死ぬ間際にタイトル決まるかも

ちと書いてみたかっただけ

言葉探し

2010年09月16日 | 雑感・その他
 
朝のラジオ「森本毅郎スタン・バイ 日本全国8時です」で、火曜日のゲスト荒川洋治の話から。

「てにをは辞典」という本が出版されている。
小内一(おない はじめ)さんの著書。

著者は北海道大農学部の出身で、仕事は書籍や雑誌の校正をしていた。
校正は誤植などの他に「体裁上の不備」や「表現のマズさ」も修正するので
「この表現でいいのか?」
「他にいい言葉はないのか?」
と日々悩んでいたらしい。
しかし参考にする適当な辞典がなかったため、この度、自ら作ったのだ。

この本のキャッチコピーは「言葉の野原を散歩してみませんか」。

言葉と言葉の結びつきの例が沢山掲載され、その数は通常の辞典の約7割にもなるという。
他の人の協力を得ているとはいえ、一人で書き上げた労作なのだ。
掲載例は下記のようなものだ。

◆効果
「が」
~が薄い、~が表れる、~が疑わしい、~が生じる、など20例。
「を」
~を期待する、~を与える、~を伺う、~を示す、~考える、など50例。
「に」
~に期待する、~に疑問がある、など23例。

言葉の下に持ってくる「て」「に」「を」「は」によって使われる用例が変わってくるって事なのだ。(『て』がイマイチよく分からんが)
森本が「ある意味『助詞辞典』ですね」と言ってたが、正にピンとくる表現だった・・・この番組は、本番前にどのくらいリハーサルするのか分からないが、森本と荒川のやり取りは聴いてて実に小気味良い。

自分で記した文章を読み返す。
必ず何らかの修正点がある。
間違ってはいないが、助詞を変えてみたくなることも多い。

こんなしょーもないブログでも、文章を書き上げるのは確かにシンドい。
書き上げた後で読み返してると、ありゃりゃ?ってことは、しょっちゅうだ。
↑「こんなしょーもないブログでも、文章を書き上げるのは確かにシンドい。」ひとつでも
「確かにこんなしょーもないブログでも、文章を書き上げるのはシンドい。」とか
「文章を書き上げるのがシンドい事は、こんなしょーもないブログを書いていても分かる」の方がいいんじゃないか、と数分の間、単語をあちこち移動させることがある。

この辞典には、多少使われ方がオカシイ、と思われる例も載っている。
その理由は、夏目漱石、森鴎外、室生犀星、村上春樹などから宮部みゆき、中島みゆき、よしもとばなな、それに大衆小説や娯楽小説、文芸評論などを参考に250の作家が使用した用例をそのまま掲載してるだけだからだ。
この辞典に使われ方が正しいかどうかの検証はないし、言葉そのものの意味については何の記載もない。
現代では「このように使われている」という事実のみなのだ。

◆歓談・・・打ち解けて親しく語り合うこと

夜遅くまで歓談する
友人と歓談する
久し振りに歓談する

などの例が掲載されている。
「親と歓談する」「師匠と歓談する」は載ってない。
ここで「歓談」の意味は分からなくても「リラックスして楽しく話すこと」ではないか、と想像できる。

「今までの辞典は『意味』に重点を置き過ぎた」
「意味を隠す事で、文章を書く人に色んなイマジネーションを持たせる、という大きな意義もある」
という荒川の言葉に「激しく同意」できるのであった。
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