ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

醜い猫の話

2021-02-03 | 考え方

 

 

 

*この作者不詳の話をあるウエッブサイトで読んだ時、涙が溢れてきた。今それを訳しながら書いていると、やはり涙が溢れてきた。それでもこのメッセージは書くべきだと思い、ここに記載する。

 

その集合住宅の誰もがUgly(今風の日本語にすれば、「ぶさお」なので、以下ぶさおと呼ぶ)が誰であるかを知っていた。、この「ぶさお」は、世界で3つのことを愛した「常駐」の雄猫だった。その3つとは猫同士の戦い、ゴミを漁って見つけた物を食べること、そして言うまでもなく、愛だった。これらのものの組み合わせは、外で過ごしたその「猫生」と組み合わされて、ぶさおに少なからず影響を及ぼした。

まず、ぶさおは片目しかなかった。そして、目があるべきところに、ぽっかりと穴が開いていた。彼はまたその目があるべきサイドの耳も失っていた。左足はかつてひどく骨折し、そのまま不自然なまま治癒していたため、いつも角を曲がるかのように見えた。彼の尻尾はずっと前に失われ、絶えずけいれんしているような最小の尻尾の根元だけを残していた。

ぶさおは濃い灰色のぶちと縞模様のタイプで、頭、首、さらには肩までもが厚く黄色いかさぶたで覆われていた。誰もぶさおを見るたびに、同じ反応をした。 「それは汚いぶさお!近ずいたり、触ったりしてはいけない」とすべての子供たちは警告された。大人たちは彼に石を投げたり、ホースを持って、家に来ようとしたときにぶさおに水をかけ、それでもぶさおが去らないとドアに入りかけている彼の足を挟んだまま閉じたりした。ぶさおはいつも同じ反応をした。誰かが彼にホースを向けると、ぶさおはそこに立ったまま、その人が諦めてやめるまでびしょ濡れになっていた。誰かが彼に物を投げつけたら、彼はその人を即座に許し、そのひょろっとした体をその人の足の周りに巻き付けた。

ぶさおが子供たちを見かけると、いつでも、必死に鳴きながら走ってきて、子供らの手に頭をぶつけ、彼らの愛を懇願した。もし誰かが、ぶさおを抱き上げたりすると、彼はすぐシャツ、イヤリング、またはその手が届くか見つけることができるものなら何でもちゅくちゅくと吸い始めた。

ある日、ぶさおは隣人の大型犬たちと親しくなろうとした。ところが犬たちはそれに応じはせず、代わりにぶさおを襲った。私のアパートでぶさおの叫び声が聞こえ、私は助けようと彼が横たわっていた場所に急いで行った。ひどく犬たちに噛まれて、ぶさおの悲しい命はもうすぐ終わりに近づいているのがすぐにわかった。ぶさおは水で濡れた地面の真ん中に横たわり、後ろ足と腰はひどくねじれて形が崩れ、白い毛が一筋になっている前面は、開口したひどい傷があった。

彼を抱き上げて家に連れて帰ろうとすると、喘鳴とあえぎ声が聞こえ、息をするのに苦労していた。ひどく傷つけられて、その痛みは想像を超えているに違いないと私は思った。すると私は耳に馴染みのある引っ張り、吸い込む感覚を感じた。ぶさおは、堪え難い多くの痛み、苦しみ、そして明らかに死にかけているのに、私の耳をいつものようにちゅくちゅくしようとしていた。私は彼をさらにぎゅっと抱きしめると、ぶさおは私の手のひらにその頭をぶつけ、それから金色の片目を私に向けた。そして私はぶさおが喉を鳴らす独特の音を聞くことができた。最大の苦痛の中でも、その醜い、大怪我を負った猫は、ほんの少しの愛情でもいいから、そしていくらかの思いやりを求めていた。その瞬間、私はぶさおが今まで見た中で最も美しく、愛情深い生き物だと思った。

ぶさおは一度も私を噛んだり引っ掻いたり、私から逃げようとしたことはなかった。私を見上げて、自分の痛みを和らげるためにぶさおは、私を完全に信頼した。しかし、私が家の中に入る前に、彼は私の腕の中で息絶えてしまった。その後、私は座って長い間彼を抱きしめ、傷ついた、体が変形した小さな野良猫が、真の純粋な精神を持ち、完全にそして真に愛することの意味についての私の意見を変えたのを考えた。

ぶさおは、千冊の本、講義、トークショーのスペシャルよりも、与えることと思いやりについて私にもっとたくさん教えてくれた。そのことに私はいつも感謝している。ぶさおは外側に傷があったが、私には内側に傷があり、次に進んで真に深く愛することを学ぶ時が来た。私が世話をした人々に私の全てを与えるために。多くの人々は、より豊かで、より成功し、好かれ、そして美しくなりたいと思っている。けれど私は、常に「ぶさお」のようであることを心がけている。

 

 

 

 

コメント (2)
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