移動図書館で、清川妙先生の御本をみつけました。
わたしは1年半というわずかな期間ですが、先生のエッセイ教室に通ったことがあります。
新宿の朝日カルチャーセンターの講座案内で、たまたまこちらの教室が目に留まり申し込んだのです。
『清川妙』というお名前は知っていました。
ただ、御本を読んだことはなく、女性誌の映画紹介のコメントを書かれていた記憶があったくらいで、お顔も知らず、わたしのなかではイメージとして、細身でモダンなどちらかといえば華やかな雰囲気の女性を思い浮かべていました。
最初の日、教室に入っていらした先生は、全くわたしの想像を裏切る女性でした。
ふくよかで、とても柔和なお顔、着ていらっしゃるお洋服は優しい美しい色目で、先生の雰囲気にとてもあって、上品なのです。年齢は70代くらいでしょうか。
素敵な方だな~と一目見て好きになりました。
講義で、先生は『枕草子』『徒然草』などの古典をよく引用されていました。
その方面は学生の時以来ずっとご無沙汰だったので、とても新鮮で、興味深いお話に2時間があっという間でした。
教室の生徒さんはたしか30名程、40代~60代の女性が中心で、男性も3~4人いらしたように記憶しています。その時わたしは30代後半でした。
ほとんどが主婦のかたでしたが、男性はお医者さんとか大学の先生とかもいらっしゃいました。
それに主婦といえど、海外駐在の経験がある方が何人かいらして、皆さん『おばちゃん』っていうより、『いいところの奥様』って雰囲気に、なにかとっても場違いの所にきたような気がしたのを覚えています。
作品を皆の前で発表し、まずほかの生徒さんが、最後に先生が批評してくださるのですが、ほかの方の作品はどれもとてもよく書かれており驚きました。わたしなんて小学生の作文のようで・・・。
でも、そんなわたしの作品にさえ、先生はどこかしらいい所を見つけてほめてくださるのです。
うれしかったなぁ~。
ほかの生徒さんの作品は、それぞれにこれまでの人生をうかがわせる内容が多く、とっても勉強になりました。こんなふうに歳を重ねていきたいと思えるお手本になる方々ばかりでした。
先生の講義の中で、今でも印象に残っている言葉があります。
瞬発力
つづけること
このふたつです。
印象に残っていますが、なかなか実行できません。
例えばお礼状。すぐに書けばいいものをついつい3日くらいそのままだったりします。
電話より手紙が好きなのですが忙しさを理由に延ばしてしまい、そんなだからありがとうの賞味期限もきれちゃいますよね。瞬発力!大事です。
つづけること・・・。エッセイ教室も転勤でやめてしまい、その後は書いていません。
時々この言葉を思い出しては、いけない、いけないと思います。
なんと先生はいま84歳!『心はいつも育ちざかり』なのだそうです。
素晴らしい!
先生はいつも爪の手入れを欠かさず、薄ピンクのマニキュアをされていたなぁ~なんてことも思い出しました。
御本を読んで、ますます先生のことが好きになったわたしなのでした。
どうぞいつまでも、お元気でいらして下さいね