久しぶりに、岸政彦氏の新刊を読む。仕事をしていた頃は、こういった社会学的な本もよく読んだけれど、最近は、とんとご無沙汰。新刊『にがにが日記』(新潮社)は、カバーや本文の写真も岸氏、イラストを「連れ合い」の齋藤直子氏が担当。ウェブマガジン「考える人」に連載されているそうだ。(新潮社のHPよりお借りしました)2020年1月、沖縄への旅に出た。思えば、これが、コロナ禍前の最後の旅行だった。わたしは頭でっ . . . 本文を読む
今年の箱根駅伝は、額賀澪『タスキ彼方』と共に観戦した。テレビ中継だけでなく、スマホも動員し、状況はを常に把握しながら本を読む・・・ご贔屓チームの快走やピンチには、本を閉じて大声をあげるのだが。今年の箱根駅伝は第100回大会。額賀氏の「タスキシリーズ」も第三作を数え、本書では、過去の大会が大きな意味をもつ。俄然、箱根駅伝の戦前戦中の大会に興味がわく。読了後、さっそく、参考資料としてあげられていた早坂 . . . 本文を読む
横浜生まれ、横浜育ちの「ハマッ子」なので、箱根駅伝は、子どもの頃から近しい。コロナ禍以前のここ十数年は、沿道観戦も欠かさなかった。選手が走ってくるのを、寒風吹き付ける路上で、待つこと数時間。先頭選手が、いよいよやってくるとのアナウンスが入る・・・その一瞬の静寂の後・・・大歓声。(画像は2020年2区・9区で撮影)目の前を、まさに風を切るようにして走る、その力強さに、懸命さに、我を忘れ、夢中で叫ぶ。 . . . 本文を読む
若い頃から評伝が好きだ。ちょうどロベルト・シューマンのピアノ曲集「子どもの情景」を練習しているので、この機会に、シューマンの評伝を読もうと思い立った。ところが、何冊か読んでみたのだが、どれも集中できず、挫折。奥さまのクララの評伝に切り替えた。それが、原田光子『真実なる女性 クララ・シューマン』(みすず書房)。ロベルト(1810-1856)、クララ(1819-1896)のシューマン夫妻。夫ロベルトは . . . 本文を読む
前記事(「若き血・今昔」)で深紅の優勝旗をもちかえった塾高(慶應義塾高校)ナインと同じ慶應義塾の日吉にある第一校舎(現・慶應義塾高校校舎)で学んだかつて学徒出陣で出征、特攻死した二人について触れた。ちょうど、そのとき梨木香歩『歌わないキビタキ 山庭の自然誌』(毎日新聞出版)を読んでいた。梨木さんは、わたしの敬愛してやまない作家さんのひとり。勝手に四半世紀のおつきあいの友人気分でもいるwもちろん新作 . . . 本文を読む