パリの美術館から子供のための はじめての美術館1回1作品 2023

パリ、オルセー、ルーブル美術館から1回1作品、小さいお子様とご一緒にシニアの皆様も。やさしい教養。

子供のためのルーブル美術館(15)猫がお話するわ、遭難したメデュース号のいかだのこと。

2023-06-29 15:31:00 | 子供のためのルーブル美術館

わたしはジェリコのうちのネコ



たまにはルーブル美術館に行って
こうやって女の子のおひざにすわるの

ここ、さびしいところだとおもわない?
草も木もお花もはえてない
さばくだっていう人もいるくらい

この女の子だって、ポーズとるのもむずかしそう
早くおうちに帰りたいってお顔でしょ


ジェリコーっていう絵を描く人、知ってるかしら

ほら、大きな船が沈んで何人かだけがやっと助かったって本当のお話しの
イカダで有名な絵をかいたのが
ジェリコー


ちょっとショックな絵
みんな必死で助けてってさけんでるの
もうあきらめて力つきたひともいるわ
そんな絵

人気のある絵だからいつも人がいっぱい




助けて 苦しい 悲しい 絶望 



荒れる波のずっとむこうにどこかの船のかげを見つけて
手をふる人 
あ、船だ!助けてー」「ここにいるよー」

 ここにだけ 希望



友達のドラクロワもこの絵で倒れている人のモデルになったの

そしてできあがった絵を見てドラクロワも おどろいたんですって

同じような絵をかいたくらい




ああ…

こんな絵に疲れたら

わたしと女の子のところにもどってきてね
ここは ルーブルでも だあれも見にこないのよ
この絵がジェリコが描いた絵って
みんな 気がつかないんですもの

だから 


いつか まってるわ




Théodore GÉRICAULT

Rouen, 1791 - Paris, 1824

Portrait de Louise Vernet

(1814-1845)

テオドール・ジェリコ
ルイーズ・ベルヌの肖像 1818

Le Radeau de la Méduse

Huile sur toile, 1818-1819

Salon de 1819 sous le titre Scène de naufrage

メデュース号のいかだ 1819


Eugène DELACROIX

Le Naufrage de Don Juan

Huile sur toile, 1840

Salon de 1841 sous le titre Un naufrage.

D'après Don Juan, poème de l'auteur anglais

Lord Byron [1788-1824).

ウジェーヌ・ドラクロワ

ドン・ファンの難破

油彩・カンヴァス、1840年

「ドン・ファン」より




Louise Vernet enfant, fille du peintre Horace Vernet, plus tard femme du peintre Paul Delaroche.

Musée du Louvre

 

Le radeau de la Méduse

Musée du Louvre

 

メデューズ号の筏 - Wikipedia

 

テオドール・ジェリコー - Wikipedia

 

お読みいただきありがとうございました。
絵画の世界も深いですね。美しい絵ばかりではありません。ジェリコーは32歳と若くして他界します。ジェリコーの早世に嘆き悲しんだドラクロワは、この絵画に込められたジェリコーの創作意欲に大きく自身を奮い立たせ、代表作の一つである「キオス島の虐殺」を完成させました。
猫と女の子の絵は、ひっそりとあまり鑑賞者もいないところにあります。

 





子供のためのオルセー/オランジュリー美術館(5)マティス・また元気になったから②<やさしい教養>

2023-06-27 23:50:00 | 子供のためのオランジュリー美術館

やる気がなくなって
南の島にいったマチスおじさん
のつづき





すっかり げんきになった
マチスおじさんは
気がついた


すこしの色と
あと
線にかたちだけだ

🟥あか
🟦あお
⬛️くろ
🟨きい



青のドレス そでは
もっともっとふくらませて




スカートも大きくして
赤いイスからあふれるくらい


🇫🇷

🇫🇷

🇫🇷


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加筆再掲しました 

子供のためのオランジュリー美術館(5)やる気出てきたマチスおじさん、ふくらんだ青のドレス④|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのオランジュリー美術館(5)やる気出てきたマチスおじさん、ふくらんだ青のドレス④|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

やる気がなくなって南の島に行った マチスおじさんのつづき④ タヒチからかえって すっかり元気になったマチスおじさん もう色もこれだけでいい  🟥あか  🟦あお...

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子供のためのルーブル美術館(14)さあ水晶のかたちの勉強をしないか、ダヴィンチの数学の先生と。

2023-06-26 01:37:00 | 子供のためのルーブル美術館

これがわかるかね


ここにある いろいろな物を 
よく見てごらん
三角か四角か?
どんなかたちでできているのか



定規(じょうぎ)を用意して



そして丸をかくための
コンパスもだ



きらきらひかっているこれが見えるかな?

とうめいな石
水晶(すいしょう)でできている




いったい いくつ
とがっているところがあるのか
たいらなところは
どんなかたちをしているか
わかるかね?


この水晶にうつっている
まどの外の
青い空が
きみには 見えるかな



レオナルド・ダ・ビンチに
算数を教えたときも
こうだった


🇫🇷

🇫🇷

🇫🇷


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加筆再掲しました 


子供のためのルーブル美術館(14)さあ、水晶の形の勉強をしないか、ダヴィンチの数学の先生と|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのルーブル美術館(14)さあ、水晶の形の勉強をしないか、ダヴィンチの数学の先生と|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

これがわかるかね ここにある いろいろな物を  よく見てごらん 三角か四角か? どんなかたちでできているのか 定規を用意して そして円をかくための コンパス...

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子供のためのルーブル美術館(5)加筆再掲/古代エジプト・いきものの形の文字

2023-06-17 13:24:00 | 子供のためのルーブル美術館
4000年まえの
エジプトの神殿(しんでん)のとびら




いろんなかたちがほってある

とりもいるね

むかしむかしの
もじだって



はやぶさは 王さま
をあらわす字


Faucon : se lit "bik", faucon, 

ou plus probablement pour

 ce hiéroglyphe d'incrustation

 "Hor", le dieu faucon Horus




かもは 男の子
まるいのは お日さま

Le hiéroglyphe "sa" : un canard = "Le fils", 

et le disque solaire, ici "Ra" (le dieu soleil)


かみさまの子ども
っていういみ


🇫🇷

🇫🇷

🇫🇷


 つづきは

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加筆再掲しました 

子供のためのルーブル美術館(5)古代エジプト・動物の文字が読める?①|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのルーブル美術館(5)古代エジプト・動物の文字が読める?①|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

みんなも読めるよ、むかしむかしのエジプトの文字 4000年まえの エジプトの神殿のとびら いろんなかたちが ほってある とりもいるね むかしむかしの 文字だって...

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子供のためのはじめての美術館 美術館裏のパリ(6)番外編 

2023-06-16 09:43:00 | 美術館脇のパリ

皆さま
いつも子供のためのはじめての美術館をお読みいただき、ありがとうございます。

今日は番外編、美術館裏のパリの日常をご紹介します。

今日は芸術家の愛した丘、モンマルトルから。
では参りましょう。



モンマルトルの丘に登りこのような階段を上から撮影。これだけで雰囲気



ラパンアジル、ここで一杯いかがでしょう。
古くはゴッホ、ルノワールも通ったシャンソニエ。ジョルジュ・ブラックアンドレ・ドランアメデオ・モディリアーニモーリス・ユトリなどのモンマルトルのボヘミアン画家や詩人が集まりました


丘の上にあるドッグラン。お国選ばずどこでも我が子自慢


壁アートもここまでくると。はがされては貼りの繰り返しのこの汚さが、さすがのモンマルトル

壁アートといえば。。。
丘をあとにして、お洒落部門サントノーレの通りへ


今は亡き女王様
タイルアート こちらはおしゃれな傾向
女王の上にあるなんとも呑気な顔


ブーローニュの森近くでは…

恒例全仏オープン、コートの赤土が初夏を感じさせる
こんなハットをかぶって観戦

赤土クレーでできたロゴ。記念撮影スポット
カフェのカップもこのカラー
プラスチックカップを返却するともれなく2ユーロ(300円)も!返ってくるエコシステム



次回はイギリス、日本で人気のウィンブルドン7月3日開幕


今回もまたまたパリ人気のマレのお店に参りましょう。

メルシーというお店
雰囲気ある入り口
人気のトート


天井から駒、チェス♟️の駒


カフェは本棚の横。古い電灯や雑多に陳列された本棚にもセンスが

メルシーの店の隣には
なんと



ノンメルシーの店
いらない!もう結構!という意味


パリジャンの皮肉の効いたエスプリ
昔から人気のフランス絵本のキャラクター



パリも連日29度の暑さが続いています。
それでは皆さま、どうぞお大事に、良い週末をお過ごしください

ブログ主

















子供のためのルーブル美術館(12)ああっ、ミロンの手が抜けない!ライオンがくる<やさしい教養>

2023-06-11 23:49:00 | 子供のためのルーブル美術館
むかしむかしの
古代ギリシアのおはなし

クロトンにすんでいるミロンは
子供のころから かたに牛をのせて歩く訓練毎日して 
有名なレスリングの選手になりました。

ミロンは毎日 
一度に10キロの肉と10キロのパン、8リットルのワインを飲まないと
おなかがいっぱいになりません。

「わたしの体は誰よりも大きく誰よりも強い
わたしにかなうものなど
誰もいないぞ」




ギリシアの大会でもオリンピックでも
24年間ずっと 誰にも負けたことがないのが
ミロンの自慢でした。
そんな強いミロンが年をとってから イタリアに旅にでました。
森のおくふかくに入っていくと 古いかしの木がたおれていました
いつものようにミロンは思いました。

「こんな木など、こっぱみじんだ。わたしの力にかかったら 
なんでもこなごなにしてやる!」

と 手をふりおろしましたら
なんと

すっぽりはまってしまって ぬけません。


足をふみしめても どうしてもぬけません。


続きはnoteからどうぞ
画質の良い画像でご覧ください

子供のためのルーブル美術館(12)ああっ、ミロンの手が抜けない!/ルイ14世のために作られた傑作・ピュジェ|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのルーブル美術館(12)ああっ、ミロンの手が抜けない!/ルイ14世のために作られた傑作・ピュジェ|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

むかしむかしの 古代ギリシアのおはなし クロトンにすんでいるミロンは 子供のころから 毎日 かたに牛を乗せて歩く訓練をして  有名なレスリングの選手になりました。 ...

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子供のためのオルセー美術館(27)セザンヌ、自分だけの絵 筆の動きはどっちに。

2023-06-08 02:27:00 | 子供のためのオルセー美術館

ここは
フランスのいなか
エクサンプロバンス

あっちにもこっちにも
葉っぱのかたまり
いろんなみどりがうつる池
あと、
むかしむかしの小さな橋


Adapted from Pavel Machotka


どうしたら自分だけの絵が
かけるだろう
セザンヌは たったひとり
ここにいました



こいみどりとピンクの土
まっすぐな木



水にはみんなうつってて
お日さまも
葉っぱからすこし

風だ
ふかい池のつめたいにおい





セザンヌは
近代絵画の父とよばれました
みんなのあこがれの画家でした

セザンヌがひとりでかんがえた
ふで🖌️のつかいかたを
見てみましょう



よこむきのブロックで水をかき
ななめの線で はっぱ
木はたてのブロックのかたちで
かきました

たくさんのブロック見つかったかな





Paul Cézanne

Aix-en-Provence 1839 - Aix-en-Provence 1906

Pont de Maincy Vers 1879

Huile sur toile

ポール・セザンヌ

マンシーの橋 1879


Pont de Maincy - Paul Cézanne | Musée d'Orsay




Adapted from Pavel Machotka, Cézanne: The Eye and the Mind. 


セザンヌの作品群の中でも、《マンシーの橋》は長い間、年代測定や場所の特定に問題があったが、現在では1879年末から翌年初めにかけて描かれたというのが一般的な見解となっている。
印象派の影響を受けているとはいえ、セザンヌの絵の中でこれほどまでに輝きを放つ作品はほとんどない。
空間を循環する空気、幾重にも反射して波打つ水面が感じられる。しかし、構図を織りなす長くまっすぐなストロークが、クロスハッチングのように斜めに働かされることで、後期の作品に見られる魅力的な官能的詩情も感じられる。
1880年代このアプローチは、特に風景画において常に探求され、発展してきたものである。空間と質量、形とその反射の表現はキャンバスの上で力強くも繊細なバランスを実現している。


Le pont de Maincy 1879-1880 (R436 FWN143)

R436 – Le pont de Maincy 1879-1880 (FWN143) Pavel Machotka (Cliquer sur l’image pour l’agrandir) Perhaps no use of the parallel touch is more s...

Société Cezanne

 


お読みいただきありがとうございました。またいつかのぞきにいらしてください。ありがとうございました。

本ブログ「子供のためのオルセー美術館・ルーブル美術館」でご紹介している内容は全て、美術館発信の事実に基づいたものをお話にしています。





























子供のためのオルセー/オランジュリー美術館(3)加筆再掲/モディリアーニのともだち

2023-06-06 19:13:00 | 子供のためのオランジュリー美術館

ようこそ ぼくの家へ
ぼくはポール
絵を売るしごとをしている

ぼくの友達
モディリアーニは
なんともいい絵をかくんだ


黒いスーツに
ハット
パリの最新ファッションだ


🇫🇷

🇫🇷

🇫🇷


 つづきは

こちらnoteからどうぞ


加筆、再掲しました 

子供のためのオランジュリー美術館(3)みんなも一枚モディリアーニの絵を買ってくれたまえ|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのオランジュリー美術館(3)みんなも一枚モディリアーニの絵を買ってくれたまえ|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

「ポール、君はぼくらの星だ/NOVO PILOTA!」 モディリアーニより ようこそ ぼくの家へ ぼくはポール 絵を売るしごとをしている ぼくの友だち モディリアーニは なん...

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子供のためのオルセー美術館(27)ルノワールとモネ・2人でひかりが描けた日、新しい絵のはじまり

2023-06-02 23:10:00 | 子供のためのオルセー美術館


「このお日さまのひかりを
がようしに かけたらなあ」

ルノワールは
なかよしのモネといっしょに

なんどもなんども
外に出て 絵をかきにいきます


ふたりはいろんなことに
きがつきました

モネはけしきに 光の反射をかき

モネ Bain à la Grenouillère, 1869.

ルノワールは おなじばしょで
光が当たっている人たちが
うきあがってみえるように
かくことができました


ルノワール la Grenouillère, 1869.



ふたりはえのぐの色をまぜないで
がようしに ちょくせつ
色を おいていきました


ルノワールはいいました
 「もう かげを黒くかくのはやめたよ」


あたらしい絵のかきかたの
はじまりでした


🇫🇷

🇫🇷

🇫🇷


 つづきは

こちらnoteからどうぞ

加筆再掲しました 


子供のためのオルセー美術館(27)ルノワールとモネ・ふたりで光がはじめて描けた日|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのオルセー美術館(27)ルノワールとモネ・ふたりで光がはじめて描けた日|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

新しい絵のはじまり、1869年 「このお日さまのひかりを 画用紙にかけたらなあ」 ルノワールは なかよしのモネといっしょに なんどもなんども 外に出て 絵をかきにいき...

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子供のためのオルセー美術館(26)モネ、急ぐ <やさしい教養>

2023-06-01 10:20:00 | 子供のためのオルセー美術館
ぼくは ルノワール

友だちモネが
ロンドンに行ったんだ

ウォータールーの橋に
ついたとき

すごいきりが出てきた

モネは いそいだ
このきりをかくんだって


橋、じゃなくてきりをかくの
まったく モネだ!

もってたパステルの青と白だけで



🇫🇷

🇫🇷

🇫🇷


 つづきは

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加筆再掲しました 

子供のためのオルセー美術館(26)モネ、急ぐ|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

子供のためのオルセー美術館(26)モネ、急ぐ|子供のための「はじめての美術館」パリの美術館から1回1作品

ルノワールから聞いたはなし ぼくは ルノワール 友だちモネが ロンドンに行ったんだ ウォータールーの橋についたとき すごいきりが出てきた モネは いそいだ このき...

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