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住む町には、二つ映画館があり、一つは$3で昼夜観られる。映画は、少し封切りから経っている物が多いが、子供映画も多く、少し前までよく利用した。もう一つは、最近リノヴェーションをして、客席は少な目、全席は、幅広で、リクライニングシート、そしてポップコーンやスナックを置ける小さなテーブル付である。これは、すぐ隣の市にある18や16の劇場のある大映画館二軒に対抗して、それならこちらはラグジョリーに行く、という感じ。勿論私の家族は、「地元」のラグジョリーな映画館を贔屓にしている。 料金は改築前と同じで、本当にゆったりと鑑賞できるのがうれしい。
空の巣族になったのに、最近ゆっくり映画デートすることが少なくなって、気がつけば、二人で観たのは、Spectre(007 スペクター)ではなかったか?あれは、二年も前の映画! このところ、長女・長男の子供達のお守りをすることが多かったし、教会の催しがあったり、系図調査で忙しかったし、ごめんね、夫。というわけで、久しぶりに土曜日のマティネーへ夫と、そのお気に入りの映画館に行った。
劇場用映画としては、おそらく二番目に作られたKenneth Branaugh・ケネス・ブラナ監督・主演のMurder on the Orient Express・オリエント急行の殺人を選んだ。私は、1974年のアルバート・フィニー主演(つまりエルキュール・ポアロ役)作も観たが、私は、BBC(British Broadcasting Corporation=英国放送協会)経由PBS(合衆国の公共放送局)で、全編観ていた「アガサ・クリスティのポワロ」が一番好きだ。David Suchet・デヴィッド・スーシェが、一番原作のポワロに忠実に役作りをしていると実際にクリスティの家族が言ったほど、ポワロに成りきって原作に近いと思う。特にオリエント急行殺人の回では、見事にスーシェはポワロの心理を描き、見終わった私は涙があふれた。
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1934年に出版された原作は、明らかに1932年に起きた、その当時は前代未聞な残酷な事件、チャールス・リンドバーグの長男誘拐・殺人事件からヒントを得ている。幼い子供が誘拐され、身代金を払っているのに、あっけなく遺体となって発見されのは、残酷で、今現代でさえ、心を凶器で抉られる思いになる。現実に、そうした小さな人への事件は後をたたない。子供を育て、孫もいる身だからの思いもあって、この作品映画を観ると、最後は必ず泣けてしまう。
ポップコーンとコークのカップを小さなテーブルに置いて、それぞれのリクライニングシートに二人して収まり、映画は始まった。ケネス・ブラナは、夫も私もそう好いていなかった俳優だが、私は彼があのスゥエーデンのWallander(英国版TVシリーズ)で非常に好演しているのを「発見」したので、夫にこの映画にしようと提案したのだった。結果二人とも楽しめた。ポワロは、正義を背骨に持つ探偵で、いつも必ず正義が勝つと信じて疑わなかったが、現実には、果たして。。。という葛藤があって、そこをどう演じるかが課題だったと思う。私はディヴィッド・スーシェをいまだ好むが、ケネス・ブラナも捨てたもんではない。
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夫と私は、毎週金曜の夜食事デートをしたり、古い映画を流すテレビ局がいくつかあって、それを自宅で観て、すますこともあるが、劇場で映画を観るのは、やはり、楽しい。世の中は、Star Warsでさんざめくが、夫も私も関心がなくて、つい古い映画チャンネルで、になってしまう。そういえば、姉の友人の邸宅には、立派な映画室があった。その邸宅は売って今はタウンハウスに移ったが、実はそこにも以前のよりも慎ましいが、あるのだ。
そうだ、うちにも、うち風の映画室を作ろうか。コスコやサムズクラブでは、映画室用の音響セットが、そう高くはなく売られている。五人の子供が巣立った今、空き部屋が4つもあるし、などと夢を膨らませる私に、夫は「そんなことをすると、オタクって呼ばれるよ?」と尻込みしている。
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