村上春樹に,はまってます。
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バースデイ・ガール |
1620円 |
村上春樹の小説は,さまざまな解釈ができ,読んだ後,思わず考え込んでしまう「謎」が全編にあふれている。小説「バースディ・ガール」もご多分に漏れない。
▼小説,「バースデイ・ガール」
ある女性が「二十歳の誕生日」に経験した出来事の物語である。主人公の「彼女」は,「二十歳の誕生日」に予定が狂い,その大切な夜をアルバイト先の「そこそこに名のしれた」イタリア料理店で働いて過ごす羽目に。そして,仕事を代わってくれるはずだった「もう一人のアルバイトの女の子」に続き,鏡を見ないでポウタイを結ぶことができるのが自慢の「フロア・マネージャー」までもが体調を崩すと,「彼女」はいつもとは違う空間へ‥‥‥。
その日,店のフロア・マネージャーが体調を急に壊し,代わりに彼女がフロア・マネージャー以外誰も姿を見た事の無いオーナーに夕食を運ぶ事になる。時間通りに食事を運んだ彼女はオーナーに年齢を尋ねられ,今日が二十歳の誕生日であると言う。彼女はオーナーに誕生日を祝福のしるしとして一つだけ願い事を叶えようと言われ,戸惑いながらも一つの願いをする。
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「こうなればいいという願いだよ。お嬢さん,君の望むことだ。もし願いごとがあれば,ひとつだけかなえてあげよう。それが私のあげられるお誕生日のプレゼントだ。しかしたったひとつだから,よくよく考えた方がいいよ」,老人は空中に指を一本あげた。「ひとつだけ。あとになって思い直してひっこめることはできないからね」
◆ミステリアス--???仕組まれたダブル・トラブル???
7時半過ぎにマネージャーの腹具合がおかしくなった。マネージャーが体調を崩すのは,極めて珍しいことである。ここ10年以上、「病気ひとつ、怪我ひとつしたことがな」く、一度も仕事を休んだことがない。それがたまたま「彼女」の20歳の誕生日に、しかもオーナーに食事が運ばれなくてはならない30分弱前にひどい腹痛で病院行きとなる。
「彼女」は,本来であればその金曜日の夜は店に出勤しなくていいはずであった。だが,仕事を同僚の女の子が、40度近い熱と止まらない下痢というかなりひどい風邪になり,「急遽」仕事に出ることになった。
この2人の体調不良は「偶然」であろうか。2人の常勤のウェイターやレジ係の女性は体調を崩している様子はない。コックが彼女をオーナーの部屋に「導く」ために「女の子」と「マネージャー」の食事に細工をしたのではないか。あるいは,主人公に与えられた仕事は,マネージャー以下,店の全員が一緒に仕込み、演出した一種の「イニシエーション」なのでは……。そう疑いたくもなるストーリーである。
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