巨額の損失隠し問題に揺れる大手精密機器メーカーのオリンパス。その創業者の山下長(たけし)(1889-1959)が鹿児島県・奄美大島出身であることは,鹿児島県内でもあまり知られていない。
山下は奄美大島の名瀬村金久字里(かねくあざさと)に生まれた。現在の奄美市名瀬幸町(さいわいちょう)の市役所近くという。小学校3年の時、鹿児島の親戚を頼って島を離れ、京都の旧制三高などを経て1915年に東京帝国大学を卒業、弁護士になった。
起業したのは卒業4年後だった。父の勧めで商社に就職し、砂糖貿易で多大な利益を上げた。山下は, 「西洋に負けない国産の顕微鏡を作り、医学の発展に貢献したい」とし,会社から得た褒賞金を元手に顕微鏡の国産化を目指して、前身会社の「高千穂製作所」を創業。ギリシャ神話で神々がいる場所とされる「オリンポス山」にちなみ、オリンパスを商標とした。
山下が起業した大正時代は舶来品万能の世の中。右田さんは「山下は『弁護士に顕微鏡が作れるもんか』と周囲に冷笑されながらもオリンパスの礎を築いた。
山下は故郷への愛着も人一倍強かった。57年には「故郷に恩返しがしたい」と、島の後輩たちの奨学金制度「奄美奨学会」を再建するために私財を投じる篤志家でもあった。
現経営陣の方々には,「医学の発展に貢献したい」との創業の精神,社会貢献にも力を尽くした山下氏の姿を思い起こしていただければと思う次第である。
⇒⇒参考HP オリンパス光学工業創始者 山下長(たけし)ホームページ
http://www3.ocn.ne.jp/~amami21/olympus/index.html
◆ VOL.1 顕微鏡への熱き思い・会社創立-オリンパスHPより転載
オリンパスは、大正8年(1919年)の10月12日に創立されました。
創立当時は、顕微鏡事業と体温計事業を柱とする会社でした。
創業者山下 長(やましたたけし)は、大正4年(1915年)に東京帝国大学法学部法律学科を卒業し、弁護士を開業。その後1年間兵役を勤めた後、大正7年(1918年)に貿易会社「常盤商会」に入社。砂糖で利益を上げた報奨として、常盤商会から出資を受け、弁護士時代から親しかった寺田氏とともに、顕微鏡の国産化を目指す「株式会社高千穂製作所」を創立しました。
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◆関連HP マーケティング&マニュアルゼミー |
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