goo blog サービス終了のお知らせ 

吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

免罪符 その1

2015年02月12日 05時54分31秒 | 日記
 昨日、「免罪符」とかいたが、世の中のあらゆるところでこの免罪符を見かけるのである。例えば、トイレや台所洗剤のような家庭用製品、または農薬や工業用製品などである。これら製品の裏書には「誤って摂取した場合は、ただちに医師の診察を・・・」などと書かれている。この記載もリスクマネジメントか免罪符のつもりなのであろうか? 誤って服用したのは「あんたが悪い、自己責任ですのでうちはその後は知りません、あとは医師にどうぞ」と丸投げ状態の印象もある。特に我々は誤って摂取した時の治療を業界から医学会へと依頼されているわけではない。まあ我々の社会的立場からすれば診療するのは当たり前であるが、ちょっと熱を出した保育園児に対して保育園の職員が「今すぐ医療機関受診させてください」と両親にお迎えの連絡を入れているような印象を持つのである。どだい、数ある工業用製品、農薬、家庭用洗剤のすべてにおいて我々が、どのくらい服用すればどのような症状が出て予後はどうなのかを知っているはずがない。自分は救急医療をしていたので「中毒情報ファイル」という本を持っているが、それとてすべてを網羅しているわけではない。