吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

小児外傷 その3

2014年05月20日 06時19分08秒 | インポート

    うちのクリニックではスタッフの手が足りないときは積極的にご家族にもお手伝いいただいている。大泣きに泣いている子供をお母さんは抱っこしながら「痛くないよ、痛くないよ、もう少しで終わるからねー」と声をかけることがある。でもそれは嘘である。「痛くない」ことはないし、「すぐに終わる」わけでもない。でも泣いている子供には他に声をかけようがないのだ。まさか「まだまだ痛いからね。あと10分以上はかかるよ」などとは言えない。よくよく考えれば幼児あたりの年代は言ったことを理解してくれるわけではないので、何をどう声がけしようとも泣き止むことはないのである。諦めるしかないが、こちらもやむことのない「騒音」の中でイライラと処置をすすめる羽目になる。そしてようやっと処置が終了した時点でどんなお母さんでも必ず言うセリフがある。それは「よしよし、よく頑張った、よく我慢したね、偉かったよー」である。冗談じゃない、あんなに泣いて大暴れしておきながら「頑張った」もへったくれもないもんだ。この時こそいつも内心自分は思うのである。「我慢して偉かったのは私」と。でも別にいいでしょう? 罰は当たらないと思いますが。<o:p></o:p>