までの延長線上で、考えていると大きな失敗をする。テレビの作り方を含め、いかに新しい要素を取り入れられるか、改革をできるか、知恵を出し七新しい番組ができるかで、将来が決まる。
　　
　　（中略）

　地デジ元年－。携わる人も内面からの革命が必要だ。テレビ界、政界、芸能界、経済界…など構造体に入っているとそこでの常識は一般の非常織になりがち。改革を声高に叫んでも、やりづらいし、全うされないのがオチ。外部の人との接触など空気の入れ替えをすることだ。

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◆絶えざる革新が客をとらえる－同じ事をしていたら顧客に飽きられる


　昨今の百貨店や総合スーパーの業績停滞の原因の一つとして，自らの価値基準，成功体験にすがり改革刷新を怠り，著しく鮮度を欠く売り場となり，専門店に顧客が流れたこと，裏返すと専門店に侵食され顧客を奪われた事にあります。この轍を踏まないためには，

・成功体験からの脱皮
・既成の殻を打ち破る
・常に売り場刷新し顧客の目を引きつけ固定客化を図る
・新機軸で新らたな顧客を呼び込む

　の取り組みが有効です。

▼絶えざる革新－婦人向けを中心とする衣料専門店チェーンのしまむら
　しまむらは，全国47都道府県で「ファッションセンターしまむら」，ヤングファッションの「アベイル」，趣味雑貨の「シャンブル」，子供服の「バースデイ」，ファッション靴の「デイバロ」店をチェーン展開しています。かつては郊外立地で低価格を前面に打ち出していました。が，今，必ずしも「安さにこだわらないとする消費者ニーズの変化を察知し，01年頃からはファッショントレンドを重視した商品政策に転換しました。
　その現れの一つが，海外視察です。バイヤーは年に数回，パリやロンドンなど海外のファッション事情を見て回り，売れ筋の発見に努めています。また，ブランドイメージの強化の一環としてファッション誌とタイアップして同社記事の露出を増やす，さらにはPB（プライベートブランド）の拡大にも注力しています。こうした工夫が実を結び客層は確実に拡大しています。

	「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」
	小林 隆一
	日本経済新聞出版社

◆『「身の丈」を強みとする経営』
　本書では，自らの分を知り，ライバルの動きに惑わされることなく，マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を「身の丈経営」と称して，縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。

「身の丈経営」の要諦は，時代の流れを見定め，自らの市場ポジションと強みと魅力を生かしての事業展開にあります。こうした視点から「戦略」を描くと，いま何をすべきかが自然と浮き彫りになります。
　
　なお，縮小の時代という市場構造の転換期にあっては，旧来の成功概念を捨て，時代を先読みしていくことが必要とも説かれています。本書は，主に小売業界における「成功事例や既成事実」に固執することなく事業展開を図る事例を取り上げております。

◇本書でとり上げている「成功事例や既成事実」に固執することなく事業展開を図る事例
　・業態を常に見直し進化を続ける－－ドラッグストア業界

　・絶えざる革新－婦人向けを中心とする衣料品専門店チェーンのしまむら　
　・銀座三越－－ゆったりできるレストスペース　
　・楽天－－楽天経済圏を目指す

◆本書でとり上げている「成功事例や既成事実」に固執しての失敗事例
　・ホームセンター業界