自分が小学校低学年のころは外で遊ぶことが多かった。もちろん家の中でも遊んだが、自宅兼診療所だったので、よく診療中の診察室に入っていったり、あるいは手術中に窓から手術風景をのぞいたりもした。特に父から「あっちへいってろ」と注意されたことはなかった。今では個人情報云々だとかプライバシーだとかで子供を診察室にうろちょろさせることはない。大らかな時代であったろう。しかし何となく「診療中は入ってはいけない」ということを自然と覚えてからは、次第に外で遊ぶことが多くなった。ところで同じ区画には消防署があるが、その裏手に住んでいるYちゃんという子がいた。