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ベル麻痺-愚痴なしブログ 

ベル麻痺の後遺症の軽減および目を守る方法を主に、併せて他の事も載せています。

電験三種(バックパルス)

2025年04月23日 | 電験3種

チョッパ回路は、コイルの逆起電力を巧みに利用していたが、この逆起電力はバックパルスまたはサージ電圧とも呼ばれ悪さもするので油断は禁物である。

 

☟発生原理は、降圧・昇圧チョッパ回路と同じである。(再確認)

 

 

☟バックパルスまたはサージ電圧などと名称が異なるが同じ現象である。アナログTVの時代はブラウン管用の22,000Vの高圧を発生させるのに用いていた。

(DC24Vから2万ボルトを安全につくり出す技術が確立されていた。24KVになると放射線の問題が生じるので22KV近辺に設定されていた)

余談になるが、抵抗は熱容量W数で決められるが、パルス状の高圧に対してはW数で決めることができない。抵抗の耐圧はW数とは関係なく、長さが重要になる。

 

 

☟バックパルスまたはサージ電圧対策を怠ると、事故に発展する。某メーカで多数発生したトラブルの原因がサージ吸収ダイオードを接続しなかったためと判明した事実がある。

※このサージ電圧またはバックパルスは、パワーエレクトロニクス回路で常に意識する重要な要素である。

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電験三種(チョッパ回路)

2025年04月23日 | 電験3種

パワー半導体応用の回路構成は、交流を整流回路で直流に変換し、直流をインバータ回路で再び交流にする方法と、太陽光発電のように直流をインバータ回路で交流に変換する方法に大別できる。

1. 交流⇒コンバータ⇒交流(AC-DC-AC)交流を直流に変換する回路をコンバータ回路という。(単にコンバータともいう)

2. 直流⇒インバータ⇒交流(DC-AC)直流を交流に変換する回路をインバータ回路という。(単にインバータともいう)

・何れの場合も電源の安定化が要求される。DC電源の安定化にはアナログ回路方式もあるが、現在は、スイッチング制御方式が多用されている。

・このスイッチング方式を陰で支えているのが、チョッパ回路である。チョッパ回路を理解をせずにパワー半導体回路の制御は理解できないと言える。

 

☟チョッパ回路の基本動作は非常に簡単で理解し易いのが特徴である。図のように電源とスイッチおよび抵抗から構成されている。

☝SWをON-OFFさせることで、抵抗両端の電圧は、Vになったり0になったりする。R両端には短冊状の波形が現われる。この波形にはDC分とAC分が含まれている。ハッチング部分が直流成分であり、外側の変化分が交流分になることを理解する。

 

☟ON-OFFの間隔が等しければ直流電圧は、平均化されて2分の1のレベルになるが、ON-OFFの間隔が異なれば平均化された直流電圧は変化することは容易に理解できる。

 

<コイルの性質を最大限に利用する>

・コイルは磁束の変化を嫌う性質が顕著であり、磁束変化を妨げる方向に自体の内部に起電力を誘起する。

・両端に電圧を掛けて電流を流そうとすると、その電流を流すまいとする方向に起電力を誘起する。誘起起電力はコイルの内部にあることを十分理解すれば降圧・昇圧チョッパ回路は容易に理解できる。

 

☟コイルは電流の流れている間に電磁エネルギーの形でコイル自体の中にエネルギーを蓄えられている。このエネルギーを有効利用すると考えれば理解し易い。コイルに発生する起電力eLは交流成分であるが、Dfで整流して直流化する。

・コイルに流れる電流は90°位相遅れの無効電流であり、π/2位相差の電流は電力を消費しないが、電磁エネルギーとして蓄えている。電源供給が無くなると、電流を流し続ける向きに内部に起電力を誘起する。この性質を利用している回路である。

☝フリーホイリングは、自転車にある機構で、ペダルをこいだ後に、こぐのを止めてペダルをそのままの位置にしても慣性で自転車が進む機構をフリーホイリング機構という。還流ダイオードは、この機構と似ていることから命名された。(強電では回生制動に相当する)

 

☟降圧チョッパ回路と同じ様にコイルに蓄えられる電磁エネルギーを利用して、電源電圧よりも高い直流電圧を得る方法が「昇圧チョッパ回路」である。

・降圧・昇圧チョッパ回路は、コイルの性質とフリーホイリングダイオードなどを利用しているが、チョッパ回路の基本にプラスしただけである。

 

 

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電験三種(方形波)

2025年04月23日 | 電験3種

オペアンプの前にチョッパ回路及びPWMや太陽光発電制御で用いられるPLL回路などを考慮すると、方形波の基礎知識が必要になる。

方形波は増幅器の特性をオシロスコープで目視し、判断できる便利な波形であり、弱電屋には馴染みが深く、多用する機会がある。しかし、強電屋はフーリエ級数の解説で基本のsin波に奇数次の高調波を無限次に重ね合わせるとできるとの理解はあっても弱電屋のように使いこなす方は少ないと思える。

☟方形波の基本からスタートする。

 

☟増幅器の特性を波形観測すると、問題点が明確になる。サグのの発生は低域減衰であり、リンギングは回路のQが高く振動している状態を示している。オーバーシュートは行き過ぎであり、条件によってはリングに移行する可能性がある。

 

 

☟微分回路は、幅の広いパルスをトリガーパルスに変換する目的で用いられるが、周波数的にはハイパスフィルタであり、高い周波数成分を通過させ低い周波数成分をカットする働きでも使用される。動作から見方を変えると、スピードアップ回路としても用いられる。

☟オペアンプで微分の演算ができる。(波形表示)

☟積分回路は、微分回路の反対でローパスフィルタとして働くと同時に遅延回路としての用途がある。身近な例ではコンバータ(整流回路)のリプル防止として多く目にする。

☟制御回路での積分回路は、方形波から三角波をつくるのに多く用いられている。PWM(パルス幅変調)、PLL(位相同期回路)などの比較波形として三角波が使用される。

※入力信号の大小を三角波の傾斜部で弁別動作を行う。

 

 

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電験三種(半導体5)

2025年04月22日 | 電験3種

<バイアス法>

・TRを動作させるために必要なバイアスを掛ける場合に、周囲温度の問題が生じてきた。

・PN接合に逆バイアスを掛けた場合に空乏層の幅が広くなり遮断状態となるが、絶縁体と異なり、半導体は若干の漏れ電流が生じる。

・この漏れ電流は、温度依存性があり、周囲温度が上昇すると増加する厄介な性質である。

☟ベース接地の漏れ電流(ICBO

 

☟次にエミッタ接地の漏れ電流について考察する。

・コレクタ遮断電流ICBOはTRの宿命であると考えて対策が必要になる。

☟バイアスを固定した場合の問題点から検討すると理解し易い。

☟固定バイアスの問題点を負帰還作用で打ち消している。

☟最も標準的なバイアス回路であり、電流負帰還作用とブリーダー回路を併用することで、安定指数Sを10程度にすることが容易である。

ICBOは、エミッタ接地回路で使用する場合、(1+β)倍されてコレクタ電流に加算されることは防げない(温度を下げる以外に方法がない)そこで、負帰還作用を利用し、等価的にICBOの影響を打ち消している。

※蛇足であるが、ICBOは温度依存性であり、温度制御以外に減少させることは出来ないので、負帰還回路で間接的に制御していることを理解する必要がある。

<安定指数S(stability factor)>

・コレクタ遮断電流ICBOによる熱暴走やバイアスの安定度を示す指標としてスタビリティーファクターSが用いられる。

S=IC/ICBO  (一般に、ΔIC/ΔICBOと変化分表記が用いられるまたはδICICBO

・漏れ電流ICBOがコレクタ電流に与える影響を示している。

・Sの値は5~20とされ重要な機器が5、通常は10を目安にしている。

・電流帰還バイアス回路で、エミッタ抵抗REとRAの関係はRA≒S×RE(カット&トライ法の設計)、S=10の場合、RE=1KΩ、RA=10KΩと決める。

※詳細は、コレクタ電流がICBOVBE、hFE≒βの関数なので、

S1=δICICBO、S2=δICVBE、S3=δICFEの3つで表される。

三種ではS=IC/ICBOのみで十分と考えられる。

 

 

 

 

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電験三種(半導体4)

2025年04月22日 | 電験3種

<B・E・C接地回路>

バイアス法の前に接地回路を取り上げる。TRの接地回路には3種類あり、それぞれの特徴を考慮し、用途に応じて使い分けている。

・電子回路おける接地回路は、入力信号と出力信号が共通する電極名で分類されている。また、強電の接地は大地基準であり、主に保護を目的としているので「接地」の意味が異なる。(2021.1/27接地抵抗と150V参照)

 

(1)ベース接地回路

・信号電流と出力電流がベース電極を共通する回路をベース接地回路という。

☟この分類方法であれば接地記号が無い回路図でも明確に区別が可能である。

・ベース接地回路の特徴

①入力電圧と出力電圧の位相が同相である。

②入力インピーダンスが低い。出力インピーダンスは高い。

③電流増幅はαが1以下なので出来ない。

④電圧増幅は出来る。

 

(2)エミッタ接地回路

・信号電流と出力電流がエミッタを共通する回路をエミッタ接地という。

・増幅器として最も多く使用されている接地方式である。

・エミッタ接地の特徴

①入力電圧と出力電圧の位相が逆である。

②入力インピーダンスは、中程度であり、出力インピーダンスの中程度

③電流増幅ができる。増幅度βは100以上であり、更にダーリントン回路で大幅な拡大が可能である(1000倍、10000倍が容易である)。

④電圧増幅が可能である。

⑤電力増幅が可能であると同時に電力利得が最も大きい。

⑥入力と出力が逆相であること利用した位相反転回路として用いられる。

⑦安定指数Sの配慮が必要である。(バイアス法で解説)

☟参考にダーリントン接続、パッケージ化した市販品が入手可能である。

(3)コレクタ接地

・信号電流と出力電流が負荷を共通する回路をコレクタ接地回路という。

☟考え方を明確にする目的で接地記号を書いてあるが、エミッタ接地ではない。

・コレクタ接地の特徴

①入力電圧と出力電圧の位相が同じである。

②入力インピーダンスがたの接地回路と比べて非常に高くできる。(負荷抵抗の大きさにより∞とみなせる回路もある)

③電圧増幅度は1又は1以下となり、増幅できないと考える。

④電流増幅は可能である。

⑤電力増幅も可能である。

⑦コレクタ接地は増幅器としての扱いではなく、インピーダンス変換器としての扱いが多く、バッファ回路(緩衝増幅器)として用いることが多い。インピーダンス変換の考え方は入力の低いインピーダンスを、出力に高く変換して次段へ伝達する目的の回路と考える。

 

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