☆上昇気流☆

ミスチルコピーバンド「上昇気流」のアコギ担当ひろみによる日記。
2008年4月20日横浜にてライブ決定!

おじさん

2007年07月07日 18時39分20秒 | 異文化コミュニケーション
知り合いに会ったので声をかけたら「あなた誰?」と言われました、ひろみです。

昨夜はお別れ会をした。
韓国人ヨン様。
ヨン様には似ても似つかないオヤジ系男子だけど、
優しくて料理が上手でドイツ語が下手(話しやすい)で、
私のドイツ生活には欠かせない友人だ。
それが8月に帰国してしまうと言うじゃないか!
私来週から日本だし、
もう会えない。

ということで、
ヨン様お勧めの韓国レストランへ行った。
夫婦がこじんまりやっているお店だ。
プルコギとチゲを頼んだ。
日本では考えられないだろうが、
こちらドイツはパーカーが必要なくらいの気温だ。
身体が温まった。
しかしここのマスターのおじさん、
他にいるドイツ人のお客さんには全然構わずに、
私たちのテーブルに頻繁にやってくる。
「はい、これサービス!」
揚げギョウザ山盛り持ってきてくれたり、
焼肉の火の加減のダメダシをしにきたり・・・
韓国は上下関係が厳しそうだ。
ヨン様だって一応お客なのに、
常連でかわいがられているからだろうか、
「茶碗にご飯よそうんだぞ!」(見ればわかるから!)
「ビールがまだあるじゃねえか!」(膀胱炎なんでカンベンしてください!)
「ギョウザは醤油つけて食べるんだぞ!」(知ってます!)
「火が強い!」
「火が弱い!」
「火を消せ!」
「火をつけろ!」
「ご飯がもうないじゃないか!」(もうおなかいっぱい!)
すべて韓国語なんだけど
指さして指示してるからなんとなく言ってることがわかった。
とにかくいいいおっさんだった。
怒られてる感じだったけど。

店を出るときに、
「ヨン様、一緒に写真撮ろうよ!」
おじさんは仕込み中だったから、
そんなときに写真お願いしたら
「礼儀がなってねえ!」
なんて怒鳴られるだろうと思って
おばさん探したんだけど裏へ行っちゃってた。
だからヨン様がおじさんに
「一緒に写真撮ってもらえませんか?」
と恐る恐る聞いた。
そしたらおじさん、
「え?俺と?」(違うから!)
顔真っ赤ですよ。
おじさんは勘違いにさらに赤面しながら、
写真を撮ってくれました。
やっぱりいいおじさんだ。

そのレストランの向かいに、
「ベネチアアイスカフェ」がある。
22時過ぎてるっていうのにまだお店やっている。
ヨン様はこの韓国レストランに来たら必ずアイス食べているそうなので、
私も連れて行かれた(いや、行きたかったし!)
私はチョコクッキー味を頼んだ。
すごい量だ。
ヨン様、満腹だと言っていたのに、
2つも頼んでるし!
コーンからはみ出したアイスがダブルですよ。

アイス食べながら、しばらく話をした。
ヨン様がドイツに来て驚いたこと。
近所のスーパーへ行ったら、
入り口にまず沢山の種類のチョコレート売り場があったこと。
その次の棚には、沢山のポテトチップスがあったこと。
でその奥には沢山の種類のビールがあったこと。
ビールの先にはコーラ・ファンタ・スプライトがズラーっと並んでいたこと。
一体野菜売り場はどこなんだ?ってね、驚いたらしいです。
(*すべてのスーパーがそうではありません。)
で、テレビのCMを見ていたら、
それはそれは
「チョコレートをもっと食べなさい!」的な洗脳をされそうになって、
一方、通販番組では
「この下着を着ればあなたも痩せて見えます!」系のものが頻繁にやっていて、
ヨーロッパ一、太っている人が多い国だけあるなあ、と感心したそうです。

そして、電車内で寝ている人がいないこと。
韓国は(日本もだね)皆仕事がハードだからたくさんの人が電車で寝ている。
仕事の昼休憩でも、
食事が終ったらまず机に伏してちょっとでも眠る習慣がヨン様にはあったそうだ。
しかしドイツでの職場では
寝たくても寝れない。
同僚や上司に
「カフェ行こうぜ!」
と声をかけられてしまうらしい。
そう、ドイツ人は話好きだ。
そして長い!

あとね、ドイツではカフェでおじさん一人でチョコレートパフェとか食ってるのフツーな光景。
日本でそんなおじさんいたら驚くでしょ?
スーツ着たおじさんグループがパフェとかね、ありえない。
いや、うちのお父さんもアイス大好物。
お父さんが買ってきたアイスを勝手に食べて何度怒られたことか。
そう、オヤジは家限定でアイスを食う生き物だ。

で私の方から話したのは、
「道歩いてるとさ、ニーハォ!って挨拶されない?」
「え?道を歩いていて誰からも挨拶されないけど?」
「え?」
「ああ、きっと君は女性だからだよ。」
そうなんだ・・・
ヨン様はちょっとおしゃれで、いい洋服を着ていると、
日本人に見られて、
古くて流行遅れの服を着ていると中国人に勘違いされることがあると言った。
ってことはよ、
私いつも「ニーハォ!」って挨拶されるんですけど、
私の服はダサいってことなの??
やべえ、自覚してなかった。

そんな楽しい(?)話をして
電車に乗って帰ることにした。
レストランでもそうだったけど
私とヨン様は、ドイツ人から見たら同じアジアの国の友人同士にしか見えない。
なのにドイツ語で話しているから不思議そうに見られる。
電車は東海道線のそれと同じく、対面式の4人がけ座席。
私とヨン様は対面で座って、話し続けた。
「ハーブルクに大きな公園あるでしょ、湖がある公園。私、そこでジョギングしてるんだよ!」
「へえーすごいね!僕はその公園でよく自転車に乗るよ」
「えっ?いつ?日曜とか?」
「ううん、平日の夜。」
「夜にあんな森の中を走ってるの?電気ないじゃん!」
そしたらですよ、
私の斜め前に座ってチョコアイス食ってるおじさんが、
「自転車に電気ついてんじゃねえか!」
突然の突っ込みですよ。(口の周りチョコついてんから!)
3秒くらい私そのおじさんをだまって見つめるしかなかった。
「だ、だけどですね、森ですよ、自転車のライトだけじゃ暗いでしょ」
そしたらヨン様、
「夏は夜でも暗くないじゃん!」(確かに21時くらいまで明るい)
再び突っ込みを入れられて、
何も言い返せなくなった。
勝手に私たちの会話に入り込んできたおじさん、
「なんで君たちはドイツ語で話してるの?えらいね!ドイツに住んでいるんだから家でも外でもドイツ語で話すべきだよ!」
「えー、えーと、えーとですね、私は日本人、彼は韓国人です。」
「あ、そうなんだ!おかしいと思ったよ。ところで日本ではゾウを道で大切にベラベラ・・・・・・してるんでしょ?」
なんだこの急展開。
「えーと、別にゾウは道で大切にしていません。」
「だって仏教の国だろ?」
「ええまあ。」
「じゃあ牛を大切にしているのかい?」
「牛は食べます。」
「えー!!おかしくねえか?」
「普通です。」
「俺はね、去年までネパールにいたんだよ。小学校を建てる建設プロジェクトでね、水もガスも電気もなくて大変だったなあ。嵐なんか来たらめちゃくちゃだったよ。そこではゾウを大事にしてたぞう。」
「そうですか。でも日本とネパールは多分違います。」
その後も私とおじさんの会話は続き、
気付いたら私が降りるハーブルク駅に到着。
ヨン様と慌ただしい別れになってしまった。
慌てていたので日本語で
「また会おうね!じゃあね!」

まあ、またもや話しかけられやすいキャラを発揮しちゃったわけで、
ヨン様も驚いたことでしょう。

というわけで、
あなたの自転車のライトは大丈夫?