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ガンビア 恐竜切手:幻のセイスモサウルス

2018-08-22 | 切手


昔慣れ親しんだ恐竜の名前が、実は既存の種と同じ分類だったために消えてしまうという事例はいくつかある。ブロントサウルスが有名な例だ。
竜脚類はかつて「雷竜(かみなりりゅう)」と呼ばれていた。地面を歩く音が「まるで雷が鳴り渡るように大きかったことだろう」という想像からつけられた。そのサイズ感を良く表している名称だったように思う。

そんな風に呼ばれるくらいだから、竜脚類はとにかく巨大なものが多いのだ。1990年代には、新たな竜脚類が次々と発見され、「世界最大の恐竜」の名前は何度も塗り替えられたものだ。
「セイスモサウルス」は、そんな元・世界最大の恐竜の一種である。1979年に発見された肩胛骨(長さ2.4m)と椎骨(1個が1.4m)の大きさから、その体長は大きく見積もられてなんと52mもあったのだ!超弩級である。しかしながら、「世界一」というのは塗り替えられるための称号のようなもので、その後、スーパーサウルスやアルゼンチノサウルスなんていうのが登場したりして、世界最大の王座を譲ってしまったセイスモサウルスである。




セイスモサウルス (Diplodocus hallorum) は、中生代ジュラ紀後期の巨大竜脚類の無効名。属名は「地震トカゲ」の意で、「歩くと地震が起きるほどの巨体」ということから命名された。現在はディプロドクスのシノニム。

推定全長33メートル、体重40トン前後。長大な首と、同様に長い尾を持つ。体格は比較的細身であった。四肢はその巨体に比してやや短い。腰側がやや低いため、胴体は後傾する。

1979年にニューメキシコ大学所属の古生物学者デビット・ギレット博士によって発見された。発掘された骨格は、現在この一つのみが知られている。発見当初は全長50 - 60メートルとも言われていたが、現在は前述の体格と判明している。

当初は本種が史上最大の恐竜とされていたが、1993年にさらに巨大とされるアルゼンチノサウルスが発見され、その座を譲ることとなった。しかし、それでもスーパーサウルスやマメンチサウルスと共に、ジュラ紀最大級の恐竜であることには変わりはない。

2004年に同じディプロドクス科のディプロドクス (Diplodocus) の1種であることが判明し、「ディプロドクス・ハロルム」として再分類された。(ウィキペディア)



セイスモサウルスは、「世界最大の恐竜」という称号と共に、その名前自体も幻となってしまった。このガンビアの切手は、発行年が記載されていないのだが、2004年以前の、セイスモサウルスがまだ王座に就いていた頃に発行された物ではないかと想像できる。
ただし、ディプロドクスの仲間だということが判明しただけで、その存在が消え去ったわけではないのだ。

想像を超える大きさの生物がこの地球にかつて存在していたことが、奇跡であるし、何だか憧れのようなものを感じてしまうのだ。



【参考サイト・文献】
・ウィキペディア「セイスモサウルス」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9
・『大自然の不思議 恐竜の生態図鑑』 (学研、1994年6月28日)

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