建物や機器は経年劣化が進むとメンテナンスが必要になりますが、生身の方も経年劣化の進み具合に応じた養生が必要になります。
当方の耳の方は高域劣化は否めないにしても、まだ健在ですが眼の方の劣化に難儀しています。
目の回復まではCD鑑賞に徹することが賢明と、資料作成はお休みしています。
さて、まとめ買いの数合わせの中の掘り出し物です。(¥752の安価)
ショパン:ピアノ協奏曲第1番、第2番
アレクシス・ワイセンベルク、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ&パリ音楽院管弦楽団
アレクシス・ワイセンベルクによるショパンの若き日の傑作である2つの協奏曲をカップリングしたアルバム。
ちなみにワイセンベルクが38歳、現在長老のスクロヴァチェフスキがまだ44歳のときのもので、華麗でしかも憂愁な気品に充ちた作品を、ワイセンベルクが、ロマンティックな情感を込めながらも颯爽として若々しく、力強さに溢れた輝きを放つ名盤です。(輸入元情報)
【収録情報】
ショパン:
● ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
● ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)
パリ音楽院管弦楽団
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
録音時期:1967年12月(第1番)、9月(第2番)
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
ユーザーレビュー
☆5のコメント 投稿日:2013/06/13 (木)
本盤はブルガリア出身のピアニスト、ワイセンベルクが大凡十年の演奏活動休止後の1967年フランスに活動拠点を構え収録したショパンのピアノ協奏曲第1番(タイム①21’02②10’31③10’03)と第2番(同①14’59②10’52③8’43)で伴奏はショパンの生まれたポーランド出身のスクロヴァチェスキーが指揮するパリ音楽院Oであります。
ちょっと横道に逸れますが1967年はワイセンベルク38歳、スクロヴァチェスキー44歳の頃でこの年この伴奏オーケストラ・パリ音楽院Oはクリュイタンス亡き後心機一転一旦解散してパリOに改組された時期でワイセンベルク自身もこの頃から暫くカラヤン・バックの協奏曲を多く録音するマァ全盛期を迎えつつある頃だった様に思えます。
彼のちょっとハードボイルド的な男前のルックスがその演奏とマッチしてこのショパン両協奏曲も一音一音はっきり粒立ちした音色で何か聴く者に対してツベコベ有無を言わせぬ説得感溢れる「男」の演奏であります。
ショパンでの聴き処要素でもある甘い儚いと言った世界とは明らかに異なってテンポがややゆる目な展開によりはっきりこのピアニストの硬質なタッチと鮮やかな指周りに聴き入った次第です。
伴奏もやや厚めのサウンドでしっかりサポートしスクロヴァチェスキーによく評される一音たりとも無駄にせず音化していく「レントゲン写真のような演奏」とは雰囲気は異なって特にショパンのオーケストレーションの貧しさも感じませんでした。
この共演者、年齢的にも近くそして収録時期にも過不足の無い頃(尤もスクロヴァチェスキーの方はもっと後年巨匠の仲間入りをするわけですが・・・)で繰り返しになりますが少なくとも軟弱ではない演奏を味わえそうです。懐かしさも込めて最高ランクで・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)