「加藤シゲアキさん『戦争』をテーマに新著」今朝(11月2日付け)の「読売新聞」に載った見出しだ。「読売新聞」では、家庭面に「引き揚げを語る」を連載し、また読者の証言を通し、「戦争の実態」を伝えようとしている。その一環に、今回の新刊の記事もあるようだ。失礼ながら、加藤シゲアキ氏の小説は、きちんと読んでいない。ぱらぱら~っと流し読み程度は何冊か。それなのに、今回の新刊に反応したのは、その新刊ミステリー . . . 本文を読む
川奈紀美『女も戦争を担った~昭和の証言』(河出書房新社)を読み終えた。朝日新聞記者である著者が、昭和50年代(1970年代頃か)、戦争に関わった女性を取材し、その言葉をまとめている。1982年(昭和57)の新装版と言うから、何となく知っているような話題もチラホラ。たとえば、俳優の故・三國連太郎氏が徴兵忌避で逃亡をしたが母親に「密告」された・・・というエピソードなど。息子の佐藤浩市さんが「俳優として . . . 本文を読む
今年は、関東大震災から100年。地震の発生した9月1日の9月中に、どうにか辻野弥生『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』(五月書房)を読み終えることができた。今、公開されている話題の映画、森達也監督「福田村事件」の史料になった本だ。福田村事件については、既に過去記事「関東大震災100年に」詳しく書いているので、ここでは、ざっくりと。福田村事件とは、関東大震災から5日後の、大正12(1923)年 . . . 本文を読む
戦時下にも、普通の生活があったんだ・・・このことは、こうの史代「この世界の片隅に」の映画化で、広く知られることになったのではないかな?NHKでは、2年ほど、身近な「すずさん」さがしの特番を組んでおり、そこには多くの「すずさん」が寄せられていた。ともすれば、戦時中は、難しい顔で、いつも泣いていたような感覚にとらわれるけれど・・・そうじゃないんだよね。わたしが最初に、そのことに気づけたのは、向田邦子エ . . . 本文を読む
ふとしたことで・・・秋田市の「北方教育運動」を知る。昭和初期、成田忠久は、尋常小学校の代用教員を辞め、秋田市内で豆腐屋を営みながら、青年教員とともに生活綴り方教育の実践を志す。当時は、子ども達に日々の暮らしを作文や詩にすることで、自分の生き方を考えていく、という実践があった。中には「赤い鳥」の鈴木三重吉に影響を受けた豊田正子のように綴り方から少女作家として名を馳せたもの例もある。秋田における運動は . . . 本文を読む