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吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

命助かるも…救急隊員が懲戒処分 看護師に“救命処置を指示” 佐賀県 その2

2024年06月03日 06時42分06秒 | 日記
 情報がなさすぎで状況分かりませんが傷病者救命の如何にかかわらず、きちんとMC協議会が事後検証したかが問題です。
 もし消防の先走りでの処分であったり、MC事後検証が行われていても消防主導で最初から処分ありきの結果であればMC制度の根底を覆すものです。
 この処分が「残念なこと」だったかどうかはMC委員会がどのように対処したのかによります。事後検証委員会での討議内容を知りたいところ。自分はもう事後検証委員をやめてひさしいですが、本音では緊急避難的な部分は隊員さんに認めるべきと思います。
 もともと消防に限らず、行政は四角四面の規則に縛られ、規則にないもの、前例にないものは認めません。しかし消防における救急搬送を擁護するために始められたメディカルコントロール(MC)制度です。消防に文句をつけるでもなく、外郭から消防の自律性を阻害するための委員会でもありません。なのできちんとこの委員会で検証を受けてから処分の検討でもよかったと思います。
 もっとも当該地区においてMC委員会は名ばかりで、ほとんど有機的に機能していなければもうしょうがないのですけども。
 きちんとした検証をMC委員会で受けたというのであって、それでも当該隊員がルール違反で処分対象と言うなら、今後このような事例でローカルプロトコールの変更も視野に入れた検討がきちんとなされるべきでしょう。そのために造られたMC制度ですので。
 ただこの処分にいたるまでの「速さ」は、検証待たずして早期の幕引きを図るためのトカゲの尻尾きりに思えてなりません。老婆心だといいのですが。自分の取り越し苦労だといいのですが。